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立体構造の解析

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RATTUS    N◎RVEG:CUS

第五節  立体構造の解析

液(pH 7.0)に透析しておいたアルブミン1.8μMを1mmセルで測定した。一方 near−UV領域(250.300nm)の測定では、上記と同様に透析しておいたアルブミン 18μMを1cmセルで測定した。

 これらの結果から平均残基楕円率(MRE)を下に示した式より算出した。

   MRE=⑤obs / 10 × c × NA × 1

       (D obs:観察された楕円率[mdeg]

       c:タンパク質濃度 【mol・1−i]

       NA:アミノ酸残基数(ラット血清アルブミンは584)

       1:セルの長さ 【cm]

タンパク質のヘリックス含量はChenの公式を用いて算出した。

   ヘリックス含量 【%]= (MRE222−2340)/ 30300

Trp及びANS蛍光スペクトル測定

 Muzammi1ら(101)の方法を参考に行った。アルブミンは50mMリン酸ナトリウ ムbuffer(pH 7.0)に透析後、最終濃度1.8μMになるように調製した。 ANSの蛍 光を測定するときはANSの最終濃度が125μMになるように加えた。これらの試 験管を室温で30分インキュベートした。Trpの蛍光はEx280nm Em340nm(スペ クトルはEm300〜400nm)、ANSの蛍光はEx380nm Em470nm(スペクトルはEm400

〜600nm)の条件で測定した。

アクリルアミド消光

 Muzammi1ら(103)の方法を参考に行った。18μMの各アルブミン(N1・D2・

D3)ストック溶液、18μMNArAストック溶液、5Mのアクリルアミドストック 溶液を50mMリン酸ナトリウムbuffer(pH 7.0)で調製した。これらのストック 溶液を混合し、希望するアクルリルアミド濃度の1.8μMアルブミンあるいは1.8

μMNArA溶液を調製した。各サンプルのTrp蛍光を測定するために295nmで励 起した。またOMアクリルアミド溶液の各サンプルを300−400nmにおける蛍光ス ペクトルを記録した。そのスペクトルから極大蛍光波長(λMAX)を求め、その 極大蛍光波長における蛍光変化を3回測定した。またこれらの値をStern−Volmer

の関係式(34)

   Fo/F = 1 + Ksv[Q]

       Fo:アクリルアミド非存在下における蛍光強度        F:アクリルアミド存在下における蛍光強度        Ksv:Stren−Vblmer定数

       [Q]:アクリルアミドの濃度

で表した。

尿素誘導変性

 尿素誘導変性はTayyabら(157)の方法に従った。18μMの各アルブミンストッ ク溶液、10Mの尿素溶液を50mMリン酸ナトリウムbuffer(pH7.0)で調製した。

これらのストック溶液を混合し、希望する尿素濃度の1.8μMアルブミン溶液を 調製した。これらの試料を励起波長280nm蛍光波長340nmで3回測定した。

プロテアーゼ感受性分析

 トリプシン消化はSchneebergerら(134)、 Lottspeichら(83)の方法を一部変更して

行った。まず各アルブミン(N1, D2,D3)を50mMリン酸ナトリウム(pH 7.8)

に透析した。これらのアルブミン(1mg/m1)をTpCK treated trypsin(0.01mg/ml)

で37℃で消化した。0,5,15,30,60,100分後に酵素反応を止める為、trypsin inhibitor

(3.4mg/ml)を加え、更に変性剤(3%SDS、1.2%2.メルカプトエタノール)を 加え、10分間煮沸処理した。各試料10μgをゲル濃度12%のSDS.pAGEにかけ た。泳動後のゲルはSYPRO Orangeで染色し、オリジナルバンドを蛍光的にボリ

ューム解析した。

結果

 図2−13(a)はpH 7.0における3種類のアルブミンのfar−UV領域におけるCD スペクトルを示している。222nmにおけるMRE値はN1アルブミンが一26.15、 D2

アルブミンが一12.88、D3アルブミンが一1.26、 M.Albが一13.11であった。 Chenによ る二次構造予測を使うとαヘリックス含量は74.38%、32.71%、,3.77%、32.44%

とそれぞれ求まった。αヘリックスはN1アルブミンに比べてD2アルブミンと M−Albは半分であり、 D3アルブミンは全く認められなかった。 N1アルブミンの スペクトルはαヘリックス構造に特徴的な2っの極小値208、222㎜を持ってい ることが観察された。

 N1, D2, D3の各種アルブミンの三次構造における違いは、 near−UV領域におけ

るCD測定で調べた。図2−13(b)は250−300nmの波長において記録した各アル ブミンのnear−UV領域CDスペクトルを示している。N1アルブミンのスペクトル から芳香族発色団やジスルフィド結合に特徴的な277、285nm付近の2つの極大 値、及び262、268nmの2つの極大値が観察された。 D2、 D3アルブミン、 M−Alb

はN1に比べて正に増加していた。

 D2, D3アルブミンの構造情報を更に得る為、これらタンパク質のTrpとANS 蛍光及びアクリルアミド消光を測定した。表2−1はN1、 D2、 D3アルブミンの 蛍光パラメーターのまとめである。Trp蛍光強度はN1アルブミンと比較してD2 アルブミンは1.6倍、D3アルブミンは6.4倍に増加した。 ANS蛍光強度はN1ア

ルブミンと比較してD2アルブミンは1.6倍、D3アルブミンは0.3倍に増加した。

消光スポットの最小二乗法の傾きにあたるKsvはTrpの異性体NArAが19.0で あった。D2アルブミンはN1アルブミンと近似していたが、 D3アルブミンはN1 アルブミンよりも約1.4倍であった。尚NATA、 N1、 D2、 D3アルブミン全てにお いて、Trp蛍光強度とアクリルアミド濃度の相関係数が0.95以上であった。

 図2−14は3種類(N1、 D2、 D3)アルブミンのTrp蛍光における尿素処理 の影響を示している。N1とD2アルブミンのunfoldingカーブは4Mの尿素付近 で急激に減少し、9Mまで少し上昇している。しかしながらD3アルブミンは尿 素処理で影響はなかった。

  N1, D2, D3アルブミンのプロテアーゼ感受性はトリプシンによる消化で評価 した。図2−15よりN1アルブミンがほとんど、もしくは全く消化されていな い様子が観察できた。それに対しD2、 D3アルブミンは明らかに感受性の高いこ とが観察された(消化反応100分後に50%、20%以上を消化)。またN1,D2アル ブミンが67kDaである(図2−15(a、 b))のに対し、 D3アルブミンは75kDa であった(図2−15(c))。

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