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127市民公開講座

8. 株式会社 オーティカ・インターナショナル

‌ ‌ Myobrace の紹介と MRC‌Clinics について

第75回日本矯正歯科学会大会

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大会プログラム講演要旨学術展示症例展示 症例報告Academic ExhibitsCase Exhibits著者索引

口演 -001

口唇トレーニング方法別にみた口唇閉鎖力の影響

Effect of lip closure force in another method of lip training 松田 浩和1、原 あい2、百瀬 由華2、金沢 昌律1、山田 一尋1

MATSUDA H.1, HARA A.2, MOMOSE Y.2, KANAZAWA M.1, YAMADA K.1

1松本歯科大学歯科矯正学講座、2松本歯科大学病院歯科衛生士室

【目的】口唇圧と舌圧は歯および顎顔面形態に関連し、口唇トレーニングは歯科矯正治療後の安定性のために臨床でも 取り入れられている。しかし、口唇トレーニングの効果については不明な点が多い。本研究では、口唇トレーニング による口唇閉鎖力および舌圧の変化を3種類の測定器を用いて測定し、トレーニングの効果を評価することを目的と した。【資料および方法】被験者は風船を用い口唇トレーニングを行った群(風船トレーニング群;女性8名 19.0±1.5歳)

とボタンを用い口唇トレーニングを行った群(ボタンプルトレーニング群;女性8名19.0±1.5歳)に分類した。風船トレー ニング群は、毎日風船を10秒間膨らませた状態を維持するように指示し、一日3回、4週間継続を指示した。ボタン プルトレーニング群は、ひも付きのボタンを使用し、まっすぐ前方へ10秒間引っ張るよう指示し、1日10回5セット を4週間継続して行うよう指示した。2群の垂直的口唇閉鎖力を口唇閉鎖力測定器(LIP DE CUM®)で測定し、舌側 方向の口唇閉鎖力をtension gageで測定した。舌圧は舌圧測定器(TON DE OSU®)で測定した。計測はトレーニング 開始前、トレーニング開始2週間後と4週間後に測定した。統計処理は、2群間の口唇閉鎖力と舌圧の経時的変化につ いて2元配置分散分析を用い解析を行った。【結果および考察】口唇トレーニング開始4週後、風船トレーニング群と ボタンプルトレーニング群はともに、口唇閉鎖力測定器による測定、tension gageによる測定で、トレーニング4週 後に有意な増加を認めた。舌圧は、4週間のトレーニングで減少傾向を示したが、有意差は見られなかった。【結論】

風船トレーニングとボタンプルトレーニングは、垂直方向および舌側方向の口唇閉鎖力を増大させることが示唆され た。

口演 -002

小児期における舌圧と顎顔面形態の関連性について:第2報~骨格系分類によ

る比較~

Relationship between tongue pressure and dentofacial morphology in mixed dentition:2nd report-Comparison with skeletal pattern

双石 博之1、竜 立雄2、根津 允1、福井 和徳2 KURABEISHI H.1, RYU T.2, NEZU M.1, FUKUI K.2

1奥羽大学大学院歯学研究科口腔機能学領域顎顔面口腔矯正学専攻、2奥羽大学歯学部成長発育歯学講座歯科矯正学分野

【目的】バルーン式舌圧測定器を用いて、小児の舌の機能を客観的に評価し、小児期における舌の機能と顎顔面形態と の関連性を明らかにすることを目的とした。【資料および方法】奥羽大学歯学部附属病院矯正歯科を受診した患児81名

(男児28名、女児53名)、平均年齢9.09±1.46歳、Hellmanの咬合発育段階によるIIIAからIIICを対象とし、Skeletal I 群(2°≦ANB≦4°)、Skeletal II群(ANB>4°)、Skeletal III群(ANB<2°)に群分けした。バルーン式舌圧測定器を 用いて最大舌圧および嚥下時舌圧を測定した。また、口唇閉鎖力測定器を用いて最大口唇閉鎖力を測定した。これ らの舌圧および口唇閉鎖力は座位、自然頭位で測定した。顎顔面形態は、側面頭部X線規格写真によるセファロ分 析、および歯列模型から非接触三次元形状計測器により口腔容積を算出し、舌圧や口唇閉鎖力との関連性を評価した。

【結果】Skeletal I群は、最大舌圧においてSkeletal II群より有意に大きく、最大口唇閉鎖力においてSkeletal III群よ り有意に小さかった。また、Skeletal II群は、最大舌圧、嚥下時舌圧、および最大口唇閉鎖力においてSkeletal III群 より有意に小さかった。さらに嚥下時舌圧と口腔容積に正の相関が認められた。【考察】小児期における最大舌圧、嚥 下時舌圧および最大口唇閉鎖力は、上顎骨および下顎骨の前後的位置に関係することが示唆された。また、嚥下時舌 圧と口腔容積とに正の相関を示した。これらのことから、舌の機能評価に、最大舌圧および嚥下時舌測定の有用性が 示唆された。【結論】バルーン式舌圧測定器は、簡便かつ非侵襲性であり定量的評価が可能なことから、小児期におけ る舌の機能の有用な診断ツールとなりうることが示された。

The 75th Annual Meeting of the Japanese Orthodontic Society

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大会プログラム講演要旨学術展示症例展示 症例報告Academic ExhibitsCase Exhibits著者索引

口演 -003

音声を用いた発音時舌位の新たな評価法の開発

Development of a new acoustic evaluation method of tongue position at pronunciation with voice

山下 公子1、石井 かおり1、根岸 慎一1、斎藤 勝彦1、中山 仁史3、石光 俊介3、堀畑 聡2、葛西 一貴1 YAMASHITA K.1, ISHII K.1, NEGISHI S.1, SAITOH K.1, NAKAYAMA M.3, ISHIMITSU S.3, HORIHATA S.2, KASAI K.1

1日本大学松戸歯学部歯科矯正学講座、2日本大学松戸歯学部教養学数理科学講座、

3広島市立大学大学院情報科学研究科サウンドデザイン研究室

【目的】低位舌や舌突出癖などの口腔習癖は開咬、狭窄歯列および下顎前突などの不正咬合を生じる要因であり、また矯正治 療後の後戻りの原因ともなっている。これまで我々はフォルマント周波数を用いた音声分析により舌位の客観的評価を試 みてきた。しかし、フォルマント周波数を用いた音声分析では舌先の位置評価に限定され、詳細な舌の位置評価や音声の聴 覚的評価は行うこができない。そこで本研究は音声分析として舌癖や不正咬合の患者に特徴的な子音に対し零交差数分析と MFCC解析(Mel-Freqency Ceptrum Coefficients)を行い、音響学的評価の可能性を検討した。【資料および方法】被験者は 口腔習癖のない2名(男女各1名)とした。2名の被験者に、正常発音(以下、正常群)、舌を前方へ突出させた発音(以下、突 出群)、舌尖を下顎前歯舌側面に置いた状態での発音(以下、低位群)、下顎を前方に出した発音(以下、下顎前突群)、下顎 を前方へ出し、舌尖を下顎前歯舌側面に置いた状態での発音(以下、下顎前突低位群)の5つの条件とした。使用した音声は /i∫i/を9回発音させ、子音部の零交差数分析およびMFCC解析を行った。【結果】正常群、突出群、低位群、下顎前突群、

下顎前突低位群それぞれの零交差数平均値は突出群が最も高く、下顎前突低位群が最も低い値であった。零交差数平均分析 とMFCC解析を用いた分布図では各群が明瞭に分離された。【考察】正常群、突出群、低位群、下顎前突群、下顎前突低位 群の各群が明瞭に分離されたことから、零交差数分析およびMFCC解析により各群の音響学的判別が可能であると考えら れる。低位群と下顎前突低位群は共に低位舌を呈しており、分布図においても近くに分布していた。このことから零交差数 分析およびMFCC解析は、舌位の特徴を表していると考えられる。【結論】零交差数分析およびMFCC解析により舌癖や不 正咬合を有する患者の発音時舌位の評価の可能性が示唆された。

口演 -004

正貌の非対称性に関する審美的認識と外科的治療の必要性

The influence of facial asymmetry on esthetic preference and perceived need for orthognathic surgery

村上 隆1、吉川 祐介2、石田 昌也3、上岡 寛2 MURAKAMI T.1, YOSHIKAWA Y.2, ISHIDA M.3, KAMIOKA H.2

1岡山大学病院矯正歯科、2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯科矯正学分野、3岡山大学歯学部

【目的】顎変形症患者に対する治療は、口腔機能の回復だけでなく、顔貌の審美的回復も重要となる。これまでに、側 貌における審美的認識や治療の必要性に関する報告は多くなされているが、正貌については未だ詳細な検討はなされ ていない。本研究は、一般人および矯正歯科医を対象に、正貌の非対称性に対する審美的認識と外科的矯正治療の必 要性について調査・検討を行った。【資料および方法】岡山大学歯学部生37名(男性21名、女性16名)の正貌写真を用いて、

男女それぞれの平均顔を、専用アプリケーションを用いて作成した。それら平均顔において、画像編集ソフトウェア を用いて、口角を左右に3°、6°、9°歪ませた正貌を作成した。また、下顔面または中下顔面を一塊として、頤を左右 に5mm、10mm、15mm偏位させた正貌も作成した。これら正貌を矯正歯科医29名と一般人107名に提示し、審美的 認識ならびに外科的矯正治療の必要性についてアンケートを実施した。【結果および考察】一般人ならびに矯正歯科医 ともに、男女それぞれの顔について、口角は3°以上、下顔面または中下顔面の歪みは頤が5mm以上左右に偏位した 時点から有意に審美的認識が悪化し、その歪みや偏位量が大きくなるほど段階的に審美的認識は悪化した。また、一 般人は、頤を15mm偏位させた中下顔面の歪みのある男性の顔に対してのみ有意に治療の必要性を示し、矯正歯科医 は、口角を9°、下顔面または中下顔面の歪みは頤を15mm偏位させた男女の顔に対して治療の必要性を示した。【結論】

正貌の非対称性に対する審美的認識は、その歪みや偏位量、ならびにその範囲が大きくなるにつれて悪化し、外科的 矯正治療の必要性の認識が高まる。さらに、口角で6°以上の歪み、頤で10mm以上の偏位を伴う顔面の非対称性があ る場合、一般人と矯正歯科医で審美的認識や外科的矯正治療の必要性の認識に差が生じる可能性が示唆された。