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アルブミンの腎クリアランス

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271±6.01 1.43士0.79

第三節  アルブミンの腎クリアランス

試薬と実験方法

試薬

 tetramethylrhodamine−isothiocyanate(TRITC)はMolecular Probes社より購入した。

その他の試薬は本論文で関連する各章において述べられている。

TRITC標識アルブミンの腎クリアランス

 TRITC標識アルブミンの腎クリアランスはBurneら(18)の方法に従って測定し た。まず3種類(native・D2・D3)のアルブミンをFITCと同様にTRITCで標識

した(第三章参照)。TRITC標識各アルブミン(5 mg/ml)は、それぞれ麻酔状態に したラットの大腿静脈より0.2ml投与した。投与から12時間尿を回収し、採血 を行った。尿中及び血漿中のタンパク質をSDS−PAGEで分離後、モノマーバンド の蛍光強度をFluorlmager595を用いて定量した。これら測定値をもとに、以下の

式からクリアランスを算出した(131)。

Fractinal Clerance=

(尿中アルブミン濃度/血中アルブミン濃度)×(尿の流速/糸球体濾過量)

結果

 腎臓がnativeアルブミンより生理的変性アルブミンを排出しやすい仮説を更に 検証する為、TRITC標識したnative・D2・D3アルブミンを投与し、クリアラン スを測定した。TRITC標識D2・D3アルブミンはTRITC標識nativeアルブミンに 比べて、それぞれ4.0倍・7.1倍クリアランスが有意に高かった。このことから腎 臓によって血中のD2・D3アルブミンが尿中へ速やかに排出されることが示され た(図5−4)。

(A)SDS−PAGE

TRITC−Albumin

図5−4 TRITC標識アルブミンの

     腎クリアランス

Urine

Plasma

natlve D2 D3

 ラット大腿静脈にTRITC標識

Native・D2・D3アルブミン(各1mg)

を投与し、半日分の尿を回収後、採血 した。尿中及び血中のタンパク質を SDS−PA.GEで分離後、Fluorlmager 595

によって蛍光画像を取得した(パネル A)。泳動画像におけるアルブミンバ ンドの蛍光強度を測定後、尿の流量及 び糸球体濾過量の測定値から腎クリ アランスを算出した(パネルB)。

**@p<0.Ol and *** p<0.001 vs. native albumin.(nニ3〜4)

(B)Clearance

  0。05

8

震 o.04

2

り  0.03

.i∋ 0.02

k  O.Ol 0

native

1)2 D3

考察

 本節では前節における仮説③「変性アルブミンはnativeアルブミンより排出さ れやすい」について調べた。蛍光標識した3種類のアルブミン(native・D2・D3)

をそれぞれ正常なラット血液中に投与したところ、変性アルブミンD2・D3が nativeアルブミンに比べて尿中に速やかに排出された(図5−4)。この結果は内 毒素中毒という疾病モデルに限らず、正常時においても変性アルブミンの腎臓に よる積極的な排出機構が存在する直接的な証拠である。

 血中と尿中における修飾アルブミンを比較した研究は、糖化アルブミンが積極

的に排出される報告がいくつかある(44,55,77)。またpH処理(24)、中性化(86)、

放射能照射(171)したアルブミンも排出されやすい。仮説②で検証はしなかったも のの、腎臓の尿細管においてnativeアルブミンは再吸収される(7,46)。これらの 報告は、変性アルブミンD2・D3の尿中への優先的排出機構の存在をサポートす

る。

 本章では尿中における生理的変性アルブミンの存在を初めて発見し、腎臓によ る変性アルブミンの優先的排出機構を明らかにした。この機構は内毒素中毒など の酸化ストレスによって生じた変性アルブミンを血液中から素早く消失する上で 関与すると考えられる。

第六章

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