(J-STOP)
一般演題 6 タバコと身体疾患
O6-01
新型コロナウイルス感染症患者の頭痛、喫煙に関して 瀬 田 健 博
【背景】新型コロナウイルス感染症患者は病態などから喫煙が増悪因子となり罹病期間が非喫煙者と比較 すると長期化することが一般的に考えられる。今回、新型コロナウイルス感染症患者の自覚症状、増悪因 子を調査することにより、どの因子が関与しているか理解することができれば今後の対応に役立つと考え 検討を行った。
【目的】2020 年 3 月、嘱託産業医をしている事業所にて送別会がきっかけとなり 6 名の新型コロナウイル ス感染症発症を認め入院、治療後、退院となった後、自宅療養を経て主治医から勤務可の診断をされた後 に体調、体力などを含め就労可否を含めた面談を行った。また今後の就労に関するアドバイスをするため 詳細な問診に関しても施行した。
【結果】新型コロナウイルス感染症に発症して入院後、治療、退院、自宅療養後、就業可否面談を 6 名に 対して施行した。男性 4 名、女性 2 名、平均年齢 32 歳であった。6 名全員、保健所に経過を報告、相談後、
病院を紹介され胸部 CT にて肺炎像を認め、かつ PCR 陽性であったため精査、加療目的にて、入院となった。
自覚症状として味覚、嗅覚異常、4 名、味覚がなくカレーが砂のような感覚が初発症状であった。発熱は 初期には微熱 37.0 度前後、平熱が低い方が多く 37.5 度まで上昇しないことがあり、重症化してから 38 度 以上の発熱をきたすことが多く認められた。他の症状として悪寒、関節痛が 6 名中 5 名に認められた。初 期症状として咳があったのは 6 名中 1 名のみであった。しかし 6 名中、4 名に呼吸苦を認めた。初期症状 から入院まで平均 10 日前後であり急性期を過ぎて入院していた方が多い傾向を認めた。6 名中、1 名はイ ンフルエンザ A 陽性後解熱せず肺炎があり胸部 CT にて肺炎像を認め PCR 陽性となり入院となった。6 名中、頭痛に関しては頭痛薬を服用するような痛みを生じた症例は認めなかった。喫煙者は 6 名中 4 名で あり喫煙者では入院期間が 5 日程度長く、6 名平均 17 日間入院後退院、自宅療養となった。
【結語】喫煙者と非喫煙者との比較では喫煙者において入院期間が長期化する傾向があり復職面談におい ては禁煙に関しての指導を徹底した。今回、6 名中、頭痛に関しては頭痛薬を必要とすることがなく他の 疾患の鑑別に役立つ可能性が考えられた。
AOI 国際病院健康管理センター
喫煙状況の違いによる栄養素摂取量の比較および人間ドック検査数値に及ぼす影響 菊 谷 智 佳
はじめに
喫煙は、様々な疾病の危険因子であり、特定保健指導の該当基準項目の一つにも定められている。喫煙者 の疾病を効率よく予防するには、喫煙と血液検査数値の相関を調べ、喫煙者特有の食品摂取・栄養素摂取 の傾向をもとに食事指導する必要があると考えた。そこで本研究では、人間ドック受診者における食習慣 及び検査数値を評価し、喫煙状況との関連性を明らかにする。
対象
2016 年〜 2019 年に、大阪市立大学医学部付属病院先端医療部附属クリニック MedCity21 で受診した 20 歳以上の男女のうち、血糖・脂質・血圧の薬を服用していない 855 名。
方法
研究デザインは横断研究で、生涯非喫煙者・過去喫煙者・喫煙者の 3 群間比較を行った。評価項目は基 本属性(年齢・性別・身長・体重・BMI・腹囲・喫煙状況)、生化学検査(BP・FBG・AST・ALT・γ -GTP・LDL-C・HDL-C・TG・FB・UA)、食事調査(簡易型自記式食事歴法質問票:BDHQ)。統計的検 討に IBM SPSS Statistics ver.23 を使用し、有意性検定の際の量的変数の解析には Kruskal-Wallis 検 定を行い、p<0.05 を統計的有意とした。なお、本研究の実施においては大阪市立大学研究倫理委員会規 定を遵守した。
結果
生化学検査は ALT・γ-GTP・UA・TG の項目で喫煙者、過去喫煙者、生涯非喫煙者の順に高かった。
AST・FBG では過去喫煙者がもっとも高かった。食事摂取は、酒類及び塩分の多い食品の摂取量が喫煙 者・過去喫煙者で多く、牛乳・果物類・野菜類の摂取量は生涯非喫煙者で多かった。栄養素摂取は、Ca、
βカロテン、αトコフェロール、αカロテン、V.C、食物繊維の摂取量が生涯非喫煙者で多く、ナトリウム、
アルコールの摂取量は喫煙者・過去喫煙者で多かった。
結語
喫煙歴のある者は内分泌代謝の異常を起こしやすく、特に肝機能は高値を示しやすい。食事面では野菜類・
果物類の摂取量が少なく、アルコール・塩分の摂取量が多いことから生活習慣病のリスクが非喫煙者より も高いことが示唆される。
大阪市立大学大学院 生活科学研究科 食・健康科学講座
臼杵 晴華 ³、オウ テンゲツ ¹、百木 和 ²、福本 真也 ⁴、羽生 大記 ¹、安井 洋子 ¹
¹ 大阪市立大学大学院 生活科学研究科 食・健康科学講座、
² 摂南大学農学部 食品栄養学科、³ 大阪市立大学 生活科学部 食品栄養科学科、
⁴ 大阪市立大学大学院医学研究科 先端予防医療学
O6-03
若年者の骨折の治癒過程と喫煙との関連について〜特に回復期リハビリテーション 病棟での若年の骨折患者における入院期間の比較〜
北 原 孝 夫
【はじめに】喫煙と骨折の関連は、手術時の合併症を増加せることはもちろん、創や骨折の治癒過程にお いて悪影響を及ぼすことは以前から研究論文等でも指摘されている。ただそれが若年骨折患者において入 院期間に喫煙の及ぼす影響に関する報告は少ない。当院は入院病床85床すべて回復期リハビリテーショ ン病床(以下、回リハ)の病院で、今回当院回リハに入院した若年(60 歳未満)の骨折患者において喫 煙者と非喫煙者との入院期間の比較を中心に調査したので報告する。
【方法】2015年10月から2020年9月までの5年間に当院を退院した患者で、骨折で入院した 60歳未満の症例についてレトロスペクティブに調査した。対象患者20人のうち、脳卒中や頭部外傷等 にて元々障害が残存していた症例や基礎疾患として神経・筋疾患のある症例に関しては除外し、該当する 12人の患者について分析した。
【結果】すべて男性患者で、喫煙者が6人、非喫煙者が6人であった。12名全体の平均年齢は 43.4 歳で、
それぞれ喫煙者が 38.7 歳、非喫煙者が 48.2 歳となっている。骨折部位は入院となった主なもので分類し、
胸腰椎椎体関連が3名、骨盤が3名、大腿骨が2名、脛骨や腓骨など下腿が3名、橈骨や足などその他が 1名で全例手術療法を実施していた。原因は労働災害(移動中の交通事故も含む)及びそれ以外の交通事 故であった。全体の在院日数は 72.3 日で、喫煙者が 78.8 日、非喫煙者が 65.8 日となった。
【考察】喫煙者の入院期間が非喫煙者に比して 13 日長かった。急性期病院で禁煙できていたかどうかは不 明であるが、当院は禁煙外来も実施しており、当然入院期間中の禁煙については徹底している。在院日数 が回リハの運動器疾患としては長くなっているが、これは骨癒合などの経過よりは職業復帰も含めた社会 復帰の目標が高いことに起因するものと考えられる。もちろん今回の調査では男性患者のみで症例数が少 ないこともあり決定的な判断は難しい。また骨折の種類による差違や画像上の骨癒合の詳細な評価までは できていない。なお喫煙者の中に 18 歳の患者もいて、入院中の禁煙指導はやはり重要である。
【結語】喫煙は若年者の骨折においても回リハの入院期間を延長させる可能性がある。
香川医療生活協同組合 高松協同病院
一般演題 6 タバコと身体疾患
A病院における職員の喫煙実態調査について 黒 河 亜理紗
相次ぐたばこ税増税に伴う紙巻きたばこの価格上昇から、近年紙巻きたばこの販売本数と喫煙者数は減 少傾向にあるが、新型たばこの出現により現在日本における喫煙者数は、およそ 1880 万人を超えると言 われている。以前から医療従事者の喫煙率の高さが指摘されている事から、今回我々は A 病院において 勤務するすべての職員を対象に喫煙の実態調査を行なったので、その結果をここに報告する。
調査期間)2019 年 4 月から同年 5 月 調査方法)無記名記述式質問紙法
調査対象)A 病院に勤務する全職員 341 名
収集方法)対象者に対して無記名によるアンケートを施行し、回収後得られた結果について集計を行った。
結果)341 名に対してアンケートを行ない回答は 304 名であり、回収率は 89.1% だった。回答があった 304 名の内、非喫煙者が 166 名、過去喫煙経験者が 90 名、喫煙者が 48 名だった。非喫煙者においては 20 代の割合が一番多く、電子タバコに対して「有害である」との印象が一番多かった。過去喫煙経験者にお いては、40~50 代の割合が多く、平均喫煙年数は 11.6 年であり、禁煙チャレンジのきっかけは「体調不良」
が一番多く次いで「家族の妊娠」だった。電子タバコに対して「体に悪い」と答えた割合が一番多かった。
喫煙者では 40~30 代の割合が多く、紙巻きたばこの使用が 69.2% と一番多く、アイコス、グロー、プルー ムテックの順だった。電子タバコに対して「体に良い」と答えた割合が一番多く、喫煙のきっかけは「な んとなく」が 52.5% と半数以上だった。
考察)非喫煙者では比較的若い世代の割合が多く、過去喫煙経験者では年齢層が高めであった。現在若者 への早期防煙教育が広まりを見せ、未成年者の喫煙率は低下傾向である。また、IC カード式成人識別タ バコ自動販売機の導入時期から考え、未成年がタバコに接しずらい環境が整備され始めたことも若者の喫 煙率低下へ少なからず影響を与えていると考える。
まとめ)喫煙者は非喫煙者よりも電子タバコに対して良い印象を抱いている。A 病院においても看護師と リハビリ技師の喫煙率はとても高く、サードハンドスモークの観点からも禁煙支援の必要性は高い。
道北勤医協一条クリニック 松崎 道幸 ²、坂牧 勉 ³
¹ 道北勤医協一条クリニック、² 道北勤医協北医院、³ 道北勤医協宗谷医院