。 X 図50
2.5.1座標
解析幾何学は、座標を用いて図形の性質を数値的に現す幾何学であ る。また、解析幾何学は座標幾何学ともいわれる。解析幾何学は、17 世紀の哲学者でもあり数学者でもあったデカルトによって創始され た。座標もデカルトが発明した。その発明により、座標により平面や 空間の点の位置を数で表現できるようになった。さらに、図形を式で 表すことが出来るようになった。また、図形の性質を表す時に、数や 式の計算を利用できるようになった。
座標の数字は原点からの距離であり、位置を表す。平面上の点の座 標は、2つの数の組で表す。平面上の座標空間は図49のように、原 点0で直交する2つの数直線を選び、横方向の数直線をx軸、縦方向 の数直線をy軸と呼ぶことが多い。このような座標を直交座標と呼ぶ。
3次元の空間座標は、x軸、 y軸、 z軸の3つの数直線が直交してい る。座標は3つの数の組で表す。(註27)
ただ、解析幾何学では、x軸、 y軸の数値が原点からの距離を常に 表しているとは限らない。三角関数、指数関数、対数関数なども、そ れぞれの方程式を成立させる点の集合を軌跡として、線を描くことが できる。そのような場合のx軸、y軸の数値は、関数関係を持つxと yの値:を表している。関数関係とは、ある式の変数において、ある数 値について常に対応する数値が存在することである。
また、解析幾何学では、直交座標以外にも座標の表現方法がある。
そのうちの1つが図50のような極座標(註28)である。極座標は、
曲線の描画に適している。
そして、極座標の座標は直交座標に変換できる。逆も可能である。
同様に他の座標系の座標を別の座標に変換することもできる。変換し ても方程式や座標の数字の表記は変化するが、描画されている線やか たちは変化しない。
2.5.2 直線と円と楕円
直交座標では、ある2点が与えられると、その2点を通る直線を描 くことができる。そして、その直線を表す方程式を記述することがで きる。また、その2点間の距離を計算により求めることができる。そ
36
して、2点間の距離を求められることを利用すると、任意の長さの直 線を描くことができる。これは、変域という考え方を用いると、解析 幾何学全体では、線の両端の位置を決められることを意味する。
直線を表す方程式は一般に、y=ax+bと表す。 aの数値をもとに 直線の傾きを変化させることができる。図51のようにtanθを利用 すると、x軸と直線との傾きの角度を求めることができる。 a=0と すると、図52のようにx軸と平行な直線を描くことができる。そし て、y=ax+bについて、 aを一1/aとすると、もとのy=ax+bと 垂直に交わる直線を描くことができる。またy瓢0とすると、図53 のようにy軸に平行な直線を描くことができる。
y−ax+b
しanθ=旦
@ 1 1
o暫一層 一,_▼膠冒冒967曽「
ia 1
図51
P(露1,3竃)
図52
P(エ,、9ゆ
図53
ア
0
P(π,の
ε偽瞬
図54
崩纏
齢 曽 A .
甘「㌦
し 占
「騨 g 「 . ㌦
i5
C』馳半磁図55
図54のような、中心の座標が。(xo,yO)で、半径がRの円の方 程式は、以下のように表記される。(註29)
(x−xQ) 十 (y−yO) =R2
中心の座標を簡単に決められるので、座標内の好きな位置に円を描 くことができる。また、直径と半径の表記も分かりやすい。
円を縦か横のどちらかの1方向だけに、拡大や縮小をしていくと、
図55のように楕円が現れる。楕円を1方向だけに、拡大や縮小をし ていっても楕円になる。楕円の1つの定義として、以下のようなもの
がある。
「楕円とは、2つの定点F1、F2からの称、 PF 1+PF 2が一定とな るような動点Pの軌跡である。」(註30)
そして、その2つの定点を焦点と呼ぶ。この定義を利用すると、図 56のような方法で楕円を描くことができる。また、焦点から出た光 は、図57のように楕円内で反射され、他の焦点に集まる。そして、
図58のように、2っの焦点を通らな毛・光の軌跡は、同じ焦点を持つ 小さな楕円に接する。
37
P
呂
図56 図57
F霞 F
図58
図59
函60
P(■,
F, F
図61
影
…1. 1 〔r。鋤
置
門3 乳 F( 昌.ω
図62
楕円の接線は、図59のように製図によって描くことができる。
「任意の円を描き、円内の任意の一点から等角をなす直線をひき、そ れぞれの直線が円と交わる点までの長さの中点でこれと直角の線を ひくと、この直線の包絡線が楕円となり、直線は楕円の接線となる。」
(註31)
なお、包絡線とは、「曲線群のすべての曲線が接する線」(註32)
のことである。そして、この方法によってできる直線の各交点に一定 の小さな円形を描くと、図60のように点は外側に向かって次第に間 隔が大きくなり、その点は直線状に規則正しく配置されるかたちとな
る。
2.5.3 2次曲線
双曲線の定義として、以下のようなものがある。
「2つの定点F1、F2が与えられたとき、この2点へいたる距離の 差が一定である点Pの軌跡である。」(註33)
双曲線は、図61のような曲線である。また、反比例のグラフが双 曲線となる。
放物線の定義として、以下のようなものがある。
「定点F(P,0)と定直線x=一Pからの距離が等しいような点P
(x,y)の軌跡である。」(註34)
その点Fを焦点と呼ぶ。放物線は図62のような曲線である。また、
2次関数y=ax2+bx+cのグラフが放物線である。そして、ボー ルを投げた時の軌跡や、ホースから流れ出た水の軌跡も放物線である。
そして、放物線はすべて互いに相似図形であるので、どのような放物 線でも拡大、縮小すれば他の放物線に重ね合わせることができる。
図63のように、焦点から出た光は放物線上で反射して、x軸と平 行な線となる。自動車のヘッドライトやスピーカーなどの断面は放物 線であり、光源や音源はその焦点の位置に置かれる。逆に考えると、
38
夕
P ノ〃
ノ
o
、
図63
軸と平行に放物線に向かってきた光は、全て焦点を通る。そのため、
電波を受信するパラボナアンテナの断面は放物線になっている。
これまでに出てきた、円、楕円、双曲線、放物線は、円錐を平面で
」切ると、断面の切り口にそのかたちが現れる。ゆえにそれらの2次曲 線は円錐曲線と呼ばれる。その切り方は、以下の図64のようになつ ている。なお、円錐のかたちをした容器に液体を入れておくと、円錐 曲線のかたちの変化を見ることができる。図65のように円錐のかた ちをしたグラスを用いて飲み物を飲んでいくと、変化が分かりやすい。
円 楕円
図64
,引噂。・9逼嘱
放物線
」㌧・
図65
カ+劃一4τ=0
2.5.4 その他の多様な曲線
解析幾何学では、方程式を満たす点の軌跡により非常に多様な曲線 を描くことができる。次数により分類していくと、3次曲線には以下 のようなものがある。3次関数y=ax3+bx2+cx+dのグラフが 一般的な3次曲線を表す方程式である。以下の図66〜69に3次曲線 の例とその式を表す方程式を示していく。
》
『
.1 , 尋
・重
図66
(ニュートンのヘビ形)
ジ=ゴーτ
一
量
P 重
・1
_∬
均+影=2
17
題
図67 (楕円曲線)
.1
(アーネシーの魔女)
図68
が+ず33剛
響
1.
3
一1 1 15
図69
(デカルトの正葉形)
正筆形は、正葉曲線とも呼ばれる。それらの曲線は極座標を用いて も描くことができる。葉のようなかたちが3枚あるものを、3葉形、
4枚あるものを4葉形という。葉のかたちが、5枚以上の曲線も存在 する。以下の図70〜73に正葉形の例を示す。
39
o』
0膚
08
塩6
一3 暫。.5 05 蚤
図70
咽
r毒oo53θ .12
図71
亀5
。
陶1 輔 ℃
噸1
秩≠Ti 2θ
一◎5 0弔 5 3
ア=oo62θ
Ψ
図72 図73
なお、これらの正葉形は、三角関数を利用して描かれている。三角 関数をもとにした曲線には、以下の図74〜76のようなものがある。
・㌦、㌦ 冨 一 一 ヲ 」 駈一
̀」尋 翫
プ
『
図74 麗舷禽礁り鷺鋤8
ノ
図75 紬●億ツ富◎o詔
1
● ・ 噛・=ち鱒 甲 ,・
騨− ● 鱒 軸φ 一十・き
馬、、
・噛 〜
一1
ご 『 歪σ 2慶
6
攣
腫 魯 瞳
顎 弓 睡
ヨ
■ o ■
薯
鼻 ● 9
噂
, = 6
4 豊 : 聾 1
髄 ● 壷
o 画 障 ‡
e 4
コ 置 こ 鑑 =
…
o 噂 4
● 噂
o , 脚
〜冒 − − 冒
@ ノ
C 「
Aぐ滋 心も一一
lo
、 o. ,卿P , 疇
} 季
毒 1 , 魯 、 卜.
脚臨
晦 1 薯
噂 4 廓覇露嘗『鱈− ε 1
幡2 1 蝕 = 3
聾 卿 1
i 儒き 黶e
婁 言 = ε
3 … … 奪
図76 5 卜 →
韮髄薯,3齢θ
(ゴ+ず+1)2−4メ31
卸
幽
3
噂 ,
レ轟
(レムニスケート・連珠形)
図77
次数による分類から再び曲線を見てみると、4次曲線には以下のよ うなものがある。以下から、4次曲線の例とその式を表す方程式を図 77〜80に示していく。
(2ρ十轡2−2躍う2324(諏=2十9β)
・ξ
【㎡十ガー2τ)2=が十ガ
1仏 1 2 3
旦
噌
(カージオイド・心臓形)
図78
(パスカルのリマソン・蝸牛繰)
(ヂ十〃2十1)2−4躍芦冨2
図79
(カツシ一二の卵形線)
図80
40
図78,79のリマソンと鼓胴ジオイドの接線の製図方法には、以下の ような方法がある。
「定円周上の動点Pを中心として、点0を通る円群の包絡線はリマソ ンである。」(註35)という説明から考えていく。円周上に中心を持 って描かれる円が、常に点0を通るようにする。そうすると、図81 のようなリマソンの接線を描ける。また、上記と似た描き方をしてい
くが、図のように円周上に点Aをおく。そして、円周上に中心を持っ て描かれる円が、常に円周上の点Aを通るようにする。そうすると、
点Aを通る円群の包絡線が図82のようなカージオイドの接線になる。
ここで、上記の方法を利用して描かれた線によるカージオイドの分割 を利用すると、図83のようなかたちを描くことができる。
一一一」一
N黛N
、
図81 図82 図83
o
P8 P3
Pユ
図84
0
アルキメデスのらせん
・◎:r
リチ」藺ス .4乙8
図85
図86
◎ ・・}
」
クロソイドくりルニニのロロり
・・轣F邸鵡・・∫:・・繭
〜
2.5.5螺旋
螺旋は、以下のように定義されている。
「始点を中心に回転している半直線上の動点Pの軌跡で、Pの位置は 回転角θの関数で表される。」(註36)
螺旋は大きく代数螺旋と対数螺旋に分類することができる。代数螺 旋の代表的なものとして、図84のようなアルキメデスの螺旋がある。
アルキメデスの螺旋は、簡単に説明すると、1巻きと次の1巻きの間 隔が一定になっている螺旋である。他の代数螺旋には、図85のよう
一 黷ネりチュースや、図86のようなクロソイドというものがある。クロ ソイドは、曲率が道のりに比例する。等速で走る自動車がハンドルを 一定速度で切るとこの曲線を描く。その性質を利用して、クロソイド は道路の曲線やジェットコースターのループの曲線に利用されてい る。
.対数螺旋は、図87のようなかたちをしている。接線と動径(接点 と始点を結ぶ直線)の成す角度が一定であることが特徴である。そし
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