<病院概要>
当院は静岡県の東部に位置し,地域に根ざした医 療を目指す一般急性期病院である。病床数306床,
看護部職員は296名おり,平成18年4月より看護体 制7:1を取得し,患者サービス向上に努めている。
看護部での委員会は7つあり,その活動は活発に行 われている。
<看護部業務委員会の活動内容>
看護部業務委員は,各職場から1名選出され,月 に一度の委員会に参加している。活動内容は,①看 護業務の検討・改善,②各種業務マニュアルの作 成・見直し,③資材課物品の担当者と連携をとり診 療材料の検討・コスト削減,を行なっている。
はじめに
当院の消耗物品にかかる金額は,年間約2億2千 万円である。診療報酬改定・DPC 導入を背景に,診 療材料費削減は,病院として必須項目である。看護 部業務委員会では平成15年から,消耗物品の質を 落とさず安価な品へ変更する検討と,消耗物品の無 駄遣いを減らすためのアピールを行なってきた。
その成果を振り返るため,削減できた金額をまと めることと,物品の無駄遣いを減らすための対策に ついてまとめたので,ここに報告する。
(期間)
平成15年4月〜平成19年3月
(方法)
1.1年ごとに変更した物品名と,削減できた金額 をまとめ表示する(表1,2)
2.消耗物品の無駄遣いを減らすために,スタッフ へアピールした内容をまとめる
3.今後の課題を具体的にあげる
第5 8回日本病院学会 推薦演題
(結 果)
平成15年度は,9品目:568万8,230円の削減が できた。主に輸液セット,バルーンカテーテル,未 滅菌手袋(ディスポ)が高額の変更(表1)。平成16 年度は,8品目:105万9,700円の削減ができた。こ の年は,高額な削減はなかったが,消耗物品を少し ずつ検討した(表1)。平成17年度は,2品目:233 万880円の削減ができた。2品目で高額の削減がで きたのは,使用量の多い物品だったからである(表 2)。平成18年度は,4品目:175万3,705円の削 減ができた。これは,透析センターで今まで使用し ていた滅菌手袋を未滅菌手袋(ディスポ)に変更す ることで,高額な削減に繋がった(表2)。
(物品購入の流れ)
資材課は,病院の中で物品取引のある業者の窓口 となっている。業者から新製品の紹介を受ける機会 があり,物品の納入価格の交渉を行なうため,看護 部業務委員会に参加し,コストダウンできる物品の 紹介と試算を出して,委員会にて検討する。物品を 病棟に持ち帰り実際に使用し検討する場合もある。
使用した結果を具体的にまとめ業務委員会にて検 討し,購入したい場合,資材課から購入委員会へ申 請を出して許可を得る(図1)
(看護部業務委員会からスタッフへ行っているアピ ール方法)
1.物品保管場所に値段表示をする
2.一年に一度,病棟ラウンドをして物品の在庫量 や,整理整頓がされているかを確認評価して各 部署にかえす
3.毎月各職場の物品請求品と金額を資材課から出 してもらい,各部署に表示する
(考 察)
平成15年度は取り組み初年度だったため,消費 量の多いものから検討した結果,輸液セット・未滅 菌手袋・バルーンカテーテルなど9品目で586万 8,230円の削減になった。金額で成果が現れるため 各業務委員のモチベーションも上がり,意見交換も 活発に行なわれ,継続した結果が4年間で23品目:
1,101万2,517円に結びついたと考えられる。
日 本 病院 学 会
︽ 推 薦 演 題
︾ 診 療 材 料 費 の コ ス ト 削 減 の 成 果 に つ い て
図1
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物品の検討と平行して,スタッフ一人ひとりがコ スト意識を持つように各職場で,物品保管場所に値 段表示をした(シリンジ1本○○円等)。値段表示の 効果がどのくらいあったのか,評価はしていないが,
無駄遣いをしないためのアピールには繋がったと考 える。
また,不用在庫を減らす目的で,一年に一度業務 委員によるラウンドを行なっている。ラウンド時に は物品が整理整頓されているか,在庫量が適当であ るかなど,各職場で比較し,評価する。評価内容は,
各業務委員を通じて職場会でスタッフに伝え,改善 部分は各係りで話し合い変更していく。業務委員が 他職場をラウンドすることで,収納など工夫してい るところを見ることができ,自分の職場で困ってい るところの改善点にも繋がっている。
(今後の具体策)
1.物品が変更になり,コスト削減になったときはそ の都度職場会で報告して,掲示板に削減額を表示 する
2.不要在庫を減らすために在庫管理はしっかり行な
う
・資材課の協力を得て,各職場の棚卸を年2回行な う
・業務委員会での職場ラウンドを年1回行い優秀職 場を掲示する
・各職場では物品の整理整頓をして,定数表にもと づき適量な発注をする
・同じ物品で種類を多く置かない(医師の協力を得 て統一できるものは統一する)
3.消耗品で大量購入できるものは,関連病院とのネ ットワークを使い,値段交渉する
おわりに
診療材料費のコスト削減の目的は,「とにかく安 い物を……」ということではない。安価でよりよい ものに変更し,無駄なく使う。そうすることで,患 者サービスに結びつき,病院経済貢献にも繋がる。
今後も地道に活動していきたい。
日 本 病院 学 会
︽ 推 薦 演 題
︾ 診 療 材 料 費 の コ ス ト 削 減 の 成 果 に つ い て
Ⅰ.はじめに
看護サービスを効果的,効率的に提供していくた めには,看護専門職という人的資源をどのように活 用するか看護管理上重要な点である。
平成18年度より取り組んでいる,整形外科を主体 とする小規模病院の人的資源活用の実際を報告する。
<病院の概要と平成18年度実績>
・病床数 :一般病床43床
(うち亜急性期病床10床)
・年間手術件数 :1076件
・平均在院日数 :9.5日
・月平均新入院患者数 :95人
・病床利用率 :96.6%
・一日平均外来患者数 :264人
Ⅱ.現状分析と実践
<人的資源管理に与える要因分析>
1.外部要因
1)平成18年度4月からの入院基本料の変更により,
綿密な病棟勤務時間の管理が必要
2)7対1入院基本料新設により,国公立病院の求人 が強化され,看護職員確保が困難となる可能性 2.内部要因
1)整形外科主体の病院であるため,看護職員の知 識・技術修得範囲に限界があり,他科を経験した いことが,離職理由となることもある。
2)子育て世代の非常勤看護職員が25%を占め,子供 の病気等による急な欠勤がある。
3)外来患者数及び,手術件数が曜日により変動があ る。
4)手術を受ける方の7割が手術前日入院のため,入 退院患者数と当日入院手術数により,病棟業務に 偏りがある。
以上の外的要因・内的要因を検討し,解決できる人 的資源の活用方法を考え,実践した。
<具体的実践内容>
1.外来・病棟・手術室の2部署を兼務するスタッフ の育成。リーダーシップを発揮してもらいたい,
臨床経験5年目以上の看護師に面談を行い,整形 外科の周手術期看護を円滑に実践するという目的 と役割を説明し,本人納得のもと兼務を開始した。
2.看護部門内会議は,部署の指導監督職である主 任・リーダーを主体として開催し,会議の場で部 署間調整を行うと共に,各部署の年度計画の進捗 状況を毎月確認報告する形式に変更した。
3.平成19年4月より,看護部長室付き看護師1名を 配置し,日勤帯で各部署がサポートの欲しい時間 帯に勤務する,急な欠勤への対応を行うなどの,
各部署の調整役として活動した。
4.各部署の人員配置は,前日夕方に入退院数・手術 件数・外来処置・検査数を確認し決定。当日朝,
看護課長が勤務開始前に欠勤の有無,病棟の患者 状況を確認し最終確定する。
5.病棟に必要な人員のモニタリングは,予定入力さ れている人員換算表を変更があれば,病棟事務員 が修正し毎日確認する。
<アンケート結果>
平成19年3月に2部署兼務者育成に関するアン