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66
あるいは、造形表現を常に目的としているわけではないが、手描き の文字や数字、記号なども、自由曲線により描き表されていると言え る。それらを構成する線は自由曲線である。
次に、幾何学的な円や図形をもとにした抽象的なかたちを自由曲線 で描く場合がある。「3.1.2」の項でも例に出していたが、真っ直ぐな 線や、きれいな丸いかたちを描くことができる。フリーハンドで描い た星や三日月、墨型などのマークも、自由曲線により描かれていると
言える。
また、何となく描いた丸いかたち、雲や粘土のようなかたちなどの 有機的なかたちも、自由曲線により描かれている。それに、意識して 柔らかい有機的なかたちを描く場合もある。シンボルマークや模様な
ども自由曲線により描かれる場合がある。
3.1.4 自由曲線による具象的なかたち
この場合は、目に見える全ての具体物を自由曲線で描くことになる。
風景画や静物画、人物画などに表現されているかたちが、自由曲線に より描かれているならば、それらは自由曲線による具象的なかたちと 駐盛幽
.…騨L晦 本論文では考えていく。それらのかたちは無限にあると言えるので、
・肱嗣輔全てのかたちを整理すること1弔い㌔そのため、ここでは、生物の 奨昏鵬 かたちを例にすることにする。しかし、自由曲線で描くという考え方
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1・鋤蝋襟ることができる.
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離 生物のかたちに関しては、非常に複雑で多様な方向性で述べること
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図12 ができる。それらのかたちは、生物固有の成長法則によるかたちがあ り、遺伝や進化、生育環境に依存している。一般に、生物のかたちは 生存競争や自然選択によって、種の保存に適したかたち、体内器官を 崖守るための無駄のないかたちなどになっていると考えられる。しかし、
突然変異や定向進化、生活に不適な過剰な器官の発達(動物の長すぎ る牙や角など)など、生存に適さない場合もある。生物のかたちは、
.一がく{外磯生態学で詳しく扱われる。(註11)
一般的には生物のかたちは、視覚的には滑らかな曲線で囲まれた、
ユリ(ユリ秘》
図13 有機的なかたちと考えられる。本論文では、植物や動物を見て描く時 に輸郭線として見える外形を、生物のかたちととらえていく。
67
風景画や目の前のある植物、葉や花や果実などを描く植物画、イラ ストなどを描くときに、植物を見て描くことになる。それらの葉や花 のかたちは、それぞれ1つ1つ異なる。また、見る向きによってもか たちが異なって見える。植物のかたちとしては、例として図12,13 のようなものなどがある。それらのかたちは、自由曲線によって囲ま れていると考えることができる。あるいはそれらのかたちを、葉を楕 円形としたり、茎を直線としたり、果実を円としたりして近似的に幾 何学的なかたちとして見ることもできる。その場合は、幾何学的なか たちを自由に変形していくような方法で描いていくこともできる。動 物のかたちも、植物と同様にそれぞれ個体によって異なる。また、見 る向きによってもかたちが異なって見える。そして、植物よりも曲線 部分が多く、その曲率は多様であると思われる。
図14
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図15
図16
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ウ お3.1.5生物のかたちと幾何学の関連性
生物のかたちの外形や構造には、幾何学的な線やかたちがもとにな っていることも多い。単純な例としては、ヒトデのように、正多角形 がもとになっているものがある。そして、ここでは、詳しい例として、
「2.5.5」で説明した、対数螺旋をもとにしたものを挙げていく。例 えば、巻貝であるオーム貝の殻は、図14のように対数螺旋になって いる。巻貝のからが対数螺旋になるのは理由がある。それは、図15 のように相似形を保ったまま貝殻が成長していくからである。ただ、
自然界のかたちであるので、個体によって成長の差やかたちの個性が ある。ゆえに、どのオーム貝の殻も完全に幾何学的に正確な対数螺旋 になっているとは言えない。
他の対数螺旋の例は、植物の中から挙げることができる。ひまわり の1つの大きな花を構成する、小さな花の並び方の規則は、対数螺旋 がもとになっている。図16のように、大きな花に、青い線で示した 右まわりの対数螺旋と、赤い線で示した左まわりの対数螺旋が存在し ている。この図では見えにくいが、「右まわりは34本、左まわりは 55本ある。」(註12)と対数螺旋の数が数えられている。この左右の 螺旋の交点を頂点とした四角形の部屋に、小さな花が分布している。
この数は、他のひまわりの花でも同様である。ただ、小さい花の場合 は、右まわりが21本と左まわりが34本になることもある。
そして、松ぼっくりのかさの並び方も、ひまわりの小さな花と同
図17 68
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図18
様に対数螺旋がもとになっている。図17のように、「右回りは13本、
左まわりは8本ある。」(註13)と対数螺旋の数が数えられている。
他の植物でも同様に、左右の対数螺旋によりかたちが構成されている。
例えば、パイナップルやサボテンなどがある。それらの左右の対数螺 旋の数はそれぞれ、8、13、21、34、55(註14)のどれか隣り合っ た2つの数の組になっている。それらの数の組は、フィボナッチ数列
となっている。フィボナッチ数列の詳しい数学的な説明は省くが、隣 どうしに並んだ2つの数を加えると、次の数になる。そして、2つの 隣り合った数の比が、約1:1.618の黄金比となる。
ここで現れた黄金比は、人体のかたちを考える時にも適用できる。
人体や顔の美しいかたちの規範は、黄金分割がもとになっているとい う考え方がある。図18では、へその位置によって人体が上下に黄金 比に分かれることを示している。また、手足を広げた姿勢による動作 空間が、正方形や円形の内部になることを示している。図19では、
長方形をもとに分割された線によって、顔の各部分が黄金比に分割さ れることを示している。また、この2つの図は、人体の構造が一定の 比率を持っていることを示している。そして、このような分割の線を 座標と考えてみる。そして、その座標という考えを生物全体に応用し
甑娠!1嚇すると・函2q21のような座標変換というかたちの扱嚇
図19
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図20 座標変換
ある。図20を見てみると、それぞれの生物の同種のかたちについて は関連性があることが分かる。そして、図21のようにさかなのかた ちについては、1つのかたちを座標変換によって変形すると、別なも ののかたちを表すこともできる。
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図21
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3、2 自然界における統計的なフラクタル
3.2.1 自然界における統計的なフラクタル
自然界における統計的なフラクタルを、完全には再現できない 線とかたちの1つの領域とする。自然界に存在するかたちや現象、
人体ゐ複雑な構造、植物や動物の器官などの複雑な構造について は、フラクタル理論が応用されるまでは、でたらめで無秩序なも のとされてきた。しかし、それらのかたちの中には、統計的なフ ラクタル次元を用いることにより、客観的に定量化できるように なったものがある。それらの構造を持つ線やかたちを、自然界に おける統計的なフラクタルとする。
それらの特徴は、その線やかたちの形成の根本に、人間が関わ ることができないことである。例えば、盆栽などでは、枝を人為 的に切ったり接木したりする。また、葉や枝の広がりもはさみで 切ることにより調整する。しかし、根本のかたちの形成はそれと は別にあり、その根本には人間は関わることはできない。また、
河の工事などで、流れを調整することもあるが、流れるという水 の本質的性質は変わらない。ここからはそれらの例をいくつか挙
げていく。
それらの例のうち、川の流れや、雲のような流体により形成さ れるかたちは、「3.3」で扱う偶然性のある線とかたちの表現に関 わってくる。また、流体により形成されるかたちや他の例も、シ
ミュレーションによる線とかたちや、「3.4」で扱う、可視化によ る線とかたちの表現に関わってくる。
地形の起伏
海岸線は、代表的な統計的なフラクタル図形である。海岸線の かたちが統計的なフラクタル図形であることから、地形の起伏の かたちもそうであると考えられる。海岸線は、大地や山脈の起伏 を、海抜0メートルの平面で切ったかたちである。そこから、地 形図の等高線をイメージしても分かるように、大地や山脈などを 任意の高さや向きの平面で切り取っても、海岸線と同様の複雑な かたちが現れる。海岸線の次元は1.1〜1.3である。
また、地形というものを山肌という立体で考えると、山肌も統 70