4.5m 3.5m
2.5m
●夏期条件
西面日射量 563W/㎡ 外気温 33.7℃
空調条件(風量:660m3/hr 風速:3.5m/s)
吹出し温度:21.0℃
●冬期条件 外気温 2.0℃
空調条件(風量:660m3/hr 風速:3.5m/s)
吹出し温度:25.0℃
●各部位の熱性能 外壁:熱貫流率 次世代省エネIV地域基準相当
●窓面積 5.5㎡
室内温熱環境計算モデル概要 図 2
光・熱・省エネルギー
3 - 8
●夏期-ガラス表面温度と室内平均温度 夏期の結果を見比べると、ペアガラスとサンバ ランスでは室内側ガラス表面温度差が7℃以上 あり、室内平均空気温度差も4℃程度あること がわかります。
この結果は、サンバランスが室外側のガラスで 主に日射エネルギーを吸収し、ペアガラスより も日射透過率が低く、日射エネルギーを室内に 取り入れにくいことから生じています。
夏期 Low-E3+Ar16+FL3を用いた場合 図 4
32.2℃ 27.3℃
夏期 FL3+A12+FL3を用いた場合 図 3
31.4℃
39.2℃
ガラス表面室内側
平均温度 室内平均
空気温度
●夏期−室内温熱環境計算結果 ●夏期-窓近傍平均放射温度
窓から距離1m、高さ1mの位置での平均放射温 度は次のようになりました。
表 3 夏期の平均放射温度[℃ ]
(窓から、距離1m、高さ1m)
FL3+A12+FL3 40.1
Low−E3+Ar16+FL3 32.5
ペアガラスとサンバランスでは平均放射温度の 差が7℃以上あります。これは、室内側ガラス表 面温度と窓近傍の床表面温度の違いの影響が大 きいからです。
●夏期-PMVとPPD
夏期の平均室温と、平均放射温度結果以外に、
以下のパラメーターを仮定して、PMVとPPDを 算出しました。表 4に結果を示します。
代謝量 1.0met(椅座安静)
着衣量 0.4clo(夏期標準レベル相当)
相対湿度 50%RH 気流速度 0.5m/s
(ここでは扇風機も仮定)
表 4 夏期のPMVとPPD
(窓から、距離1m、高さ1m)
PMV PPD[%]
FL3+A12+FL3 3.1 99.4
Low−E3+Ar16+FL3 0.1 5.2
本計算結果において、夏期の日中、窓から距離 1mの位置での不満足者率PPDの値はペアガラ スが100%近いのに対し、サンバランスでは5%
程度です。このようにサンバランス高遮熱断熱E タイプを用いることで、夏期の不快な暑さを大 幅に解消することができます。
・ 本計算では夏期において、カーテンがなく日射が窓から 直接室内に侵入する場合の検討をしています。窓から1m の位置では、人体は窓越しの日射とガラス表面や床から の放射熱の影響を多く受けるので、夏期の西面ピーク時 においては、どのガラスを用いても暑めの結果となりま す。ここでは、サンバランス遮熱断熱タイプEが優れた遮 熱性能を有する結果となりました。
・ 室温は空調設定温度以外にも、壁の断熱仕様や部屋の大 きさの影響を受け、ガラス表面温度は日射や外気温、室 温の影響を受けます。そのためサンバランス高遮熱断熱タ イプを用いても、一枚ガラスや透明ペアガラスを使用した 場合と比較して顕著な効果がみられない場合もあります。
3-8-2
光・熱・省エネルギー
3 - 8
19.7℃ 22.8℃
22.2℃
室内平均空気温度
●冬期-ガラス表面温度と室内平均温度 冬期の結果を見比べると、ペアガラスとサンバ ランスでは室内側ガラス表面温度差は4℃程度 あり、室内平均空気温度差は0.6℃程度である ことがわかります。
これはサンバランスがペアガラスよりも断熱性 能が高いことと、冬期の夜間の平均室温はガラ スの違いよりも空調の設定温度に依存しやすい からです。
なお、窓近傍下部のコールドドラフトには明ら かな違いがあることが判ります。
●冬期-窓近傍平均放射温度
冬期の結果は平均室温で0.6℃程度の差ですが、
窓から距離1m、高さ1mの位置での平均放射温 度は表 5のようになりました。
表 5 冬期の平均放射温度[℃]
(窓から、距離1m、高さ1m)
FL3+A12+FL3 19.7
Low−E3+Ar16+FL3 21.1
ペアガラスとサンバランスでは平均放射温度の 差が1.4℃程度あります。これは、室内側ガラス 表面温度差(ここでは4℃程度の差)の影響によ るものです。
●冬期−PMVとPPD
冬期の平均室温と、平均放射温度結果以外に、
以下のパラメーターを仮定して、PMVとPPDを 算出しました。表 6に結果を示します。
代謝量 1.0met(椅座安静)
着衣量 1.1clo(冬期標準レベル相当)
相対湿度 40% RH 気流速度 0.1m/s
表 6 冬期のPMVとPPD
(窓から、距離1m、高さ1m)
PMV PPD[%]
FL3+A12+FL3 −0.5 10.7 Low−E3+Ar16+FL3 −0.3 6.9
本計算結果では、冬期の夜間において、窓から 距離1mの位置での熱的快適性指標PMVの値 はISO-7730の定める快適範囲(-0.5<PMV<
+0.5)におさまることがわかります。
このようにペアガラスとサンバランスを用いた 場合では冬期夜間の室内平均空気温度差はわ ずかでも、ガラス表面温度に違いがあるので窓 近傍の熱的快適性に違いが有ることがわかりま す。
サンバランス高遮熱断熱Eタイプを用いること で、冬期の不快な寒さを解消することができま す。
・ 室温は空調設定温度以外にも、壁の断熱仕様や部屋の大 きさの影響を受け、ガラス表面温度は日射や外気温、室 温の影響を受けます。そのためサンバランス高遮熱断熱タ イプを用いても、一枚ガラスや透明ペアガラスを使用した 場合と比較して顕著な効果がみられない場合もあります。
冬期 FL3+A12+FL3を用いた場合 図 5
冬期 Low-E3+Ar16+FL3を用いた場合 図 6
●冬期−室内温熱環境計算結果
ガラス表面室内側
平均温度 15.8℃
窓近傍下部の コールドドラフト
窓近傍下部の コールドドラフト
光・熱・省エネルギー