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図2
院の方向性について討議する。
<経営方針決定>
管理運営の最終決定機関である経営協議会で経営 方針を決定する。
<経営方針発表>
各部署の責任者から構成される業務連絡会議で,
院長から経営方針が発表される。
<各部門経営計画〜経営指針発表・半期見直し>
各部署は,前年度検証を行い,経営方針をもとに,
「改善業務」,「新規業務」,「患者満足」,「共育(教 育)」各項目について計画し,経営指針書を作成する。
また,3月に経営指針発表会,下半期に半期見直し を行い,各課が全職員の前で報告・発表を行う。
経営指針書は,平成2年から作成・継続しており,
当初は,薄いものであったが,現在は約200ページ の冊子になっている(図4)。
【職能資格人事制度】(能力開発カード)
職員一人一人の能力開発,努力した人に報いる制 度として職能資格人事制度を活用している。経営指 針を受け目標展開する上で,職員の能力開発,人材 育成を目的とし,人事管理の合理的・体系的運用の 中心に位置づけている。各部門の経営指針・経営計 画は,職能資格人事制度における,各職員の能力開 発カードに落とし込まれ,それぞれの職員の目標と なる。
4月に育成面接,評価面接が,10月に中間面接が それぞれの部・課で行われる。各面接者は,各クラ
スによって異なり,公正を期すため一人で面接を行 わず,二人で面接を行う。育成面接・評価面接では,
能力開発カードに掲げている目標の自己評価・新年 度の計画目標について報告,また中間面接では,半 期時点の進捗状況を報告する。
<能力開発カード>
各職員は,経営指針書を基に,初級者(入職5年 以内),中級者(入職6年〜副主任),上級者(主任
〜課長),経営幹部(次長〜部長)の4つのクラスの 評価体系に分け,能力開発カードを作成し運用して いる。各評価項目は,各区分によって内容も異なる
(図5,6)。
<チャレンジ項目>
個々の職員の自由な発想による挑戦課題としてい る。
自己啓発テーマから,個人業務,部門・病院全体 に係わる業務まで,範囲は特に指定しない。
<コンピテンシー項目(情意項目)>
当院において,「このような人材となって欲しい」
という目標とすべき行動特性を示し,クラス区分に 応じて現状の情意項目を発展させていくものとする。
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図3
図4
<職能開発項目(初級者:入職5年目)>
入職5年以内を対象とし,「当院で一人前と認め られる能力水準を習得するためのものとし,各部 門・課内(職種)の単位で5項目以上設定する。
<部門計画>
経営指針書に自ら掲げた計画を落としこみ,経営 指針の各部門計画と能力開発カード(個人)の部門 計画をリンクさせている。また,階職(役職)によ り目標区分を分けることによって経営指針に則した 個人計画の遂行,階職(役職)に応じた経営指針の 計画達成を目指している。
経営指針の部門計画に掲げた,「改善業務」,「新規 業務」,「患者満足」,「共育(教育)」の4区分とし,
中級者は4区分毎に,経営指針の具体的な項目を計 画する。
上級者は,4区分の全体達成度を目標とし,経営 幹部は,部門計画全体の達成度を目標としている。
各評価についても,自分で計画したもの,自己評 価を行ったものに対し上司が評価を行う。中級者の 評価は各個人の計画の達成度,上級者は各課,経営 管理者は各部の計画達成度で評価される。
【職能資格人事制度と経営指針】(図7)
職能資格人事制度の目的は経営理念の浸透と,職 員の能力開発であり,決して人件費削減のツールで はない。
職員の達成度により,各課・部全体の達成度が決 まる。各部の達成度が高くなると,経営指針書に掲 げている計画も達成度が高くなる。したがって,各 職員の達成度が高ければ,経営指針書に掲げられて いる計画の達成度は高くなり経営理念に向かって進 んでいることになる。
【職能資格人事制度の運用】
経営幹部(部長,次長)は,上級者(課長,主任)
の計画管理を行い,上級者は中級者(副主任〜入職 6年以上)の個人計画を管理する。
各個人は,経営指針書に掲げている項目を個人計 画とするため,経営指針書の作成に力を注ぐ事が重 要となる。経営指針書の完成度が高いと,各個人の 計画も自然と決定し,実行しやすいものとなる。作 成に際しては,半期・年度末に検証・自己評価を行
うため,実行・評価可能なことを目標として掲げる ことも大切である。
目標を低く設定することによって,達成率も高く なり評価が高くなるのではないかとの声もあるが,
あまり問題視していない。経営指針書作成の際,各 部署で計画し,院長との事前面接で内容報告・確認 を行っている。また,経営指針の発表会で計画・検 証について職員全員のまえで報告するようにしてい る。
自分達で報告した計画が,年度末の報告で達成し ていると,やはり気持ちのいいものである。同じ行
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図5
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図7
うのであれば,活性化につなげていきたいものであ る。
【制度導入後の課題】
年度末の時期にもあたり,職員は日々の業務に追 われながら作成していくため,経営指針書を作成す ること,能力開発カードを作成する事だけに意識が 向き,本来の目的はどこかに行ってしまいがちであ る。また,職員の目標設定についても,経営指針書 に記載されていないものが,能力開発カードの目標 として掲げられていたりしていたケースもありえる。
そうなると,半期見直しや,年度末検証の際,経営 指針の目標,個人の目標それぞれ別のものを見直す こととなる。結局,自ら設定した目標設定が多すぎ たり,矛盾が生じたりして,中途半端なものになっ てしまう。負荷も大きくなり,自分で自分を忙しく してしまうことになり,継続することが非常にスト レスになる。はじめは,形から入っていくため,致 し方ない部分があるが,同じやるなら,自分たちに もメリットのある方法が必要である。経営指針は病 院運営にとって非常に重要なものである。経営指針 書の作成も行っており,能力開発カードの作成も行 っている。どちらも,良いことであるが,多忙な業 務の中,どのように行うかが問題である。毎年継続 して行うのであれば,業務の見直し,改善を行い,
効率化を図らなければならない。経営指針と日常業 務との間に,職能資格人事制度を結びつけることに
よって,目標がより明確になり,実行しやすくなる。
経営理念のもと,各部・課の目標を立て,それを個 人目標に結びつける。そうすることによって,自分 たちが半期・年度末の見直しをおこなう際,検証し やすくなる。各々個人の目標を達成することによっ て,自動的に各課・部の目標が達成される。具体的 には,経営指針書の作成に時間と労力を注ぎ,能力 開発カードを意識したものにして作成する。これに よって,能力開発カードを作成する際,経営指針書 を見れば効率的に作成できると共に,両者の整合性 を保つことが出来る。
【まとめ】
職員への浸透は,一朝一夕にはいかない。また,
多忙な日常業務の中で,各々の業務と制度・理念と の結びつけは難しいものである。
実際に運用をはじめると,職員の意識や現実との ギャップがあり,はじめから100%の運用は難しい。
経営指針書,職能資格人事制度ともに,取り組まな ければならないものとして認識し,最初から完璧を 求めず,継続していくことが大切である。それによ り,少しずつ経営理念に近づいていくことになり,
我々の業務が経営理念に基づいていることを,より 現実的に認識できると考える。これらの活動を継続 し,PDCAサイクルをスパイラルアップさせていく ことにより,経営理念の達成を目指している。
日
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【はじめに】
旭中央病院は開院以来,55年間にわたり黒字経営 を継続しているが,度重なる政府の行政改革,医療 費抑制策等により,平成15年度以降,厳しい経営状 況で推移している。(図1参照)今後も良好な経営状 況を維持する為に,収支状況の把握・分析を行ない
問題点の改善には日々努力している。しかしながら 一方では,医業費用の構成では診療材料費の比率が 年々高まっているという状況があり,「診療材料費 削減」が当院の収支改善対策の重要課題として位置 付けられた。
以上により,平成18年度に事務部スタッフを中心 に,医師・看護師等,診療の現場からも参加を求め,
診療材料費削減プロジェクトに着手した。
【初年度の取り組み】
プロジェクト推進1年目は,ABC分 析による品種絞込みを通して診療材料費 の削減を目指した。平成18年度の目標を 品種数10%削減,医業収益に対する材 料費比率を11%から10%にすることと 共に,3年後の平成20年度末には品種数 30%削減,材料費比率は8%となるよう
目標を掲げた。(図2参照)
品種絞込みの対象は,院内各診療科で 共通で使用する物品であり,かつ品目数 が多い材料である「気管切開チューブ・
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