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設計風圧力と瞬間風速の関係

   W=0.56C・V(台風時)2   ただし、

  W:設計風圧力 N/m2またはPa   C:風圧係数

  V:瞬間風速m/s

注1)風圧力と瞬間風速には一定の関係がある ことは確かですが、その対応関係を正確に 求めることは困難です。耐風圧検討では、

建設省告示第1454号、第1458号で規定 される風圧力を使用する必要があります が、ここでは設計風圧力と瞬間風速の対応 関係を、あくまでも参考として示していま すのでご注意ください。

注2)大気圧により空気密度などが変化するた め、ここでは台風時の式を示しています。

注3)平成12年建設省告示第1454号、第1458 号では、設計風圧力を求める際の風速と して平均風速を用いていますが、ここでは 旧告示の風圧係数Cを用いることで瞬間風 速を算出しています。風圧係数は、建物の 形状や部位により異なりますが、正圧では 0.5~1.0程度になります。(参照文献:斎藤 平蔵,「建築気候」p207,共立出版)

注4)風圧係数は風力係数と称する場合もあり ます。

ガラスの耐風圧強度における破壊確率 ガラスの破壊強度は、鉄、アルミニウム、コンク リートなど、他の建築材料に比較すると、強度 に影響を及ぼす要因が多く、強度のバラツキが 大きい性質を有しています。したがってガラス強 度の検討は、統計的考察のもとに確率の要因を 含めて考えなくてはなりません。ガラスの破壊 風圧、破壊応力は、その対数値を取ると近似的 に正規分布に従うため、対数正規分布として統 計処理することができます。

ガラスの破壊確率の計算方法

荷重(または応力)aがガラスに負荷されたとき のガラスの破壊確率を求めます。

●荷重(または応力)aがガラスの平均破壊荷重

(または平均破壊応力)bからどの程度離れてい るか、標準偏差S.Dを尺度にして求めます。

ta= loga−logb S.D =log(

a b) S.D

表 11 設計風圧力Wと瞬間風速Vの関係

(台風時の参考値)

設計風圧力W(N/㎡またはPa) 瞬間風速V(m/s)

500 30

1000 42

1500 52

2000 60

2500 67

3000 73

3500 79

4000 85

※ここでは風圧係数Cを1.0とした場合の値を示しています。

表 12 各ガラスの標準偏差S.D.

ガラスの種類

荷重の場合 応力の場合

呼び厚さ(ミリ) 面内 エッジ

フロート板ガラス 熱線吸収板ガラス 熱線反射ガラス

2、3、4、5、6、8 0.13 0.113 0.097

10、12 0.13 0.118 0.097

15、19 0.13 0.127 0.097

22、25 0.13 0.129 0.097

網入・線入磨き板ガラス 0.13 0.088 0.097

網入・線入型板ガラス 0.13 0.097 0.097

強化ガラス(水平強化) 0.06 0.067 0.071

倍強度ガラス 0.10 0.081 0.097

合わせガラス 0.06〜0.13 0.056〜0.129 0.070〜0.097

複層ガラス 0.06〜0.13 0.056〜0.129 0.070〜0.097

型板ガラス 0.13 0.097 0.097

型板強化ガラス 0.06 0.070 0.070

フロスト加工ガラス 0.13 0.097 0.097

フロスト加工強化ガラス 0.06 0.070 0.070

表 13 正規分布(taに対する破壊確率Anの値)

−ta An

0.0 0.50000

0.5 0.30854

1.0 0.15866

1.3 0.09680

1.5 0.06681

2.0 0.02275

2.3 0.01072

2.5 0.00621

2.6 0.00466

2.7 0.00347

2.8 0.00256

2.9 0.00187

3.0 0.00135

3.1 0.00097

3.2 0.00069

3.3 0.00048

3.4 0.00034

3.5 0.00023

3.6 0.00016

3.7 0.00011

3.8 0.00007

3.9 0.00005

4.0 0.00003

正規曲線 全面積 A=1.0

破壊荷重(または破壊応力)

の対数値

An ta

log a

頻度

log b 正規分布曲線 図 13

 W  0.56×C V=

標準偏差は、ガラスの種類によって異なり、種々 の変動要因を考慮すると表12のようになりま す。なお、これらの数値はあくまでも目安であ り、数値を保証するものではありません。特に、

倍強度ガラスと強化ガラスは強化応力やそれを 付与する加工工程の条件によっても変化し、複 層ガラスと合わせガラスについては、加工工程 の条件や構成するガラスの品種によって大きく 変動します。

●表13に示した正規分布表よりtaに対する確率 Anを求めます。

4-2-8

強度・安全

4 - 2

[計算例1]

許容荷重から平均破壊荷重を求める。

(フロート5ミリの場合)

許容荷重a(破壊確率0.001)=3375N{344kgf}

に対する平均破壊荷重bを求める場合を例示し ます。

表12からフロート板ガラスの、荷重の場合の標 準偏差S.D=0.13を選びます。

また、正規分布表13から、破壊確率An=0.001 に対応するta約ー3.1を得ます。

次に前ページに示した式 ta=log(

a b) S.D

を用いて計算を行います。

式に各数値を代入すると ta= log(

3375 b ) 0.13 ≒ー3.1

となりますので、この式よりbを求めると ta= 3375

10(ー3.1×0.13) ≒8536

から、平均破壊荷重bは、8536N{870kgf}と なります。

[計算例2]

任意の荷重に対する破壊確率を求める。

(フロート5ミリの場合)

任意の荷重a=4300N{438kgf}に対する破壊 確率Anを求める場合を例示します。

計算例1で求めたように、フロート5ミリの平均 破壊荷重bは、8536N{870kgf}となります。

また、表12からフロート板ガラスの、荷重の場 合の標準偏差S.Dは0.13です。

前ページに示した式 ta=log(

a b) S.D

を用いてtaを求めると、

ta= log(

4300 8536) 0.13 ≒ー2.3

taは約ー2.3となりますので、正規分布表13よ り破壊確率Anは0.01072となります。

[計算例3]

任意のガラスの面内許容応力に対する破壊 確率を求める。(フロート5ミリの場合)

面内許容応力および面内平均破壊応力(既知)を 用いて、フロート5ミリの破壊確率Anを求める 場合を例示します。

4-2-1の表 1より、フロート5ミリの面内許容応 力aは、

24.5N/mm2{250kgf/cm2}です。

また、面内平均破壊応力bは、

54.9N/mm2{560kgf/cm2}です。

表12より、応力の場合の面内の標準偏差S.D は0.113です。

前ページに示した式

ta=log(

a b) S.D

を用いてtaを求めると、

ta= log(

24.5 54.9 ) 0.113 ≒ー3.1

taは約ー3.1となりますので、正規分布表13よ り破壊確率Anは0.00097となります。

強度・安全

4 - 2

4-2-10

強度・安全

4 - 2

板ガラスの衝撃強度

4 - 3