3 JP1/FTP のファイル伝送
3.11 複数 IP アドレス環境での使用
複数
NIC
を使用する環境やクラスタ環境のように,必要に応じて複数のIP
アドレスを 使い分けて通信する環境で次の機能が使用できます。•
FTP
クライアントでの自IP
アドレスの指定を有効にする機能FTP
クライアントの定義にYES
を定義し,APIやftstran
コマンドの引数,カスタム ジョブでのクライアントホスト名の入力フィールドに論理ホスト名を指定して登録す ると,FTPクライアントの発信元アドレスを論理アドレスにすることができます。•
FTP
サーバで送信する応答メッセージ内のFTP
サーバホスト名を,接続を受けたア ドレスにする機能FTP
サーバの定義にYES
またはNO
を定義すると,FTPサーバ側で送信する応答 メッセージ内のFTP
サーバホスト名として,接続されたIP
アドレスから変換したホ スト名や接続されたIP
アドレスを設定できます。•
JP1
イベント送信先を指定する機能JP1
イベントの定義に論理ホスト名または論理IP
アドレスを定義すると,サービス(FTPクライアント,FTPサーバ,ログ,またはエージェント)の起動・停止の
JP1
イベントを,指定したホストに送信することができます。この機能は,定義ファイルを作成後,各サービスを起動したあとに有効になります。
3.11.1 定義ファイルを作成する
次のように,定義ファイルを作成してください。
(1) 定義ファイルの作成
次のパス名で定義ファイルを作成してください。
JP1/FTPのインストールディレクトリ¥HOSTINFO.INI
(2) 定義ファイルの内容
次のように,Windowsの初期化ファイル(.ini)の形式で記述してください。
指定できるセクション,キー,および値を次の表に示します。
表
3-12 定義ファイル(HOSTINFO.INI)の定義内容
セクション キー 値 定義内容
[CSHOST] CSHost YES|NO
≪NO≫
FTPクライアント側で,ftstranコマ ンドの/H指定およびfts_ftp_open() 関数のhostname指定を有効にするか どうかを指定します。
• YES:FTPクライアントの発信元 アドレスを,ftstranコマンドの/H またはfts_ftp_open()関数の hostnameで指定されたホスト名に 対応するIPアドレスにします。
YESを指定してftstranコマンドの /H指定を省略した場合,物理ホス ト名が仮定されます。また,YES を指定してfts_ftp_open()関数の hostnameにNULLを指定した場 合も,物理ホスト名が仮定されま す。
• NO:FTPクライアントの発信元ア ドレスを,OSが自動割り当てした アドレスにします。
[RSPMSG] Reverse YES|NO|指定なし
≪指定なし≫
FTPサーバ側で送信する応答メッ セージ内のFTPサーバホスト名の出 力様式を指定します。
• YES:接続されたIPアドレスから 変換したホスト名が出力されます。
• NO:接続されたIPアドレスが出 力されます。
• 指定なし:物理ホスト名が出力され ます。
[JP1EVENT] HostName ホスト名|IPアドレス| 指定なし
≪指定なし≫
JP1イベントの送信先を指定します。
• ホスト名|IPアドレス:サービス
(クライアント,サーバ,ログ,
エージェント)の起動・停止のJP1 イベントの送信先を指定します。
また,伝送終了時のJP1イベント の送信先(論理,物理アドレス)
は,伝送を実行したホストになりま す。
• 指定なし:すべてのJP1イベント の送信先を物理ホストにします。
AgentIsSame YES|NO≪YES≫ エージェントサービスの起動・停止の
JP1イベントの送信先をHostName で指定した送信先にするかどうかを指 定します。
• YES:JP1イベントの送信先を HostNameで指定した送信先にし ます。
• NO:JP1イベントの送信先を物理 ホストにします。
(内容の例)
•
ftstran
コマンドの/H
指定およびfts_ftp_open()
のhostname
指定を有効にしま す。•
FTP
サーバの応答メッセージ内のFTP
サーバホスト名として,接続されたIP
ア ドレスから変換したホスト名を設定します。• サービス(クライアント,サーバ,ログ,またはエージェント)の起動・停止の
JP1
イベントの送信先をHost1(論理ホスト名 =Host1)に設定します。
(3) 注意事項
定義ファイルがない場合,この機能は無効になります。その場合,各機能で仮定される 値は,物理ホスト名になります。