試料名 整理番号 樹種名 出土地点 (地区,遺構,層位,P. №) 時代
倒木1 W09020601 アカガシ亜属 D区 (南側) Ⅴ層 倒木1 弥生時代前期
倒木2 W09020602 ヤナギ属 D区 (南側) Ⅴ層 倒木2 弥生時代前期
SB1004 P9 W09020603 カヤ A区 (東側) SB1004 P9 古代 SB1004 P3 W09020604 スギ A区 (東側) SB1004 P3 古代 SB1031 P6 W09020605 マツ属 (複維管束亜属) A区 (東側) SB1031 P6 古代
SB1031P6
SB1004P3
SB1004P9
カヤ (横)
ヤナギ属 (横)
カヤ (接線)
ヤナギ属 (接線)
カヤ (放射)
ヤナギ属 (放射)
ニヨウマツ類 (横)
ニヨウマツ類 (接線) ニヨウマツ類 (放射) スギ (横) スギ (接線)
スギ (放射) アカガシ亜属 (横) アカガシ亜属 (接線) アカガシ亜属 (放射)
ニヨウマツ類:
マツ属 (複維管束亜属)
横:横断面
接線:接線断面
放射:放射断面
参考文献
島地謙・佐伯浩・原田浩・塩倉高義・石田茂雄・重松頼生・須藤彰司 1985『木材の構造』文永堂 276 頁
渡邉正巳 2000「長原遺跡東北地区東調査地出土木質遺物の樹種鑑定」『長原遺跡東部地区発掘調査報告Ⅲ − 1997
年度大阪市長吉東部地区土地区画整理事業施行に伴う発掘調査報告書 − 』財団法人大阪市文化財協会 247 〜
249 頁
第8節 矢野遺跡B区 (東側) 発掘調査における土坑埋土の寄生虫卵分析
渡邉正巳 (文化財調査コンサルタント株式会社)
1.はじめに
矢野遺跡は島根県東部の出雲市矢野町地内に位置する。本報告は,B区 (東側) 発掘調査に伴い検 出された土坑 (SE2081,SE2022) の用途を推定するために実施した,寄生虫卵分析について述べたも のである。
2.分析試料について
第1図の調査区平面図所に土坑 (SE2081,SE2022) の位置を示す。また,第2・3図の各土坑の断 面図中に,分析試料の採取位置を示す。いずれの土坑も四角の木枠と底板が認められる同規模の土坑 であり,同じ用途であったと推定される。
3.分析方法
金原 (2003) に従い分析処理を行いプレパラートを作成した。作成したプレパラートを光学顕微鏡 下 400 〜 1000 倍で観察し,検出される寄生虫卵を同定・計数する。
4.分析結果
分析結果を第4図のダイアグラム,第1表の組成表に示す。SE2081 の試料№2,№3から鞭虫卵
(第5図) が1個体ずつ検出できた。また,SE2022 からは寄生虫卵が検出できなかったために,ダイ アグラムに示すことができなかった。第4図のダイアグラムでは,検出個体数を1cm
3中の個体数 (密 度) に換算して,スペクトルで示している。
5.寄生虫卵分析から推定できる SE2081,SE2022 の用途
両遺構に関しては,井戸あるいは便槽の可能性が推定されていた。当時 (SE2081 が奈良時代,
SE2022 が古墳時代終末期の遺構と推定) の衛生状態から,便槽であれば寄生虫卵が多量に検出されると 考え,寄生虫卵分析を行った。
第1表に示したように,SE2022 からは寄生虫卵が全く検出されず,SE2081 からわずかに鞭虫卵が 検出された (鞭虫は人間を固有宿主とし,糞便中に排出された虫卵 (幼虫包蔵卵) が野菜などとともに経口感染 する。鞭虫が1日に産出する虫卵は数千個体である) 。
鞭虫卵の検出できなかった SE2022 に対しては,便槽であった可能性は極めて低い。また,鞭虫の 検出できた SE2081 についても,検出密度が余りにも低いことから便槽であった可能性は低い。
参考文献
金原正明 2003「遺跡の土壌分析」『環境考古学マニュアル』同成社 77 〜 84 頁
ドキュメント内
<88E290D55F3495AA8DFB2E696E6464>
(ページ 53-57)