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FRF のばらつき

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 87-91)

第 5 章 入力同定における系統誤差

5.3 FRF のばらつき

本節では,ロードセル,加速度計を付け直して繰り返し FRF 計測を行う実験の詳細 と,FRFに生じるばらつきを算出した結果について述べる.

5.3.1 FRF計測詳細

本項では FRF計測手順の詳細について述べる.本項では逆行列法について検討するた め,計測する FRF はアクセレランスである.FRF 計測は 6 回行う.その手順を図 5.1 に示す.始めに1回のFRF計測手順について述べる.1回のFRF計測では始めに加振 点1を加振し,加振点1と各応答計測点間のFRF(アクセレランス)を得る.その後加 振点2~4について同様に加振し,各加振点と各応答計測点間のFRF行列を得る.以上 の手順を6回繰り返し,それらをFRF計測1~FRF計測6と呼ぶ.FRF計測1と2の間,

2と3の間にはセンサーを一度取り外し,再度取り付ける作業を行う.FRF計測4から 6まではセンサーの付け直しを行わず,同じ状態で計測を行う.

FRF計測kで得た点i入力,点j応答のFRFをhji(k),FRF行列をH(k)と表記する.ま

た,FRF計測間にセンサー付け直しを行っているH(1)~H(3)を「グループA」,センサー 付け直しを行っていないH(4)~H(6)を「グループB」と呼ぶ.

次に,センサーの付け直しについて述べる.ロードセルはフレームにネジで固定され,

加速度計はEVA系接着剤(通称,ホットメルト)を用いて取り付けられている.ロードセ ルの付け直しでは,フレームへの固定に用いているネジを緩め,再度締める作業を行う.

加速度計の付け直しは,フレームから取り外し加速度計に付着している接着剤を除去し,

再度塗布して計測点に貼り付ける.計測点には印を付け,加速度計が再度同じ位置に設 置されるようにする.

第5章 入力同定における系統誤差

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図5.1 FRF計測手順

5.3.2 FRFのばらつき評価方法

グループAのFRF(H(1)~H(3)),およびグループBのFRF(H(4)~H(6))のそれぞれの ばらつきを,分散により評価する.

加振点i,応答点jのFRF(hji)の分散は周波数ごとに次式で求める.

 

N  

 

 

k

ji k

ji ji

h h h

N

2 2

, 1

1  

 (5.1)

hji(k)はFRF計測kで得た加振点i,応答点jのFRF(アクセレランス[m/Ns2]), はhji(k)

k=1~Nの平均値,Nは分散を求める標本数(ここではN=3)を示す.

5.3.3 実験結果

以下に示すグラフは加振器の作動範囲である25[Hz]以上の周波数について示す.

(a)点i入力・点j応答のFRFのばらつき

図5.2に,グループAの入力f2,応答 y2のFRFであるh22(1)~h22(3)のボード線図を示 す.次に,図5.2で示した3つのFRFの分散を,式(5.1)を用いて求めた結果を図5.3 に示す.図5.2でFRFの振幅がピークを示す共振点と,図5.3で分散が大きくなる点が 一致していることが分かり,FRF 計測時の共振周波数で FRF のばらつきが大きくなる ことが明らかになった.

FRF measurement 1

FRF measurement 2

FRF measurement 3

FRF measurement 4

FRF measurement 5

FRF measurement 6

Reset

Load cells and Accelerometers Group A

Group B

hji

第5章 入力同定における系統誤差

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(b)グループAとグループBのばらつき比較

入力同定に用いるFRF行列に含まれる点i入力・点j応答のFRFの分散をそれぞれ式

(5.1)で算出し,その平均値を用いてグループAとグループBのばらつきを比較する.

ここでは応答点6 点(点1~5,10)を用いて4 点の加振力を同定するときを考える.

そのときに使用するFRF(全24個)の分散の平均値を求め,グループAとBを比較す る.算出結果を図5.4に示す.グループBの分散は計測時の偶然誤差によるばらつきを 示し,グループ A の分散は偶然誤差に加えセンサー取り付け状態に起因する系統誤差 によるばらつきを示している.図5.4より,グループBと比べてグループAの分散が大 きいことが分かる.図5.2においてFRFの振幅がピークを示している共振点付近で,グ ルーブ A のみ分散がピーク状に増加していることが確認できる.以上より,センサー 取り付け状態による系統誤差によりばらつきは大きくなり,特に共振点付近で系統誤差 の影響が大きいことが示された.

50 100 150 200 250 300 350 400

-180 180 -90 90 0

P ha se [de g]

50 100 150 200 250 300 350 400

10

-4

10

-2

10

0

10

2

Frequency[Hz]

G a in[ m /N s

2

]

frf1 frf2 frf3

図5.2 アクセレランスのボード線図 (h22:入力 f2,,応答y2,グループA) h22(1)

h22(2)

h22(3)

第5章 入力同定における系統誤差

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50 100 150 200 250 300 350 400

10

-10

10

-5

10

0

10

5

Frequency[Hz]

V a ri a nc e [( m /N s

2

)

2

]

図5.3 アクセレランスの分散(F,12,グループA)

50 100 150 200 250 300 350 400

10

-10

10

-5

10

0

10

5

Frequency[Hz]

V a ri a nc e [( m /N s

2

)

2

]

Group A Group B

図5.4 アクセレランスの分散(24個の平均,グループAとBの比較)

第5章 入力同定における系統誤差

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