• 検索結果がありません。

同定誤差

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 63-67)

第 4 章 入力同定実験

4.4 入力同定(応答点配置全パターン)

4.4.2 同定誤差

同定誤差の計算結果を示す.応答点を計測した全点(10点)用いたときの同定誤差,

および各応答点数の誤差最小パターンのうち応答点数4点,8点の同定誤差を,逆行列 法の結果は図4.11に,動質量法の結果は図4.13に示す.また,応答点数 4点,8 点の 誤差最小パターンをそれぞれ応答点数12点の同定誤差で除して比とした値を,逆行列 法は図4.12に,動質量法は図4.14に示す.なお図4.12と図4.14にはそれぞれ,全周波 数範囲(25~400[Hz])を表示した(a),およびフレーム主体のモードが存在する周波 数付近を拡大した(b),(c),(d)の4つの図を示している.

始めに逆行列法の結果を述べる.図 4.11 より,同定誤差が周波数によっては大幅に 増大していることが分かる.ここで表4.5に示す受動系の固有振動数を見ると,同定誤 差が増大する周波数と概ね一致していることが分かる.受動系の固有振動数で同定誤差 が増大する傾向はシミュレーションでも見られたものである.また図4.12(a)からは,

90~150[Hz]と300[Hz]~の範囲で誤差比の値が1以下となっており,応答点を10点か

ら減らすことにより誤差が低減していることが分かる.図 4.12(b)ではフレーム主体 のモードが存在する 55.00[Hz]で値が減少しており,応答点数を減らすことで誤差が低 減していることが確認できる.シミュレーションでは受動系の固有振動数において応答 点数を減らすことで誤差が低減することを確認したが,実験においても同様のことが確 認できた.また,図4.12(c),(d)では受動系固有振動数で値が極小となってはいない が,受動系固有振動数とその付近では値が1以下となっており,応答点数を減らすこと で誤差が低減している.

第4章 入力同定実験

- 57 -

また,受動系固有振動数付近とは別に,90~100[Hz]および300[Hz]以上の範囲でも誤 差比が1以下となっている.この範囲は,受動系固有振動数付近で誤差比が1以下とな る範囲よりも広い.この範囲には,94.38[Hz]と 343.1[Hz]に全体系の固有振動数が存在 している.逆行列法による実構造物の入力同定では,全体系の固有振動数でも応答点の 除外により誤差が低減することが分かった.

なお,全体系の固有振動数は,図 4.15に示す応答点 1~10における実稼働加速度の パワースペクトルの和がピークを示す周波数を読み取り得たものである.図 4.15 より 得た全体系の固有振動数を表4.6に示す.

全体系の固有振動数において,シミュレーションでは誤差が低減しなかったが実験で は誤差が低減した理由は,実稼働加速度に混入する誤差の大きさの違いであると考えら れる.シミュレーションでは FRF 推定用の加振力,加速度,実稼働加速度は真値と誤 差の比が同一となっている.一方実験においては,全体系で加振する実稼働加振時には FRF推定の加振時と比較して加振位置と応答点が離れている,また振動伝達経路にゴム ブッシュが存在する,という点から,実稼働加速度に混入する計測誤差が FRF 推定用 の計測データよりも大きいと考えられる.そのため,実験では全体系の固有振動数で応 答点の除外により誤差が低減したと考えられる.

次に動質量法の結果を述べる.図 4.13 より,逆行列法と同様に受動系固有振動数付 近では概ね同定誤差が増大していることが分かる.また応答点数8点と10点について

は特に150[Hz]以上の範囲で,受動系固有振動数でない周波数でも誤差が増大する周波

数が存在している.また同定誤差の比は,逆行列法では受動系固有振動数で値が低下す る,というような明らかな傾向が見られたが,図 4.14 に示す動質量法では値が低下す る範囲に関して明らかな傾向は見られない.例えば 1 次固有振動数(55.00[Hz])は 1 以下となり,5次固有振動数(173.6[Hz])以上の受動系固有振動数では1に近い値を取 る.また固有振動数以外の周波数では比の値は1以下になっている.動質量法では誤差 比の値が低下する範囲に関して明らかな傾向は見られないが,周波数ごとに適切な応答 点配置とすれば計測した全応答点を用いるよりも誤差が低減することが確認できた.

第4章 入力同定実験

- 58 -

50 100 150 200 250 300 350 400

10

-4

10

-2

10

0

10

2

Frequency[Hz]

R el .E rr or [- ]

10res

8res(Error min) 4res(Error min)

図4.11 同定誤差

(応答点数10点・8点誤差最小パターン・4点誤差最小パターン,逆行列法)

50 100 150 200 250 300 350 400

0 0.5 1 1.5 2

Frequency[Hz]

E rr or m in / 10 re spons e s [- ]

(a) 25~400[Hz]

50 55 60

0 0.5 1 1.5 2

Frequency[Hz]

Error min / 10 responses [-]

110 115

0 0.5 1 1.5 2

Frequency[Hz]

315 320

0 0.5 1 1.5 2

Frequency[Hz]

(b) 50.00~60.00[Hz] (c) 107.7~117.7[Hz] (d) 314.5~324.5[Hz]

図4.12 同定誤差の比

(応答点数8点誤差最小パターン・4点誤差最小パターン,逆行列法)

(図中の 線は1, 3, 9次の受動系固有振動数を示す)

8res (Error min) 4res (Error min)

第4章 入力同定実験

- 59 -

50 100 150 200 250 300 350 400

10

-4

10

-2

10

0

10

2

Frequency[Hz]

R e l. E rr or [- ]

10res

8res(Error min) 4res(Error min)

図4.13 同定誤差

(応答点数10点・8点誤差最小パターン・4点誤差最小パターン,動質量法)

50 100 150 200 250 300 350 400

0 0.5 1 1.5 2

Frequency[Hz]

E rr or m in / 10 re spons e s [- ]

(a) 25~400[Hz]

50 55 60

0 0.5 1 1.5 2

Frequency[Hz]

Error min / 10 responses [-]

110 115

0 0.5 1 1.5 2

Frequency[Hz]

315 320

0 0.5 1 1.5 2

Frequency[Hz]

(b) 50.00~60.00[Hz] (c) 107.7~117.7[Hz] (d) 314.5~324.5[Hz]

図4.14 同定誤差の比

(応答点数8点誤差最小パターン・4点誤差最小パターン,動質量法)

(図中の 線は1, 3, 9次の受動系固有振動数を示す)

第4章 入力同定実験

- 60 -

50 100 150 200 250 300 350 400

102 103 104 105 106

Frequency[Hz]

Sum of Acceleration[(m/s2 )2 ]

図4.15 実稼働応答のパワースペクトル(各応答点の和)

表4.6 全体系の固有振動数

Order 1st 2nd 3rd 4th

Natural frequency[Hz] 34.50 50.13 94.38 343.1

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 63-67)