• 検索結果がありません。

第 5 章 形態素習得

5.2. 名詞複数形

名詞複数形については、教材にもあり授業中に学習したこともあるので、学習後の 2回目調査では、70%弱の児童が理解できている。日本語には英語のような名詞複数 形の語尾変化はなく、また、音声的には語尾を大きくはっきり話すわけではない上に、

文法的な説明もないので、なかなか習得しにくい項目である。それでも、3 回目調査 では、理解度が 80%前後まで、各項目 10%程度改善されている。英語の経験が増え る中で、名詞複数形に触れることもあり、僅かながら理解できている児童が増加して いると考える。

5-6 名詞複数形の正答人数と正答率

six strawberries

5年末 6年末

被験者数 121 125 正答数(名) 82 101 正答率 67% 81%

5-7 名詞複数形の正答人数と正答率

two cars

5年末 6年末

被験者数 121 125 正答数() 83 96

正答率 68% 77%

an apple an orange 塾(30名) 16 10 塾(%) 53% 33%

非塾(91名) 34 37 非塾(%) 37% 41%

an apple an orange 塾(55名) 32 32 塾(%) 59% 59%

非塾(70名) 15 18 非塾(%) 21% 26%

5-4 2回目調査 塾・非塾の形態素正答者 5-5 3回目調査 塾・非塾の形態素正答者

90

5-8 名詞複数形の正答人数と正答率

three flowers

5年末 6年末

被験者数 121 125 正答数(名) 84 96

正答率 69% 77%

名詞の複数形は、電子黒板上のDVD の絵を見ながら、単数・複数の数え方の練習 をしている。本調査校のALTは電子黒板を利用して指導をしていたので、児童はその 学習経験がある。上記の表は、1学年約120余名の児童全体の正答率であるが、個人 の獲得状況やその変化については一様ではないので、以下の表に、個別の習得の変化 の様子を記した。2 回目⇒3 回目の項目の○⇒○は2回とも正答、×⇒○は誤答から 正答に、○⇒×は正答から誤答に、×⇒×は2回とも誤答を示す。

5-9 名詞複数形の理解の変化の状況

six strawberries two cars three flowers

2回目⇒3回目 人数 人数 人数

○⇒○ 67 57% 65 56% 66 56%

×⇒○ 28 24% 24 20% 23 20%

○⇒× 10 9% 14 12% 14 12%

×⇒× 12 10% 14 12% 14 12%

ここで調査した名詞複数形3項目の児童の理解の様子は、2回目も3回目も全部正 答であった児童が42名いた。また、2回目より3回目に成績が向上した児童が45名、

その内、3回目は3項目全部正答であった児童が31名いた。14名は2回目よりも改 善していることになる。2回目よりも3回目の成績が低下した児童は19名いた。その 内、3回目に3項目とも誤答になった児童が5名いた。中には2回目は3項目とも正 答であったのに3回目は全て誤答になった児童が1名いた。学習直後は記憶していた ことを、1年経つと忘れてしまったと考えられる。2 回目も 3 回目も同じ成績であっ た児童が6名いた。その内2名は、2回とも3項目全てが誤答であった。名詞複数形 の意味が理解し辛く記憶も難しいのであろう。2回目より3回目に 1つ正答が増え1 つ誤答になった児童が5名いた。

児童の調査結果を個別にみると、I.S児のように2 問正答から誤答に変わり1問は 誤答のままのような複数形に気付かない児童や、A.S 児のように 1 問正答のまま、1 問誤答のまま、1 問は正答から誤答になった児童もいる。一方誤答から正答に変わり 名詞の複数形に気付いている児童もかなりいる。3 つの調査項目全体で、誤答から正 答に変わった延べ正答人数は72名、正答から誤答に変わった延べ誤答人数は38名で

91

ある。児童の名詞複数形に対する気付きや習得状況はまちまちで、学習時間は少なく 繰り返しの練習もほとんど無いので、なかなか身に付きにくい項目ではある。塾で触 れる児童もいるが全員ではなく、学校の限られた学習だけで身に付く児童もいるので、

個人の興味関心や能力に負うところも大きいと考える。また、学習直後は理解できて いたが、1年経つと忘れてしまう児童がいることもある。

2回目と3回目の理解の過程を見ることのできる児童の状況は以上のようであった。

なお、2回目も3回目も正答の児童42名の内、ずっと塾でも学ぶ児童が15名、2回 目は塾に行っていたが3回目は止めた児童が1名、2回目は塾に行ってなかったが3 回目は塾に行き出した児童が14名、2回目も3回目も塾に行ってない児童が12名い た。成績の低下した児童19 名の内、塾でも学習している児童が6 名いた。塾でも学 ぶと学習時間も内容も多くなり児童の成績には有利と考えられるが、塾に行かなくて も正答を得られる児童もかなりいることと、逆に塾で学んでいても成績の芳しくない 児童も少なからずいることが分かる。

上記の結果から全体的に見て、英語の名詞複数形に関する学習事項は理解できるよ うになった児童が少し増えていると捉えることができる。

以下は、名詞複数形の理解の様子を、塾でも学ぶ児童と塾には行ってない児童に分 けて正答数と正答率を表したものである。

5-10 2回目調査塾・非塾の名詞複数形理解状況

six strawberries two cars three flowers 塾(30名) 26 24 27 塾(%) 87% 80% 90%

非塾(91名) 56 58 57 非塾(%) 62% 64% 63%

5-11 3回目調査塾・非塾の名詞複数形理解状況

six strawberries two cars three flowers 塾(55名) 48 48 47 塾(%) 89% 89% 87%

非塾(70名) 52 47 48 非塾(%) 74% 67% 69%

2回目調査と3回目調査の結果を塾でも学ぶ児童と塾に行ってない児童に分けて表 示している。2回目から3回目にかけて塾に通う児童がほぼ倍増していることもあり、

両者間の正答率に差が見られる。six strawberries, three flowers の正答率の差は、

92

それぞれ25%から15%へ、27%から18%へと減少しているが、two cars は16%か

ら22%へと増加している。そのtwo carsも、児童数を見ると48名と47名で分母の

違いから正答率が随分違うが、正答の児童数は殆ど変らない。塾で学ばなくてもある 程度理解している児童は確実にいると捉えてもよいのではないかと考える。