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結果

ドキュメント内 水酸アパタイト系材料の (ページ 96-99)

第 4 章 ナノ構造水酸アパタイト上における線維芽細胞の挙動

4.4. 結果

4.4.1. タンパク質吸着

各HAペレット表面におけるタンパク質吸着量と細胞の挙動との相関を検討するため,各 HAペレットのタンパク質吸着量を測定した.結果は第2章2.3.4.5.に示したとおりである.

4.4.2. 接着と増殖

図4.1に播種後1日目と4日目の各HAペレット上における生細胞数を示す.1日目の細 胞数は細胞の初期接着性,4日目の細胞数は細胞の増殖性をそれぞれ意味している.

播種から1日後の細胞数がdense-HAに比べ20-nm needleや25-nm flake上で有意に少なか ったことから,これらのペレット上ではdense-HAに比べ細胞の初期接着が阻害されたと考 えられる.一方で,100-nm fiberや50-nm fiber上ではdense-HAに比べ1日目の細胞数が有 意に多かったことから,細胞の初期接着性が向上していると考えられる.また,30-nm fiber

や20-nm needleでは1日目の細胞数はdense-HAと同程度だった.

細胞の増殖はdense-HA,100-nm fiberおよび50-nm fiber上で確認された.さらにその増 殖率は100-nm fiberや50-nm fiber上でdense-HAに比べ有意に大きかった.一方で,30-nm fiber,25-nm needle,20-nm needleおよび25-nm flake上では3日間の培養で生細胞数は減少 した.

図4.1 MTT assayで分析した各HAペレット上における生細胞数(mean ± sd).dense-HA

と比較した場合,*pおよび#p < 0.05である.すなわち,*および#で示したデータはそれぞれ 同じ時点のdense-HAと有意差がある.

4.4.3. 細胞の形態

図4.2に播種から1日後および4日後の細胞のSEM写真を示す.接着性細胞は基本的に,

状態が良いほど大きく薄く伸展することが知られている.逆に,状態の悪い細胞は伸展せ ず,小さな球状の形態を取る.また,HAペレット上における細胞数をSEM 写真からも確 認した.

図4.2 HAペレット上に接着した細胞のSEM画像

播種から1日後,dense-HA,100-nm fiber,50-nm fiber,30-nm fiber,25-nm needle(図4.2a

-e)上で,線維芽細胞は紡錘様の形態(線維芽細胞の一般的な形態)に伸展していた.そ の細胞数は50-nm fiber(図4.2c)上では他の基板上に比べやや細胞数の多い傾向があった.

一方で,20-nm needleや25-nm flake(図4.2f-g)上では多くの細胞が丸い形態であり,ま

た細胞数もほかのペレット上に比べ明らかに少なかった.

播種から4日後,dense-HA,100-nm fiberおよび50-nm fiber(図4.2a-c)上では明らかな 細胞増殖が確認された.また100-nm fiberおよび50-nm fiber(図4.2b-c)上では細胞は線 維芽細胞様の形態を保ったまま増殖していたが,dense-HA(図 4.2a)上では薄い層状にひ ろがり増殖していた.30-nm fiberや25-nm needle,20-nm needle,25-nm flake(図4.2d-g)

上では細胞数の減少が確認され,またほとんどの生細胞が丸い形態をとっていた.

4.4.4. 接着斑

第 3 章で使用した骨芽細胞と本章で使用している線維芽細胞の接着斑のサイズの差異を 示すため,スライドガラス片上において同条件で培養し染色された両細胞の蛍光写真を図 4.3に示す.白矢印は接着斑を示している.骨芽細胞の仮足には,5-10 µm程度のサイズの 接着斑が確認できた.それに対し線維芽細胞では約1 µmの接着斑の存在が確認できた.ま た細胞自体のサイズは骨芽細胞が100 µm程度であったのに対し,線維芽細胞では50 µm程 度だった.なお,HA基板は蛍光観察時のバックグラウンドが高いため,HA上において線 維芽細胞の小さな接着斑を観測することはできなかった.

図 4.3 スライドガラス上に播種し,1 日培養した骨芽細胞(a)および線維芽細胞(b)の

蛍光顕微鏡画像.アクチンを赤,ビンキュリンを緑,核を青で染色している.白矢印は接 着斑を示す.

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