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凍結融解抵抗性

ドキュメント内 エコセメントおよび再生骨材を用いた舗装用 (ページ 116-121)

第 4 章 エコセメントおよび再生骨材 M を用いた超硬練りコンク

4.4 結果および考察

4.4.3 凍結融解抵抗性

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図4-10に,NaCl3%溶液中での凍結融解試験における300サイクルまでの相

対動弾性係数の経時変化を示す.エコセメント超硬練りコンクリート(ENN)と 普通超硬練りコンクリート(NNN)の 300 サイクル時点での相対動弾性係数を は,同等であり,90%を超える高い値を示した.このことから,エコセメントは,

凍結防止剤が散布された環境においても,超硬練りコンクリートに適用するこ とで,コンクリート内部の性状は NC を使用した場合と同等となると考えられ る.次に,再生粗骨材を使用した場合(ENR)の相対動弾性係数に着目すると,

280サイクル近傍までは,普通粗骨材を使用した場合と同等であり,300サイク ル近傍で急激な低下がみられた.本検討に使用した再生粗骨材は,前述のとおり F.M.凍害指数 0.08 以下を満足する M 品再生粗骨材であるため,NaCl3%溶液中 においても,高い水準で相対動弾性係数を維持できたものと考えられる.しかし,

再生粗骨材の吸水率(2.75%)は,普通粗骨材の吸水率(0.65%)よりも高いため,

再生粗骨材自体が保有する自由水が多くなり,凍結と融解の繰り返しによる水 の体積膨張や,その水に含まれる塩化物イオンの影響を受けやすくなったと考 えられる.そのため,普通粗骨材を使用した場合よりも早い段階で,コンクリー ト内部の劣化が始まったと考えられる.3.4.4項における,再生粗骨材Lを使用 した場合の相対動弾性係数の経時変化と比較すると,耐凍害相当品の再生粗骨 材Mの使用により,相対動弾性係数は顕著に改善しているとわかる(図4-11). 再生細骨材を使用した場合(ERR,EBRR)の相対動弾性係数に着目すると,

普通細骨材を使用した場合と異なる挙動を示した.ERRおよびEBRRともに,

150サイクル近傍で,相対動弾性係数が低下する傾向がみられ,280サイクル近 傍でさらにもう一段階低下した.細骨材はコンクリート中に均等分散に近い状 態で存在していると考えられるため,再生細骨材と普通細骨材との吸水率の違 いによる影響が顕著に現れたものと考えられる.また,急激に相対動弾性係数が 低下する箇所については,凍結と融解の繰り返し作用によって,再生細骨材を起 点としてコンクリート内部で生じた複数の微細なひび割れ同士が連続すること で急速な内部劣化を表していると考えられる.この劣化が,最終的にコンクリー ト表層部での劣化と繋がると,大きな塊として崩壊し,3.4.4 項で取り上げた,

質量減少率の顕著な増大につながると考えられる.一方,ERR と同様の挙動を 示す EBRR の相対動弾性係数は,凍結融解サイクル数の増加に伴って低下する が,280サイクル近傍までは,ENRと同等である.これは,BFSの水和により,

塩化物イオンの浸透が抑制されたためと考えられる.また,BFSを混合したこと で粉体量が増加し,相対的に再生細骨材の単位量が減少し,コンクリート内部が ERR よりも緻密な構造となったことで,凍結と融解の繰り返しによる自由水の 移動を抑制できたと考えられる.このことから,ソルトスケーリング抑制を目的 として混合したBFS は,凍結融解作用によるコンクリートの内部劣化の低減に

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も効果的であると考えられる.

本試験の凍結融解試験においては,再生骨材を使用した場合でも,300サイク ル終了時点で,60%以上の相対動弾性係数を確保できている.このことから,使 用する再生骨材の品質を向上させる(本検討ではLからMへ)ことで,コンク リート内部の耐久性は高まることが確認された.しかし,300サイクル近傍にお ける,再生細骨材を使用した場合(ERR,EBRR)の相対動弾性係数の傾きは,

NNN や ENN と比較して顕著に下がっていることから,塩化物イオン下で凍結 融解作用を受ける再生細骨材を使用したコンクリート構造物は,一般的な材料 で構成されるコンクリート構造物より早い段階で寿命を迎えるであろうこと,

また,その劣化挙動が急激となるタイミングが存在しうることを考慮する必要 がある.

60 65 70 75 80 85 90 95 100

0 50 100 150 200 250 300

対動弾性係数(%)

サイクル数(回)

ENN ENR ERR EBRR NNN

図4-10 相対動弾性係数の経時変化

図4-11 再生骨材Lとの比較(相対動弾性係数)

30 40 50 60 70 80 90 100

0 50 100 150 200 250 300

相対動(%)

サイクル数(回) ENR-L

ENR-M ERR-L ERR-M EBRR-L EBRR-M

NaCl3%

NaCl3%

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図4-12に,NaCl3%溶液中での凍結融解試験における300サイクルまでの質

量減少率の経時変化を示す.質量減少率の増大は,スケーリング量の増大を意味 している.本試験においては,NaCl3%溶液中での質量減少率であるため,ソル トスケーリング量の指標となる.普通超硬練りコンクリート(NNN)がおよそ 5%程度の質量減少率で,ソルトスケーリング量が一番小さかった.相対動弾性 係数の経時変化では NNN と同等であったエコセメント超硬練りコンクリート

(ENN)の質量減少率は,300サイクル終了時点において7%程度で,NNNより 増大がみられた.これは,既往の報告 4-4)および 3.4.4 項での質量減少率の経時 変化と同様の結果となった.次に,再生粗骨材を使用した場合(ENR)の質量減 少率の経時変化に着目すると,300サイクル終了時点で約9%と,ENNよりさら に増大している.50 サイクル近傍時点では両者に大きな違いがないことから,

エコセメントの存在が起因となるスケーリングが始まり,徐々に骨材露出して いくことで,再生粗骨材の影響によるスケーリングが付加され,ENN との質量 減少率の差が生じたと考えられる.一方,再生細骨材を使用した場合(ERR)の 質量減少率は,300サイクル終了時点で約10%と,ENRよりさらに増大したが,

200サイクル近傍まではENRと同等である.このことから,NaCl3%溶液中での 質量減少率は,再生細骨材と比較して,再生粗骨材の影響の方が顕著となる可能 性が示唆された.この原因については,今後詳細に検討する必要がある.また,

BFS を混合した EBRR の質量減少率の経時変化に着目すると,280 サイクル近 傍まではENNより質量減少率が小さく,300サイクル終了時点においても,約 8%とENRおよびERRよりスケーリングを抑制できている.これは,相対動弾 性係数の経時変化と同様に,BFS の水和による塩化物イオン浸透の抑制効果に よるものと考えられる.また,ソルトスケーリングについては,コンクリート表 層部の性状に影響を受けやすいと考えられるため,使用骨材によらず,ペースト 層の性状によって,ある程度の抑制が可能であると考えられる.なお,再生骨材 Lを使用した場合(3.4.4項)との比較を図4-13に示す.

以上をまとめると,超硬練りコンクリートの凍結融解抵抗性は,再生骨材の品 質による影響を受け,特に相対動弾性係数に対しては,再生骨材の品質の向上が 効果的であると考えられる.一方で,ソルトスケーリングに対しては,相対動弾 性係数の低下が顕著とならない程度の再生骨材であれば,BFSを混合する等の,

コンクリート表層部におけるペースト層の性状を向上させることで,低減が可 能であると考えられる.

117 0

2

4

6

8

10

12

0 50 100 150 200 250 300

量減少(%)

サイクル数(回)

ENN ENR ERR EBRR NNN

図4-12 質量減少率の経時変化

0 5 10 15 20 25 30

0 50 100 150 200 250 300

質量減少率(%)

サイクル数()

ENR-L ENR-M ERR-L ERR-M EBRR-L EBRR-M

図4-13 再生骨材Lとの比較(質量減少率)

NaCl3%

NaCl3%

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