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11月9日(水)9:00~11:00 講演会場Ⅰ(アスティとくしま 1階 多目的ホール1)

ゼロベース・バイオプログレッシブ法における治療の効率性 と安定性

石山 隆文

(‌石山矯正歯科クリニック‌院長)

略 歴

1989年 神奈川歯科大学卒業 1989年 神奈川歯科大学矯正科研修生 1991年 根津矯正歯科クリニック勤務 1997年 石山矯正歯科クリニック開設 著 書

ゼロベース・バイオプログレッシブ法による成長期の上顎前突の診断と治療,共著,

矯正 YEARBOOK2015,クインテッセンス出版,2015.

ゼロベース・バイオプログレッシブ法は、単に歯列弓分割化による治療テクニックを表現するもので はなく、症例の難易度に応じた診断・治療計画の個別化、治療目標の視覚化(VTP:Visual Treatment Planning)、段階的な治療術式と不正咬合のアンロッキング、保定、咬合理論などを包含する広汎な臨床体 系である。中でも機能的諸問題(機能不全)の改善を診断、治療体系へ組み込むとともに、成長という可変的 要素を VTP の作成と治療計画に関連付けることにより、生物学的な変異を許容する。これは、どのような 治療目標に向けて歯を移動し、骨格系に対してどの程度の整形的な変化を求めるかというような基本的な問 題に、具体的かつ大きな指針を与えるものである。

これに対して、エッジワイズブラケットの内部に3次元的構造を設計することにより治療体系のシンプル 化を図るストレートワイヤー法は、理想的なフィニッシング・オクルージョンの獲得を目指す装置であり、

現在、エッジワイズ法の主流をなす。しかし、個々の症例に最適で理想的な3次元ブラケットが開発された 今日にあってもなお、それだけで種々の不正咬合をどのように取り扱い、形態的、機能的、審美的な最終咬 合をいかに獲得するかについて十分な解答を得るものではない。

バイオプログレッシブ法は、言うまでもなくエッジワイズ法の一つであり、治療の究極においてストレー トワイヤー法と目的を一にするものであるが、本法における3次元ブラケットの使用はフィニッシングディ バイスとしての機能に重きを置く。ユーティリティーアーチとセクショナルアーチによる歯列弓分割化のテ クニックは、歯の移動の効率化と咬合の安定、下顎骨の回転のコントロール、咬合挙上と咬合閉鎖、必要な オーバーコレクションなどの達成を容易とすると同時に、種々の補助装置や機能的装置の適用をも包含する 幅広い柔軟性を有するものである。

今回の発表を機に、実症例を通して、その効率性と安定性について考えたい。

第75回日本矯正歯科学会大会

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スタッフ & ドクターセミナー

11月9日(水)11:00~12:00 講演会場Ⅰ(アスティとくしま 1階 多目的ホール1)

個人の強みを活かした組織づくりと接遇

福永 由里子

(‌一般社団法人‌信頼される企業育成‌代表理事)

略 歴

1984年 徳島文理大学短期大学部商科電子経営コース卒業

第百生命保険相互会社入社 事務職・教育職を担当 15年間勤務 2005年〜 2007年 社団法人日本産業カウンセラー協会認定 産業カウンセラー NHK にて「衣食住の効果的な色彩の使い方」を解説 2006年 カラープロデュース ユリ主宰

2013年 一般社団法人信頼される企業育成代表理事就任 2015年 徳島歯科学院専門学校接遇マナー非常勤講師

強みを活かした組織をつくり、一人一人が強みを活かした接遇を行うことが最も大切です。それは、個人 と組織が共に成長することにつながるからです。

まず、自分の強みと弱み、メンバーの強みと弱みを確認しましょう。お互いが相手を認め、尊重し、助け 合うことで信頼関係が築けます。

次に、院長の想いや考え、経営理念をメンバー全員で共有し基準を明確にしましょう。そして、その理念 や想いに沿った接遇を行います。「おはようございます」の挨拶も、声のトーン、大きさ、スピード、笑顔、

アイコンタクトなどで印象が変わってきます。言語と非言語の両方で、メッセージを相手に伝えることが大 事なのです。

今日の服装を選ぶ時、あなたは色を意識しましたか? 私たちに名前と個性があるように、色にも名前と 個性があります。伝えたいメッセージと色使いが一致しているかどうか。意図をもって色を選びましょう。

個人の強みを確認し、理念に沿った接遇を行う。重要なのは、この順番で行うことです。接遇ができてい ない理由は、次の二つが考えられます。一つは方法を知らない。もう一つは、方法は知っているが継続でき ない。この二つの問題を、強みを活かした組織をつくることで解決しましょう。

接遇の正解は、あなたの職場にあります。仕事の中に楽しさを見つける、価値を提供して周りの人から信 頼を得る。どの医院に行けばいいのか、迷っている患者さんは大勢います。「あなたの医院に来る理由」を作 りましょう。そして今のメンバーで、ワンランク上の接遇を目指しましょう。

さあ、今日からスタート。「あなたが、今できること」は何ですか? 具体的に考えてみて下さい。

第75回日本矯正歯科学会大会

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生涯研修セミナー

11月7日(月)16:15~18:15 講演会場Ⅱ(徳島文理大学 むらさきホール)

矯正治療時の患者さんと術者の予防意識を一致させる

~矯正治療期間は、予防の絶好のチャンス~

小森 朋栄

(‌日本歯科大学東京短期大学‌非常勤講師、井荻歯科医院、‌

ふじた矯正歯科クリニック)

略 歴

1981年 日本歯科大学付属歯科専門学校歯科衛生士科卒業 1981年 日本歯科大学附属病院勤務

1989年 SWEDENVÄRMLAND 州 KARLSTAD 予防歯科センター 1993〜 8年 フィリピン大学歯学部 歯周病科インストラクター 2000年〜 井荻歯科勤務

2004年〜 ふじた矯正歯科クリニック勤務 2007年 日本大学商業学部卒業

2009年〜 日本歯科大学東京短期大学専攻科歯科衛生学専攻非常勤講師 著 書

「歯科衛生士のためのインスツルメンテーション」

「目で見るペリオドンタルインスツルメンテーション」Ⅰ〜Ⅳ原著第6版 JillS.Nield-Gehrig 著 監訳

「歯科衛生士の仕事」

矯正治療を希望した患者さんが、矯正歯科では「歯並びをなおしてくれる」と考えるのは当然ですが、近年 では「虫歯や歯周病の予防もしてくれる」と考えている場合も多いようです。患者さんは、矯正専門医である 前に歯科医師なのだから、矯正治療に際して予防処置も当然のようにしてくれるだろうと考えるのです。さ らに矯正歯科で働く歯科衛生士に対してもやはり口腔衛生の専門家であることを念頭に置いています。

以上は比較的意識の高い患者さんの話であり、予防に対する患者さんの意識は様々です。この点で、患者 さんサイドと歯科医院サイドの矯正治療中の予防についての認識の差がどの程度あるかを知っておくことが 必要です。この意識の差を無視して治療だけに集中してしまうと、相互信頼関係が崩れ、その後の治療が円 滑に進まなくなる可能性があります。そのようなことが起きないようにするためには、どのような予防教育 や予防処置が必要であるか、例を挙げて説明したいと思います。

歯科衛生士学校の学生に聞くと、自身が矯正治療を受診することで歯科衛生士の仕事を知り、自らも歯科

衛生士を目指したという学生が毎年何人かいます。これは矯正治療で長期間にわたり歯科衛生士と接し、そ

の際に円滑なコミュニケーションがとられているからであると考えますし、その影響力の大きさを常々感じ

ています。このことからも動的治療期間および保定期間を含めるとかなり長期にわたり定期的な来院が約束

されている矯正治療は、う蝕や歯周病予防の絶好のチャンスなのです。

The 75th Annual Meeting of the Japanese Orthodontic Society

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