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禁煙治療の実際

ドキュメント内 第14回日本禁煙学会学術総会抄録集PDF版 (ページ 41-51)

略歴

中央内科クリニック院長 日本国際医学協会評議員 日本生活習慣病予防協会参事 日本禁煙学会理事

日本橋医師会理事

東京都医師会タバコ対策委員会 アドバイザー(前委員長)

日本内科学会専門医、日本呼吸器学会指導医、日本アレルギー学会指導医、日本禁煙学会専門指導医、日本睡眠学会専門医、日本 医師会認定産業医

禁煙治療・支援の実際 各論(精神疾患、女性、妊婦、若年者)

川 合 厚 子

 禁煙治療や支援にかかわる中で対象が精神疾患患者、女性、妊婦、若年者の場合、苦手感を持っておい での方もいらっしゃるかもしれません。私も最初はそうでした。一方、何とかしたいという思いから、本 を読んだり禁煙学会の学術総会をはじめ講演会やセミナーに参加したり仲間とつながったりして、喫煙者 も治療者も少しでも楽に禁煙治療ができるように努力してきました。その中でのちょっとしたコツをお伝 えできればと思います。

【精神疾患患者】 キースライドの一つを下記に記します。

【女性】 禁煙により女性ならではの QOL アップが期待されます。女性は男性に比し禁煙しづらく再喫煙 しやすいといわれています。禁煙は卵胞期に開始するのが望ましく、体重増加の懸念・パートナーや同居 家族等の喫煙に関しての支援が必要です。

【妊婦】 本人や家族の「元気に生まれてきてほしい」という願いに近づくのに大きな効果があるのが禁煙 です。妊娠は人生最大の禁煙のチャンス!本人へのカウンセリングと同居者への指導や支援、再喫煙防止 が重要です。禁煙アプリも保険で認められ活用と効果が期待されます。

【若年者】 高校生などの未成年者も、依存状態等の医学的判断+本人の禁煙の意志+家族等との相談にて 要件を満たす場合、ニコチン依存症管理料の算定が可能となりました。心理社会的治療が主体となります。

社会医療法人公徳会トータルヘルスクリニック

略歴

社会医療法人公徳会トータルへルスクリニック院長       

医学博士、総合内科専門医、精神科専門医、精神保健指定医、動機づけ面接トレーナー、日本禁煙学会理事・同専門指導医、

日本禁煙推進医師歯科医師連盟運営委員、山形県医師会禁煙推進委員会委員長、南陽市東置賜郡医師会禁煙推進委員会委員長、

NPO 法人山形県喫煙問題研究会副会長、UMASS Tobacco Treatment Specialist (Master)

S1-03

禁煙治療を成功させる方法

−ドロップアウト・再喫煙・体重増加・基本的考え方−

高 野 義 久

 禁煙治療を成功させるために、ドロップアウト防止、再喫煙防止、体重増加防止が必要となる。それら の対策についての基本的事項を整理し、紹介したい。

(1)ドロップアウト防止調査では、禁煙外来を受診し 5 回最後まで受診される方の割合は 35%である。

一方、成功率は禁煙外来を受診する回数が増える毎に向上し、5 回の治療を完結した場合 89%となる。治 療を成功させるためには、外来を最後まで受診する、すなわちドロップアウトを防止することが大変重要 である。ドロップアウトの理由は、意欲の喪失、副作用のつらさ、多忙、禁煙できない場合の気まずさな ど様々である。治療を完結する割合を増やす対策例を紹介する。(2)再喫煙防止ニコチン依存症は再発 しやすい慢性疾患であり、再発する場合もある。治療中には、今後の再発率を下げる努力、すなわち 1 本 吸ってしまったときの対処と 1 本を吸わないための理解が必要である。(3)体重増加防止喫煙により内 臓脂肪は蓄積しやすくなっている。禁煙後には概ね 2 〜 3kg の体重増加が認められるが、10kg 以上の増 加も認められる。著しい体重増加は、挑戦者の禁煙継続の意欲を低下させることがあり、また糖尿病など の疾病予防のためにも体重増加防止は大切である。原因として、食べる量が増えるためのエネルギー摂取 の増加、禁煙によるエネルギー消費の低下、好ましくない生活習慣、離脱症状があげられる。体重増加へ も早期からの情報提供と介入が望ましい。(4)多職種連携禁煙治療は一人で行うより、多職種で協力し合っ て行う方が成功しやすい。職種同志互いの理解を共有するために、施設の実情に合ったオリジナルのクリ ニカル・パスを作り、資材も使い、それぞれの仕事の負荷が大きくならないよう工夫しながら、多くの職 種が少しずつでも関わるのがよい。(5)基本的考え方−理解すべての治療に共通だが、受診者との信頼 関係を築く必要がある。相手の顔をみて話しをよく聞くこと、相手の状況を想像し、理解したことを言葉 に出して確かめること、相手の意向や価値観を確認することが求められる。

 「健康の社会的決定要因」という概念が提唱されている。今、目の前にいる人は、自分とは異なった環 境で生まれ、生活してきた人であり、治療者はその立場や考えを理解・受容しつつ、望ましい結果が得ら れるよう努力する。受診者が自分のことを理解してもらえたと感じることもまた成功の伴となる。

たかの呼吸器科内科クリニック、一般社団法人くまもと禁煙推進フォーラム

略歴

たかの呼吸器科内科クリニック院長

一般社団法人くまもと禁煙推進フォーラム副理事長

シンポジウム 1 禁煙治療の実際

禁煙できないのは意志が弱いわけじゃない!

〜どうせ無理だとあきらめないで 一緒に治そう たばこ依存〜

 たばこに含まれているニコチンには強い依存性があり、やめることが難しいとされている。たばこをや めることができないのは、その人の禁煙に対する意志が弱いのではなく、たばこに含まれるニコチンの持 つ依存性が原因である。

 今回、私たちは心理的療法に着目し、喫煙者が効果的に治療を受けるために必要なかかわりを看護の視 点から教育内容としてまとめた。

 心理的療法としては二つの方法がある。一つは、禁煙する意志が強い人を対象とした認知行動療法であ る。方法としては、まず喫煙者自身に思考・感情・行動より自己を見つめ直してもらい、喫煙者が主体的 に解決を模索する。そこから見えた自身の問題を踏まえ、目標を設定し、その目標を達成するための方法 を喫煙者主体となって考えていく。

 もう一つは禁煙する意志のない人を対象とした動機づけ面接法であり、これは面談を通じて喫煙者のた ばこを辞めたくても吸ってしまうという両価性の解消を目指すものである。方法としては、臨床家が喫煙 者の発話に耳を傾け、聞き返しを行いながらその人が大切にしている価値観や感情を言語化する支援を行 い、喫煙継続の話題から禁煙へ向かう話題を増やす。そうして禁煙への意欲を引き出した後は、喫煙者の 考えや意見、その人自身がすでに持っている情報を引き出し、それに応じた情報や喫煙者が知りたいこと、

望んでいる事に優先順位をつけて少しずつ提供する。最後に、提供した情報に関する意見や感想を尋ね、

理解度や合意の状況を確認していく。

 この二つの心理的療法ではいずれも喫煙者と医療者との信頼関係が重要となってくる。また、これらの 治療を通し効果的に禁煙するためには、まずは受診をすること、そして継続することが大切である。その ためには、いわき市などで行われている禁煙外来ネットワークのような禁煙外来を受診しやすくする環境 づくりや、それらのシステムを利用できるようにするためのかかわりが重要である。

いわき市医療センター看護専門学校

SP-02

目に見えない恐怖!?サードハンドスモーキング ( 三次喫煙 )

〜サードハンドスモーキングの与える影響とその対策について私たちができること〜

佐 藤 雄 哉

〈はじめに〉福島県の喫煙者数は全国4位であり、関連疾患として考えられる心筋伷塞による死亡率は全 国1位、脳伷塞は7位という実態がある。今回、サードハンドスモーキングに焦点を当てた理由は、私た ち自身も聞いたことがなく、学びを深めていくうえで、サードハンドスモークの知識は理解すべき内容で あると考えたからである。

〈目的〉サードハンドスモーキングについて、調査を行うことで、認知の実態を明らかにし、自分たちに 何ができるかを考える。

〈方法〉学院内の看護学生 (10 〜 20 代 )88 人を対象にサードハンドスモーキングについてのアンケートを 実施した。

〈倫理的配慮〉本研究の趣旨や目的を伝え、結果を学会発表することを説明し、質問用紙の提出をもって 同意とした。また、得られた情報は個人が特定されないよう配慮した。

〈結果〉サードハンドスモーキングを認知している人は 88 人中 0 人だった。また、78 人はこれまでの生活で、

物や空間からタバコ臭を感じ、不快に思っていると分かった。主な場所は、車内、飲食店、カラオケ店な どが挙がった。

〈人体に与える影響〉サードハンドスモークの影響として、呼吸器疾患、動脈硬化、脂質異常症などのリ スクが高まることが示されている。また、乳幼児は、大人よりも大きな健康影響を受けるとされている。

〈考察〉アンケートの結果から、サードハンドスモーキングを認知している人は、1人もいなかったが、

タバコ臭を感じたことがある人は、9 割以上いるため、多くの人がサードハンドスモーキングの被害にあっ ていることがわかる。そのため、サードハンドスモーキングの知識を人々に周知するために、喫煙に対す る意識を変える啓発活動を行っていくことが私たちにできることではないかとも考える。

〈結論〉サードハンドスモーキングは人体に多くの悪影響を与えることが分かっているが、認知している 人は少ないということが問題であると感じた。そこで、サードハンドスモーキングについて認知させる活 動を行い、知識を広めることは私たちにできることの1つだと考える。完全禁煙は最も理想であるが、喫 煙者の人権も擁護する必要がある。そのため、禁煙者と喫煙者がお互いにたばこの影響を理解しあい、ルー ルを作ったうえで共存していくことも考えながら啓発していく必要があると考える。

〈参考文献〉

『禁煙学』改定4版 日本禁煙学会編 南山堂

公立岩瀬病院附属高等看護学院

特別企画 福島からの発信 2 看護学生禁煙教育プレゼンコンテスト

佐藤 瑠成、藤田 葵加里、松田 彩花、山崎 竜平 公立岩瀬病院附属高等看護学院

ドキュメント内 第14回日本禁煙学会学術総会抄録集PDF版 (ページ 41-51)