表 3‒20 定義ファイル(ftshostenv.conf)の属性
項目名 設定内容
ファイル名 ftshostenv.conf ディレクトリ名 /var/opt/jp1_fts/sys
所有者 スーパーユーザ
アクセスパーミッション 所有者に「r」
定義ファイルの例を次に示します。
定義ファイルのサンプルは,次のディレクトリに格納されています。
• /var/opt/jp1_fts/sys/ftshostenv.conf.model
3.15.2 機能ごとの定義内容
(1) FTP クライアントの自 IP アドレスの指定を有効にする
クライアント側からファイル伝送するときに,FTP クライアントの自 IP アドレスを指定できるようにな ります。
FTP クライアントの自 IP アドレスの指定を有効にするには,定義ファイル(ftshostenv.conf)に specify client localhost を定義します。指定値の意味は次のとおりです。
• YES:自 IP アドレスの指定を有効にします。
• NO:自 IP アドレスの指定を無効にします。
自 IP アドレスの指定を有効にした場合,FTP クライアントの自 IP アドレスを指定できます。
自 IP アドレスの指定を無効にした場合,FTP クライアントの自 IP アドレスは OS が自動割り当てしたア ドレスになります。
自 IP アドレスの指定を有効にして,ホスト名を指定しなかった場合は,物理アドレス(OS の hostname コマンドで返されるホスト名)を使用します。
機能の有効/無効と,FTP クライアントの自 IP アドレス指定内容によるファイル伝送時の自 IP アドレス の関係を次の表に示します。
表 3‒21 機能の有効/無効と自 IP アドレス指定の組み合わせで決定するファイル伝送時の自 IP アドレス
コマンドまたは API ホスト名指定の有無 機能が有効の場合 機能が無効の場合
ftstran コマンド ホスト名指定 指定されたホスト名のアドレス OS 自動割り当てのアドレス
ホスト名指定省略 物理アドレス OS 自動割り当てのアドレス
fts_ftp_open_ex()関数 ホスト名指定 指定されたホスト名のアドレス OS 自動割り当てのアドレス
NULL 指定 物理アドレス OS 自動割り当てのアドレス
なお,自 IP アドレス指定で指定するホスト名は,ftstran コマンドまたは fts_ftp_open_ex()関数を呼び出 すユーザプログラムが動作するホストのホスト名を指定してください。
(例)
FTP クライアントの自 IP アドレス指定を有効にする例を次に示します。
この場合,FTP クライアントの自 IP アドレスは次のように指定します。
ftstran コマンドの場合
FTP クライアントの自 IP アドレスとして使用するアドレスのホスト名を,-H オプションに指定し ます。ftstran コマンドについては,「6. コマンド」の「ftstran−伝送の実行−」を参照してくださ い。
(例)伝送カード card01 に定義した伝送を,FTP クライアント localhostname からファイル伝送 する。
API の場合
fts_ftp_open_ex( char* hostname )関数で指定する JP1/FTP デーモンのホスト名(hostname)
が FTP クライアントの自 IP アドレスになります。fts_ftp_open_ex については,「7. API ライブラ リ」の「fts_ftp_open_ex()−JP1/FTP デーモンとのコネクション確立−」を参照してください。
(2) FTP サーバで送信する応答メッセージ内の FTP サーバホスト名を,接続 を受けたホストまたはアドレスにする
FTP サーバが送信する応答メッセージ内の自ホスト名を,接続を受けたアドレスにできます。FTP サーバ が送信する応答メッセージを次に示します。
1. 制御コネクション確立直後
220
hostname
FTP server (JP1/File Transmission Server/FTPVV-RR-SS month date year
) ready.2. STAT コマンド受信後
211
hostname
FTP server status:これらのメッセージ中の
hostname
が,接続を受けたアドレスになります。応答メッセージ内の FTP サーバホスト名を,接続を受けたホストまたはアドレスにするには,定義ファイ ル(ftshostenv.conf)に response hostname reverse lookup を定義します。指定値の意味は次のとお りです。
• YES:機能を有効にします。IP アドレスからホスト名検索(ホスト名の逆引き)をして,接続を受け たアドレスのホスト名を応答メッセージに返します。
• NO:機能を有効にします。応答メッセージには接続を受けたアドレスの IP アドレスを返します。IP アドレスからのホスト名検索(ホスト名の逆引き)はしません。
• 指定なし:機能を無効にします。応答メッセージには物理アドレス(OS の hostname コマンドで返さ れるホスト名)のホスト名を返します。
(例)
接続を受けたアドレスのホスト名で応答メッセージを返す例を次に示します。
(3) JP1 イベント送信先を指定する
JP1 イベントの送信先を指定できます。各デーモン(JP1/FTP デーモン,ログデーモン,運用管理エー ジェント)の起動・停止の JP1 イベント送信先を指定します。対象のイベント ID は 00010D20〜
00010D28 です。
JP1 イベントの送信先の指定を有効にするには,定義ファイル(ftshostenv.conf)に jp1event host を定 義します。指定値の意味は次のとおりです。
• ホスト名| IP アドレス:指定のホストを各デーモンの起動・停止の JP1 イベント送信先にします。
• 指定なし:各デーモンの起動・停止の JP1 イベントは,物理アドレス(OS の hostname コマンドで返 されるホスト名)に送信します。
また,JP1 イベントの送信先を指定した場合,ファイル伝送終了時の JP1 イベントは,デフォルトでは伝 送を実行した自ホストをイベント送信先とします。対象のイベント ID は 00010D0B〜00010D0D です。
ファイル伝送終了時の JP1 イベント送信先を,JP1 イベント送信先で指定したホストにするには,定義ファ イル(ftshostenv.conf)に jp1event trans is same を定義します。指定値の意味は次のとおりです。
• NO:ファイル伝送終了時の JP1 イベントの送信先を,伝送を実行したホストにします。
定義の指定内容によるファイル伝送終了時の JP1 イベント送信先の関係を次の表に示します。
表 3‒22 定義指定値の組み合わせで決定するファイル伝送終了時の JP1 イベント送信先
jp1event host jp1event trans is same ファイル伝送終了時の JP1 イベント送信先
指定あり YES jp1event host で指定したホスト
NO 伝送を実行したホスト
指定なし YES 物理ホスト
NO 物理ホスト
(例)
各デーモンの起動・停止およびファイル伝送終了時の JP1 イベントの送信先ホストに jp1eventhost を 指定する例を次に示します。
3.15.3 注意事項
• 定義ファイルのフォーマットチェックは実施されません。