第 4 章 英語音声・音韻習得
4.5. 音韻調査の結果と分析
4.5.3. 英語の子音連結
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であったり、解答できなかったりしたものである。二重母音と連母音の区別が曖昧で あった児童も全くいない訳ではなかった。厳密に言うと二重母音の発音はこの時期の この環境の児童にとっては非常に難しいものであると考える。
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20 レ レ レ × fu × -su レ レ
21 ○ レ レ × fu × -su レ レ
22 × レ レ × fu ○ ○ ○
23 ○ ○ 1 ×-do × fu ○ レ レ
24 ○ ○ 1 ○ レ レ レ レ
25 ○ ○ 1 ○ × fu ○ レ レ
26 ○ ○ 2 ○ ○ ○ レ レ
27 ○ × ɡu 1 ×-do ○ ○ ○ ○
28 ○ ○ 2 ○ × × レ レ
29 × su ○ 2 ×-pa × fu × -su レ レ
30 ○ ○ 2 ×-pa × fu ○ ○ レ
31 ○ × ɡu 1 ×-do ○ ○ ○ ○
32 ○ ○ 1 ×-do × fu × -su レ レ
33 ○ レ レ × fu ○ ○ ○
正答=○、 誤答=×、 解答なし=レ
単語における子音連結の調査は、該当する7項目について実施した。最初の子音が s で始まる store, study, school については、発話できる場合は、ほとんど正答 である。動詞句の study at school は児童には難しかったようで、解答できない児童 がそれぞれ21名と19名いた。発話出来た児童は全員、発音に際して子音連結の音で ある s と次の子音の間に母音を差し入れることはなかった。正答数の多い store も 同様である。store は, convenience store のstore であり、児童には親しみ深い語彙 でもあったので、正答者が多い結果になったようだ。「ストア」と連続する子音の間に 母音を差し入れて発話する児童が4名いたが、22名(73%)の児童が [stɔːr]と 発音し、語アクセントの間違いもほとんどない状態であった。「ストア」の初めのモー ラ「ス」には日本語のアクセントがないので母音が無声化してしまい、英語の子音連 結に近い音声になったと考えられる。その影響もあってか[stɔːr]の発音は多くの児 童ができていた。grandfather も、発話できる児童は連続する子音の間に母音を差し 入れることなく発話できていた。gr の間に母音を入れて [gurand~]と発話してい た児童の発音は、語彙全体が、借用語のような日本語的な発音であった。
grandfather の発音記号は、[ɡrǽndfɑ ˌː ðər]と[ɡrǽnfɑ ˌː ðər]の2通りあり、電 子黒板で聞き取るDVDの音声は [ɡrǽndfɑ ˌː ðər]であったが、英国人ALTの発音 は [ɡrǽnfɑ ˌː ðər]であった。児童の音声には、両方の言い方があったが、初めの音 節末の子音 [d] は実際には非常に弱く発音されるか、あるいはほとんど無声化して聞 こえないだけだということで、どちらで発音しても正解としている。ただし、[-ndofɑ- ] とdの後に-o が挿入されたものは不正解としているが、該当する児童は 8 名いた。
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France については、F と r の間に母音 –u が入り、借用語のように「フランス」
と発話する児童が13名(43%)もいた。英語の子音連結の発音ができた児童は11名
(37%)、答えられなかった児童が5名いた。さらに France のN ce を Ns ではな くNsu と発音する児童が6名いた。この児童たちは、[fu.ra. N.su]と発音し、借用 語の発音と同様であった。また、[furaNs]と語頭では fr の間に母音の u が挿入さ れたが、語尾ではNs で終わった児童が8名いた。児童は聞こえる通りに発音してい るのでより正確な音声を身に付けるには丁寧な指導が必要であると考える。ちょっと した一言で児童が正確な英語音声に近づけるなら、指導を入れるべきではないかと考 える。活動とはいえ、あくまでも学習であると考えるからである。
そこで、語彙における子音連結の音声の現れ方は、次の表のようになっている。
表4-16 子音連結での児童の音声の現れ方
store grandfather France study school
IPA [stɔr] 1[ɡrǽndfɑ ˌː ðər]
2[ɡrǽnfɑ ˌː ðər] [frǽɴs] [stʌdi] [skuːl]
[gr-] 1[-df]
2[-nf] [fr-] [-ɴs]
○ 22 14 8 9 17 9 10
× 6 4 10 15 7 0 1
レ 2 12 12 6 6 21 19
正答=○、 誤答=×、 解答なし=レ
store は、正答者の多い語彙である。 study, school は、1単元4時間で一日の生
活を英語で表現する学習内容であるが、動詞句だけでも16個あり、4時間の学習だけ では到底覚えられるものでもなく、解答できなかった児童は20名前後と非常に多い。
しかし、語彙を覚えている児童は発話に際しては子音連結らしく、子音の間に母音を 差し入れることも無く発話できていた。 grandfather は、正答者数は半分くらいだ が発話できない児童が12名とやや多い。この単語も6年生の1 学期に少し学習した だけなので記憶することは難しいかも知れない。France は、意味は分かっていても 発話が難しかったようだ。連続する子音間に母音を差し入れてしまい、借用語のよう な「フランス」という音声になってしまった。指導の必要を感じる。
英語の子音連結発話の個人別調査結果は、次の表の通りである。
(単位:人数)
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表4-17 英語の子音連結発話の個人別調査結果
児童
番号 ○ × レ 児童
番号 ○ × レ 児童
番号 ○ × レ
2 3 1 3 14 6 1 0 24 3 0 4
3 0 0 7 15 1 0 6 25 4 1 2
4 1 2 4 16 3 4 0 26 5 0 2
5 4 0 3 17 1 3 3 27 5 2 0
6 2 1 4 18 0 1 6 28 3 2 2
7 4 1 2 19 5 0 2 29 1 4 2
8 0 3 4 20 0 2 5 30 4 2 1
9 5 0 2 21 1 2 4 31 5 2 0
10 7 0 0 22 3 2 2 32 2 3 2
12 4 1 2 23 3 2 2 33 4 1 2
正答=○、 誤答=×、 解答なし=レ
正答数が7問中4問以上(半数以上)の児童は 13名、誤答が4問以上の児童は2 名、解答できない問題が4問以上の児童は9名、これらの内のどれにも該当しない児 童が6名であった。連続子音の発音が少しできつつある児童が半数弱いるものと捉え る。その反面、学習した英語を記憶したり発話したりすることが苦手な児童も 9 名
(30%)とかなり多い。学習内容と練習時間の少なさからすると致し方のない事かも 知れない。