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図、、7轟L・、

2.7.2 コッホ曲線

 完全な自己相似性を持つフラクタル図形の代表例として、コ ッホ曲線がある。図116のコッホ曲線の作り方は、以下のよう になっている。

 「①長さ1の線分を用意する。②それを三等分して、長さ1

/3の線分三本に分ける。③そのうちの真ん中の一本を、その 長さ(1/3)を辺長とする正三角形の他の二辺に相当する迂 回路で置き換える。」(註54)

 ②から③までの1連の操作によって、長さ1の線分は、両端 の位置は保ったまま、長さ1/3の線分4本からなる折れ線に なる。この操作を極限まで繰り返して、迂回路を同じ向きに無 限に設け続けると、コッホ曲線になる。

 この場合は、コッホ曲線の代表的な形である。常に3等分す る、正三角形を作るために常に60度の角度を作っていくとい

う意味で、数学的に正確である。

 次に、一般化したコッホ曲線というものを示していく。図 117の二等辺三角形をもとにコッホ曲線を描いていく方法であ る。作り方は以下のようになっている。

 「(a)のように、ABを底辺とする二等辺三角形1田Cを考え る。底辺上うまく2点D、Eをとると、三角形ACDおよび三角 形BCEのそれぞれが、底角θの二等辺三角形になる。これらの 二等辺三角形にもそれぞれ同じ操作を加えることが出来るの で、以下、無限に続けて、一般化したコッホ曲線を定義できる。」

(註55)

 底辺上うまく2点D、Eをとると、という部分では、コンパ スを使って、辺ACの垂直2等分線の作図を用いても良いし、

単に角θの角度を測っても良いだろう。このように製図により、

コッホ曲線は描くことができる。

図118

2.7.3 枝分かれ曲線

 図118のような図形も、完全な自己相似性を持っている。繰 り返しが進むに従って、枝のように見えてくるので、枝分かれ 曲線と呼んでいく。作り方は以下のようになっている。

 「最初の線分を3等分して、分割点で45。の角度で最初の線 51

図119

   程

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調1

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,ヒ〜

図120 白

図121

分の長さの3分の1の長さの線分を書き加えます。その後、新 たに作られた線分に対して、同じ手続きを繰り返し続けます。」

(註56)

 この操作はコッホ曲線と同じように極限まで続けることが できる。ある線を拡大、縮小しても、全く同じかたちが現れる。

そして、長さや角度の変化が一定なので、製図によって描き表 すことができる。

 このような枝分かれ曲線は、プログラム言語により、描き表 すこともできる。図119のようなかたちは、BASICにより描画

されている。図118と似ているが、枝分かれの長さや角度の変 数が異なる。また、図120のようなかたちはLogoにより描か

れている。

 枝分かれ曲線には、色々なかたちがある。図121のカリフラ ワーのようなかたちは、出原栄一によるものである。参考文献 では以下のように説明されている。

 「マンデルブロによるフラクタルの概念とは独立に、わが国 においても関連する発想がすでにあった。…中略…出原栄一 氏は、一九七〇年代前半に、コンピュータ・グラフィックスを 使って、樹木の形態を論理的に表現するプログラムを作成した。

樹木の成長過程を模し、枝の伸び方、分かれ方という基本的な 局所成長則だけによって樹木の姿を描くことに成功した。」

(註57)

 また、別の参考文献でも、「コンピュータ・グラフィックス による樹木の枝分かれの基礎研究を、Lシステムやフラクタル に先駆けて早くから提唱する。」(註58)と書かれている。Lシ ステムとは、「再帰呼び込みが可能なプログラムによる自己相 似の考えをもとにした言語システムである。」(註59)

 ゆえに、出原栄一は、プログラム言語を用いて、枝分かれ曲 線を描画した日本の初期の代表的な研究者と考えられる。

2.7.4 ペアノ曲線

 ペアノ曲線は、合同の升目に区切られた平面空間の中を、交 差しない一筆書きの線で、全ての升を通るように引いていくと 描くことができる。ペアノ曲線について、「どんなに升目を小 52

図126

さくしていっても、どの升目にも曲線上の点があるのです。」

(註60)と説明されているところがらもそう言える。その極 限として定義されるこの図形は、複雑に入り組んだ自己相似な 形になっており、二次元空間の正方形内部を極限まで繰り返し た場合には、その正方形の内部を完全に埋め尽くすことになる。

そのため、フラクタル次元は、平面と同じようにD=2となる。

 ただ、正確さを出すために、一定の長さや角度を保ちながら 線を引いていく必要がある。そして、図122〜124のように、

1まとまりのペアノ曲線を複製して、もとの2倍の大きさを持 つペアノ曲線になるように組み合わせていく必要がある。その 作業を繰り返していくと良い。そうしないと、ただ全ての升目 を一筆書きでランダムに通るだけで、自己相似性を持たなくな ってしまう。

 ここから、実際に数学的に正確なペアノ曲線の2つの描き方 を見ていく。図122〜124の3つのペアノ曲線を見ていくと、

合同な正方形の全ての升目を直線が通っていることが分かる。

折れ曲がりの角度は90。である。また、升目の小さな正方形 の辺の中点を線が通るようにすれば良い。そうすれば、数学的 に正確になる。

図122

1

図123 図124

ペアノ曲線は、他にも、図125のように十字形のふちをたどっ て線を描くという操作を繰り返すことによっても描くことが できる。そして、繰り返しが進むと、図126のようになってい く。その線は一筆書きによって書かれ、交差しない。なお、図 53

125では、説明のためにフリーハンド、すなわち自由曲線で書 かれている。

図127

135

図128

135

図132

90

図129 図130 図131  図127〜131の5つのペアノ曲線を見ていくと、正方形の対 角線をもとに区切られた合同な二等辺三角形の全ての升目を、

直線が通っていることが分かる。そのようなかたちは、十字架 のふちをたどっていく方法により描かれたものと、同じように 見える。それらの図を見ると、角度や長さについても一定に書 くことが可能であると分かる。ただ、直線で描いても、角度や 長さが一定でなければ、統計的なフラクタル曲線になる。色々 な変数が使えるが、図132のような角度を保ち、辺の長さを一 定の比率で維持すれば、完全な自己相似になる。

図133

図134

2.7.5 方程式によるフラクタル図形の描画

 非線形方程式の組み合わせや複素数を含む方程式を用いる と、フラクタル図形を描くことができる。複数の複雑な多次数 の非線形方程式の組み合わせを用いる場合は、コンピュータ・

シュミレーションととらえていく。以下からは例として、3つ の具体的な方法を紹介する。

 図133,134の描画の方法は、「多項方程式の根の値をニュー トン法の公式に入れることから出発し、反復代入計算を実行し ます。」(註61)と説明されている。なお、反復代入計算とは、

以下のように説明されている。「フラクタル方程式の一方の辺 に数値を1つ入れて計算し、今度はその計算結果を再びその方 程式に入れて計算を実行します。新たな計算結果をまた方程式 に代入し、同じことをさらに繰り返します。」(註62)

 この説明だけでは、理解は難しい。しかし、繰り返しを用い ることで、短い単純な式により描画が可能であることが想像で きる。再帰呼び出し機能と似ていると予想できる。また、その 方程式の解の範囲を描画した集合がフラクタル図形になって 54

図135

図136

図137

図138

図139

図140

ζ

いると考えられる。

 図135〜137の描画の方法は、「コンピュータ画面を電子的な グラフ用紙に見立て、秩序からカオスへの転移領域を記述する 一連の方程式をプロットします。…中略…方程式は、電気回 路におけるエネルギーの流れ、あるいは速い水流における乱流

といった、複雑な相互作用をもつ実際の系(いわゆる力学系)

のモデルとして用いることができます。」(註63)というふう に説明されている。

 そして、「それぞれの画像に見られる濃い青の背景は、完全 にカオスになっている暗い領域を表しています。」(註64)と 説明されている。グラフ用紙に見立てるということからは、座 標を利用していることが分かる。また、カオスと力学系が関係

していることが分かる。

 図138〜140の描画の方法は、以下のように説明されている。

少し長くなるが、最も具体的な説明であるので引用しておく。

「コンピュータの画面は、非常に細かく線の引かれた電子的な グラフ用紙になります。…中略…コンピュータは、複素平面 上のある領域内の各点(数)に反復代入方程式を適用し、その 点の数値がどれくらい速く発散してゆくかを記録することに

よってその点をテストします。数値が安定しているならば、可 能な255色の中の1色(普通は黒)をその点に塗ります。数値 が急速に無限に向かうならば、その点には別の色を塗ります。

数値がよりゅっくりと上昇するならば、その速度に応じて色を 1色塗ります。」(註65)

 この説明からは、反復代入方程式を利用して、複素平面上に 描いていることが分かる。また、方程式により導き出された結 果の数値の変化によって色を塗り分けているということが分 かる。図140では「明るくて暖かみのある色が速い発散を表し ています。緑と青が速い発散を表しています。」(註66)とい

うように色が塗り分けられている。

 そして、この方法と同じような方法で描かれるフラクタル図 形の代表として、ジュリア集合やマンデルブロ集合があげられ

る。図141のようなジュリア集合も複素平面上に描かれている。

それぞれのかたちが異なるのは、方程式に与える変数が異なつ 55

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