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福祉教育を考える会

ドキュメント内 untitled (ページ 64-68)

学生政策提案フォーラム in さいたま  政策提案概要書 

発表テーマ  義務教育における精神保健福祉教育の必要性

大学名  聖学院大学 学部・学科名

(団体名)

福祉教育について考える会〜

こころの輪〜(通称:ここ輪) (人間福祉学部人間福祉学科) 代表者名  升  美瑶子 指導教員名 相川  章子

<概要>   

①現状分析・着眼点

私たちは大学で精神保健福祉について学ぶなかで精神障がい者に対する差別や偏見 の現状を知った。また小中高の教育のなかで精神保健福祉について学ぶ機会がなかっ たことに気づき、このことが精神障がい者の暮らしにくさと、私たちをも安心して暮 らすことのできない社会を構築しているのではないかと考えた。現状を変え、地域を 変えていくためには、精神保健福祉教育を義務教育に導入する必要性を強く感じた。

さいたま市在住もしくは通勤している精神障がい者の声としては『病気といっただ けで就職の面接を受けてもらえなかった』『保育園、学校の職員への精神障がいの勉強、

理解の場をもうけてほしい』など多数の声があげられた。(ノーマライゼーション条例 検討専門委員会における『障害者差別と思われる事例』参照)また、地域住民の多く は『精神障がい者は怖い』『何をするか分からない』などという誤った理解をしている 現状にある。教員免許状更新講習会にて精神保健福祉教育についての講習を受講した 教員からは『精神障がい者への認識が変わった』『学校で行うべき』『大人の私たちで も知らないことがたくさんあって勉強になった』などの声が挙げられた。

一方、地域の教育機関の福祉教育にかかわるさいたま市社会福祉協議会へインタビ ューを行った結果、精神保健福祉に関する福祉教育は一部で行われているのみで、依 頼の多くは身体障がいや高齢者に関する内容であることが分かった。

②政策提案の論理性

精神保健福祉に関する認識が不足していることが明らかであり、精神保健福祉教育 を行うことで理解が広がることも実践から明らかとなった。しかしながらその実践は 少なく、このことが精神障がい者が地域のなかであたり前に暮らすことを妨げている と考えられる。精神保健福祉はすべての人に必要な知識であり、そのためには義務教 育のなかで取り上げていくことが必要である。

③将来の都市像との関連性(独創性、実効性等を含む。)

  精神障がいへの正しい理解が普及することで、精神障がいのある当事者が暮らしや すくなることと同時に、誰もが抱える可能性がある障がいという特性を理解すること で、市民一人ひとりにとって住みやすい地域社会になると考える。

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私たちの政策提案

小・中学校という誰もが受ける義務教育 のカリキュラムに精神保健福祉教育を

位置づけることを提案します

聖学院大学人間福祉学部人間福祉学科 ここ輪(福祉教育について考える会〜こころの輪〜)

美瑶子 発表者 長谷川 瑞紀 教員名 相川 章子

テーマ

義務教育における精神保健福祉教育の必要性

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政策提案への動機

  私たちは大学で精神障がいおよび精神保健について学ぶなか で、私達がもっていた精神障がい者に対するイメージや認識 が誤っていることに気づかされた。

  精神障がい者が地域で生活する上で、就職が決まらない、近 所の目を気にして家に引きこもるなどは、私たちの無理解か ら生じていることを知った。

  また精神疾患の発症の多くが10〜20代の学齢期でありながら も、誤ったイメージから本人や家族も精神科を敬遠し、対応 が遅れてしまう現状。

  なぜこのような誤解が生まれたのかについて考えたときに、

私達自身も大学で学ぶまで精神保健や精神障がいについて学 ぶ機会がなかったからではないかと思った。

  小・中学校で精神保健福祉教育を行うことが重要ではないか と考え、「ここ輪(福祉教育について考える会〜こころの輪

〜」を発足。

3

糖尿病や高血圧と同じ誰でもかかる可能性がある。

5人に1人は生涯を通じて精神疾患にかかるといわれ ている。

発症年齢は10代が約3割、20〜30代が約4割で、

学齢期の発症が多い。

原因はほとんど解明されていないが、主にストレスや 環境の要因は大きいとされている。

本人・家族・周囲の知識がないために手遅れになり重 症化するまで対応できずにいるケースが多い。

眠れない、落ち込む、食欲がないなどはじめは誰もが 日ごろ経験しているような症状⇒手遅れの原因に

今年、厚生労働省は従来の4大疾患に精神疾患を加え て5大疾患とし、今後重点的に対応していくとした。

精神疾患・精神障がいについて

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精神保健福祉教育とは

疾病と障害を合わせ持っている点が精神障害者の特徴  保健教育・福祉教育の両者で取り扱われるべき領域。

保健教育:違いを見つけて、早期発見、早期治療へ カリキュラムに位置づけられている

精神保健についてはほとんど取り上げられていない

福祉教育:互いの違いを認め合い、「共に生きる」力を育み、

社会づくり行うもの。

現在は「総合的な学習の時間」(以下「総合」)を利用して、福祉教 育を行っているが、未だカリキュラムとして確立されておらず教師の 裁量に委ねられている状況。

精神保健領域に関する福祉教育はほとんど取り精神保健領域に関する福祉教育はほとんど取り 上げられていない

上げられていない

私たち自身の小中学校を振り返っても共通にいえる。

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差別・偏見の現状 1

〜一般市民が考える精神障がい者〜

1. 怖いと感じる。

2. 何をするか分からない。

3. 周りの空気が理解できない。

4. 変な人だと思う。

5. 外に出ない人(引きこもりなど)。

6. 学校や会社もまともに行けない人。

7. 近くにいたらビックリする。

(2011年の高校生対象のサマースクール事前アンケートより)

6

差別・偏見の現状2

〜当事者自身が感じる差別・偏見〜

1. 精神科に通院していると話すだけで就職の面接を 断られたため障がいを打ち明けずに働いている。

2. 病院で医師や看護師から差別を受けた。

3. 一般就労のチャンスがとても少ない。

4. 精神科以外の医師は薬の飲み合わせの知識がない。

5. 精神障がいがあるということを打ち明けて面接に 望んだが80社受けても採用してくれなかった。

6. 仕事をしていないことや病気のことなどを知られ るのではないかと近所の目が気になり、10年以上 自宅に引きこもっていた。

(ノーマライゼーション条例検討専門委員会における『障害者差別だ と思われる事例』および教員免許状更新講習会当事者講演資料参

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福祉教育の現状

〜全国およびさいたま市の状況〜

<全国>

 福祉教育が教師の裁量で行われていてカリキュラムに は位置づけられていない。

<さいたま市>(さいたま社協担当者聞き取りより)

・さいたま市内の教育現場では、精神障害に関する福祉 教育はほとんど行われていない。

・高齢者および他障害に関して実施している。

<教員の声>(教員免許状更新講習会参加者の声より)

・精神保健福祉教育は学校教育に位置づけるべき

・(講習に参加して)知らないことがたくさんあり、精

神障害者への認識が変わった。 8

専門家への相談 精神科への抵抗 相談しにくい

手遅れになる 専門家への相談 精神科への抵抗 相談しにくい

手遅れになる 怖い・何するかわから

ない人というイメージ

差別・偏見 怖い・何するかわから

ない人というイメージ

差別・偏見

重篤化するまで 放置してしまう

重篤化した方が社会に

重篤化するまで 放置してしまう

重篤化した方が社会に

気分が落ち込む ストレスが大きい等

心のバランスを 崩したとき 気分が落ち込む ストレスが大きい等

心のバランスを 崩したとき

マスコミの マスコミの 一部の情報 一部の情報

(精神科受診歴

(精神科受診歴 精神鑑定 精神鑑定……) 精神科に通院している、

精神障害者へのスティグマ

生活のしずらさ

(近所の目、就職ができないなど)

かかわる 機会が

ない

かかわる 機会が

ないない

精神保健福祉

悪循環

に関する 正しい情報が

ない

精神保健福祉 に関する 正しい情報が

ないない

隔離収容 入院中心医療

の歴史

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早期に回復 早期に回復

気分が落ち込む ストレスが大きい等

心のバランスを 崩したとき 気分が落ち込む ストレスが大きい等

心のバランスを 崩したとき 怖い病気では

ないという認識 怖い病気では ないという認識

専門家

(医療機関、

専門相談機関)

にすぐ相談 専門家

(医療機関、

専門相談機関)

にすぐ相談 マスコミの 一部の情報

(精神科受診歴 精神鑑定…)

地域住民の一人として 堂々と暮らす 地域住民の一人として

堂々と暮らす

精神保健 精神保健 福祉教育福祉教育

精神保健 精神障害 に対する 正しい情報 正しい知識 精神保健精神保健 精神障害精神障害 に対するに対する 正しい情報 正しい情報 正しい知識 正しい知識 かかわる 機会が増える

かかわる かかわる 機会が増える 機会が増える

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政策提案の論理性

誰もがなりうる病・障がいであるにもかかわらず、

情報提供の場が少なく、正しい理解が不足している現状。

情報が不足していることにより…

スティグマが生じる 差別・偏見が生じる  家族の理解がなく本人も家族も辛くなる  早期発見・早期治療にたどり着けない 受診が遅くなる

 重篤化するまで放っておく スティグマへつながる 小・中学校の義務教育は誰もが受ける教育であり、

早い段階で正しい理解の普及を行える。

義務教育で精神保健福祉教育を組み込む理由は2点 1. 誰にでも起こりうる病気への対応(予防も含む)

2. 障がいのある人と共に暮らす社会づくり

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精神保健福祉教育のプログラム

精神保健福祉教育がなされていないので、そのプログラ ム開発および研究もほとんどなされていない。

一部、清瀬市では学校メンタルヘルスリテラシー教育の 導入、大阪で当事者の語りの導入、武蔵野市で「心の 色」プログラムなどが行われている。

「ここ輪」は4年間の活動のなかで、高校生、教員、一 般市民を対象としたプログラムを実施。

すべてのプログラムに精神障がいのある当事者の体験談

(リカバリーストーリー)を位置づけ、「当事者主体」

「当事者と共に」を大切にしている。

プログラム参加者からは、体験談を共有し、精神障がい のある当事者との交流を通して、精神障がい者へのイ

メージが変化したとの声が挙げられている。 12

将来の都市像との関連性 障がいがあってもなくても、

すべての人にとって 住みやすい社会を目指す!

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ノーマライゼーション条例の目的と合致

精神障がいに対する考えは簡単に変わるものではない。

私たちの考える都市像は、10年・20年・30年、

精神保健福祉教育を継続してはじめて実るものである。

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