(J-STOP)
一般演題 7 禁煙調査・疫学
南 理志、水田 裕久
洲本市における妊婦の喫煙問題の現状と対策(第 12 報)
山 岡 雅 顕
【目的】妊婦の喫煙率や受動喫煙状況を調査分析し毎年報告している第 12 報である。
【対象と方法】洲本市に妊娠届を提出した全ての妊婦に対し、自己記入式で調査を実施している。今回の 分析対象数は 2001 年 4 月から 2020 年 7 月までの 6,546 名。
【結果】2020 年 ( 但し 1 〜 7 月 ) の妊娠初期 ( 最終月経時 ) 喫煙率は 9.4%と過去最低となったが、妊娠届 出時喫煙率は 3.1%とここ数年は下げ止まり傾向である。スモークフリーファミリー率(同居家族に喫 煙者がいない割合)は 2001 年の 25.7% から増加し、2012 年頃から 50% 台で停滞していたが、2020 年は 66.7% と過去最高になった。家庭での受動喫煙対策については、同居喫煙者がどこでも吸っている割合が 2001 年の 31.4% から減少し、今年は 9.5% となっている一方、外だけで吸う割合が 17.0% から増えて 2015 年以降は 30 〜 40% 程度で経過している。また、換気扇や空気清浄機を使っている家庭もまだ一定数あり 更なる啓発が必要である。妊婦喫煙のリスクについての有知識率はほとんどの項目で増加しているが、「低 体重児」「SIDS」はあまり変わりがない。加熱式タバコの有害性については 2 割が知らないと答えた。同 居喫煙者の 45%が加熱式タバコを使用しており最近 3 年では急増している様子はないが今後注視が必要 である。
洲本市応急診療所・洲本市健康福祉部
O7-04
喫煙歴から見た死亡年齢と糖尿病の関与からの療養指導対策 田 村 文 香
【背景と目的】2016 年の厚生労働省の国民生活基礎調査による都道府県別喫煙率データよると、喫煙習慣 を有する男性割合は、全国 31.1%に比べて、当院がある岩手県は 36.5%と高く、喫煙者への禁煙指導の強 化する必要がある。糖尿病かつ喫煙者では脳伷塞や心筋伷塞・糖尿病腎症などの合併症のリスクが高くな り、結果、総死亡の相対リスクが高くなります。そこで、初診時の喫煙状況について死亡時の年齢、糖尿 病の罹患について検討し、療養指導対策を検討した。
【方法】当院開設時 2004 年 11 月から 2019 年 11 月の期間で新聞等により死亡が確認された 744 名 ( 男性 455 名、女性 289 名 ) のうち男性 455 名について、初診時喫煙歴の有無が判明した 327 名 (76.9 ± 12.0 歳 )。
死亡患者非喫煙群 (non-s 群 )、及び喫煙群 (s 群 )、過去喫歴がある群 (ex-s 群 ) の 3 群に分け、死亡時年齢 と糖尿病 (DM) 罹患の有無について分析した。
【結果】女性は喫煙群、過去喫煙群が非常に少ないため以下男性について統計解析を行った。男性喫煙率 は 39%、ex-s 群 30% を合わせると 69% であった。S 群 (129 名 ,72.4 ± 13.2) の死亡年齢は、ex-S 群 (106 名,
80.3±̲9.4 歳 )、non-S 群 (103 名,79.2 ± 10.8 歳 )(p<0.01) 歳と比較し有意に低かった (p<0.01)。DM は 73 名 22%、各 3 群の DM 罹患数の有無には差がなかった。各群の死亡年齢と DM の有無には差が無かった。
DM(-) の S 群 (100 名,73.2 ± 13.3 歳 ) の死亡年齢は、ex-S 群 (86 名,80.3 ± 9.4 歳 )、non-S 群 (79 名,79.9 ±
̲10.7 歳 ) より低い (p<0.01)。DM(+) の S 群 (29 名,69.6 ± 12.4 歳 ) の死亡年齢は、ex-S 群 (20 名,79.9 ± 7.9 歳 ) (p<0.01)、non-S 群 (24 名,76.8 ± 11.3 歳 ) より低い (p<0.05)。
【考察】男性喫煙率は、39%、過去喫煙群を合わせると 70% であった。喫煙者の死亡年齢は、過去喫煙者 や非喫煙者より低く、早期に禁煙することで死亡リスクを減らす効果があることが推察された。DM 罹患 者は、喫煙経験に関わらず、DM 無い人と比べ死亡年齢に低い傾向がみられたが、DM 罹患喫煙者の死亡 年齢が最も低い傾向がみられ、一層の禁煙指導が重要である。
坂の上野田村太志クリニック
高橋久美子、 小野寺さくら、 高橋まゆみ、 菅原 和枝、齋藤 春奈、 千葉 燈、
高吉 絢子、 阿部加代子、 日比野智香子、 高橋 留美、小原 美里、 田村 太志
一般演題 7 禁煙調査・疫学
呼気の一酸化炭素濃度測定における乳糖の影響 三 好 希 帆
【目的】呼気の一酸化炭素(CO)濃度測定は禁煙外来等で喫煙の客観的指標として用いられている。現在、
数社から市販されている呼気一酸化炭素濃度の測定器 ( 以下、測定器 ) はいずれも水素にも反応するため ( 水 素交差性 )、乳糖の含まれる乳製品を摂取した後では非喫煙者でも乳糖分解酵素 ( ラクターゼ ) の活性に応 じて、CO 濃度が異常高値になり誤判定される可能性がある。しかし摂取する乳糖の量及び摂取後の時間 と呼気 CO 濃度測定器の値について測定器別に検討した報告は我々の調べた範囲では見当たらない。そこ で本研究では、乳糖摂取と呼気 CO 濃度の経時的推移について測定器別に検討を行い、測定器による CO 濃度を正しく評価するための条件の参考にすることを目的とする。
【方法】非喫煙成人男女 6 名 (21 歳〜 59 歳 ) を対象に、現在、禁煙外来で使用されている 3 種類 (A、B、C) の呼気 CO 濃度測定器を用いて測定を行った。被験者は測定日前日夜 9 時から絶飲食とし、当日朝 8 時半 に各測定器で呼気 CO 濃度を測定後、400mL の牛乳 ( 乳糖 19.2 g含有 ) を飲用し、その後 30 分毎に約 9 時間後まで呼気 CO 濃度の測定を行った。
【結果】牛乳飲用前の値(前値)の平均は、それぞれ A:2.0 ± 2.0 ppm、B:1.2 ± 1.0 ppm、C:1.2 ± 0.4 ppm であっ た。400mL の牛乳を飲用後、CO 濃度はいずれの測定器においても有意に上昇し、前値と最大値の差は測 定器 A、B、C でそれぞれ 7.8 ± 5.3 ppm(p= 0.027)、6.2 ± 3.7 ppm(p= 0.028)、2.2 ± 0.8 ppm(p= 0.026)
であった。また、測定器による CO 濃度の値の上昇の程度や時間には個人差が見られ、最大値は測定器 A、B、
C でそれぞれ 4~16 ppm、3~11 ppm、2~4 ppm に分布し、最大値を示した時刻は飲用後 2 時間半 ~7 時間 の幅がみられた。
【考察】非喫煙者であっても 400mL の牛乳の摂取により 3 種類の測定器の値がいずれも上昇した。機種に より呼気 CO 濃度への影響に違いがみられ、また値の変化には個人差があることが明らかとなった。禁煙 外来等で CO 濃度の測定値を評価する際には、測定前の乳糖摂取の有無や摂取後の時間、及び測定器の機 種による違いを考慮する必要があると考えられた。今後はガスクロマトグラフィーを用いて呼気 CO 濃度 及び水素濃度を測定し、個人によって測定器の値の上昇の程度や時間が異なる原因について検討する予定 である。
京都女子大学 家政学部 食物栄養学科
栗岡 成人 ³、川添 禎浩 ¹、木村 佑来 ¹、藤田ももこ ¹、中村 亜紀 ²、宮脇 尚志1,3
¹ 京都女子大学 家政学部 食物栄養学科、² 京都女子大学 発達教育学部 教育学科 養護・
福祉教育学専攻、³NPO 法人 京都禁煙推進研究会(タバコフリー京都)
O7-06
A市における路上喫煙状況の推移 鈴 木 史 明
【目的】日本たばこ産業による喫煙者率調査では、成人の喫煙者率は減少傾向にある。喫煙者率の減少に より、能動喫煙および受動喫煙は減少していると考えられ、喫煙者に出会う頻度も減少傾向にあると推測 される。そこで、A 市においても同傾向がみられるかを、A 市路上で通行人や自動車運転者を対象に、喫 煙状況を長期間調査し検討した。
【方法】調査期間は、2008 年 1 月 1 日〜 2018 年 12 月 31 日の 11 年間、調査場所は A 市内の演者宅から勤 務先までの路上である。対象は、通勤時に演者が出会った通行人と自動車の運転者とし、両者の数と喫煙 の有無を調査した。通行人は男女別で成人と子どもに分け、運転者は男女別で集計した。調査結果から、
喫煙者に出会った割合[(喫煙者数/対象者数)× 100(%)]を求めた。
【結果】調査日数は、1,729 日(129 日〜 220 日 / 年)である。通行人は延べ 214,399 人で、大人 165,392 人、
子ども 49,007 人であった。運転者は延べ 216,933 人であった。通行人の喫煙者に出会った割合は、成人男 性で 2008 年に 0.73%であり 2018 年に 3.60%、成人女性で 2008 年に 0.11%であり 2018 年に 1.03%であっ た。同乗者のいない自動車を運転中の喫煙者は 2008 年から 2018 年にかけて、男性では 2.12 から 4.60%に、
女性では 0.71 から 2.61%に増加した。同乗者のいる自動車内での男性喫煙者に出会った割合は、2008 年 から 2012 年に 1.45 から 2.43%と増加したが以後は減少傾向がみられた。同乗者のいる自動車内での女性 喫煙者に出会った割合は、2008 年から 2014 年に 0.21%から 1.2%と増加したが、その後は減少傾向がみら れた。子どもの通行人の喫煙者に出会った割合は、男では 2008 年の 0.68%が 2018 年には 0.15%、女では 2008 年の 0.22%が 2018 年には 0.04%であり、男女とも減少傾向にあった。
【結論】全国的な喫煙者率の減少傾向は、A 市の喫煙者に出会った割合の減少としては反映されていなかっ た。喫煙禁止区域の増加に伴い、喫煙者は喫煙可能区域である路上や車内を喫煙場所として選択している と考えられる。近年、自動車内の受動喫煙が減少傾向にあるのは、受動喫煙の害に関する知識が普及した 成果と考えられた。
医療法人定生会 谷口病院 産婦人科 笠松 隆洋 ²
² 神戸市看護大学