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研究全体の枠組み

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第3章  分析の枠組みと各研究の相互関係

第1節  研究全体の枠組み

3−1−1  研究全体の枠組み   

本論文における実証は、大きく分けて3つの研究から構成される。研究1を第4章、研    究2を第5牽、研究3を第6牽でそれぞれ扱う。この牽では、これら3つの研究相互の関      係(研究会体の枠組み)とそれぞれの研究の方向性を示すことにする(図表3柵1)。   

(図表3−1)研究全体の枠組み   

研究1   

・「財務状況」は会計上の評価指標ではない    にあるとは限らない   

酢柵冊   

研究3   

尊   

暮財務業績の改善に資するM&Aや提携の存在可能性の検証   

・コスト低減と財務数値変化の間の因果関係に、M&Aや提携の    目標達成度∈経営上のパフォーマンスほ介在させた分析   

・ニげ鳩巣関係が観測されやすい財務指標の特定   

・コ朴低減に対する主観的評価と客観的評価の差の検証   

ここで、3つの研究の相互関係を要約して述べると、研究1(第4章)ではコスト低減      目的のM&Aや提携の存在を示した上で、企業間関係の構築を通じたコスト低減効果が、当      該企業を取り巻く環境条件、及び、低減対象となったコストの種類によって影響されるの      か否かを検証する。研究2(第5牽)では、財務状況の好ましさ・環境条件・低減対象コ     

ストの関係性について、研究1で分析対象にしなかった企業間関係の非構築企業の関係と、     

コスト低減と財務効果の関係を分析する(課題1)。研究3(第6牽)では、企業間関係構築      によるコスト低減・経営上のパフオ−マンス・財務指標の改善効果の3つの変数間の因果      関係を検証する。研究2で扱う「財務状況」は会計上の評価指標ではない(課題2)ことから、こ      では、研究1・研究2では実施しなかった企業間関係の構築前と後の財務数値の変化を取     

り上げ、企業間関係構築によるコスト低減と会計上の効果との関係を考察する(課題3)。   

3−1−2  研究1の枠組み   

研究1は大きく2つの部分から構成される。前半では、企業間関係構築の目標における      コスト低減の重要性を示し、後半では、そのことを前提にしながら、M&Aや提携がコスト低      減効果に及ぼす影響と、企業間関係を構築した企業どうしの環境条件の類似性とコスト低     

減効果との関係、についての実証分析を行う。   

企業間関係構築は、研究開発、市場拡大、顧客サービスの充実、シナジー獲得などさま      ざまな目的を持って行われる。そこでまず、多目標な企業間関係構築のなかで、コスト低     

減が実際のM&Aや提携の重要な目標の1つとなっていることを示す。     

その上で、コスト低減目的の企業間関係が構築されるときには、当該M&Aや提携を通じ    て低減させようとするコストの費目(低減対象コスト)は、当該企業を取り巻く環境条件    の影響を受ける傾向にあることを示す。なお、この環境条件の測定は、当該企業関係を構   

築した企業の主要製品に係る市場の成長性の程度によって表す。低減対象コストとは、企    業間関係構築によって低減の対象としたコストを価値連鎖に従って上流・中流・下流の各    段階に分類したものによって表す。     

一方、先行研究では、眈Aがプラスの会計的効果をもたらすという研究は稀であり、提携    についても会計的効果を測定する研究そのものが少ない。また、搬Aや提携とコスト低減と    職関係を主題に据えた研究も少ない。しかし、企業間関係構築の目的の中で、コスト低減    が重要な要素齢一叫・つであること、及び、コスト低減効果に対して環境条件と低減対象コス   

トが影響することを前捏とするならば、搬Aや提携の効果を会計測定の対象と位置づけて、   

コスト低減を目的とする企業間関係構築を研究対象として取り上げる意義がある。   

以上から、低減対象コストと環境条件を説明変数、コスト低減効果を被説明変数として、     

両者の因果関係を検証する意義が見出せる。これが研究1後半の中J L、的テーマとなる。   

ここでは、環境条件によって分析対象企業を層別した上で、コスト低減効果と有意な低      減対象コストを見出し、コスト低減効果にプラスに作用する傾向のある環境条件・低減対   

象コストの組合せを明らかにする。また、胞Aと提携それぞれについては、独立した質問紙    調査デいタを用いることによって、コスト低減目的のM&Aと提携の差の検出を試みる。   

これと同様に、研究開発効果と有意な関係を持った環境条件と研究開発手法の組合せ、     

及び、市場拡大効果と有意な関係を持った環境条件と市場拡大手法の組合せ、をコスト低      減との比較の見地から、M&A・提携それぞれについて示す。   

さらに、環境条件の類似性が、コスト低減・研究開発・市場拡大の各効果に有意な影響     

を与えるかどうかを検証する。   

3岬1岬3  研究2の枠組み   

研究2では、M&A・提携を実施した企業・しなかった企業の対比と、企業間関係構築はコ      スト効果だけに止まるのか財務状況まで影響するのかについての分析を行う。   

研究1では、胞Aないしは提携を実施した企業のみを分析対象としている。しかし企業間      関係を構築しなかった企業との比較がなければ、企業間関係構築に関する評価を下すには      限界が生じる。そこで研究2では、批A又は提携のいずれも実施しなかった企業を含めた分      析を実施する。ニれにより、批Aや提携によるコスト低減は財務状況の好ましさと関係性を    有するのか否かを検証する。つまり、推Aや提携を実施した企業としなかった企業に関して、   

研究1と同様の変数を用いて、差の有無を検証する。これは、鵬A・提携を行わなくても、     

別の方法でコスト低減を行っている場合が想定できるためである。     

研究1では同時に、搬Aや提携が一定の条件を満たすときに、コスト低減効果に結びつく   

可能性が有ることを前提に仮説を設定し、これを検証する。しかし、搬Aや提携によるコス    ト低減効果が財務状況の良否に結びつくか否かは検証の対象となっていない。そこで第5   

車では、財務状況・環境条件・低減対象コスト・企業間関係の形態(M&A・提携・いずれも    実施Lないき  Lわ交互関孫を分析し、コスト低減の帰結となる財務状況の改善に眈Aや提携    が関係する可能性を・考察する。なお、ニぴ〕4つの変数間の交互作用の検証を通じて、推Aと    授携それぞ領成増柑橘経机鋸寺㌔.   

以上の分析の枠組みを満たす分析対象データとして、研究2では、経済企画庁が実施し    た企業行動アンケート調査のデータを用いる。   

3−1−4  研究3の枠組み   

研究3では、企業間関係構築によるコスト低減が財務データに及ぼす影響を検証する。   

研究1では、M&Aや提携によるコスト低減効果と、環境条件や低減対象コストの関係を質問    紙調査のデータにより示した。また、研究2では、財務状況の改善に資する  M&Aや提携の    存在を検討したが、そこでいう財務状況とは、アンケ}ト回答者の主観による評価であり、   

かつ、分析データがカテゴリカルデータであるのが特徴である。したがって、研究1及び    研究2では、M&Aや提携によるコスト低減の効果は会計的に測定されてはいない。   

そのため、M&Aや提携によるコスト低減と、財務諸表上の数値変化との間に因果関係が存      在するのか否かを検証することが研究2までの課題として残されている。この残された課      題を検証することが研究3の目的である。   

ただし、コスト低減を実行したからといって財務業績に結びつくとは限らない(コスト      低減とそれ以外の目的を同時に持った眈Aや提携も多い)。そこで、「コスト低減」と「財      務数値の変化」の間の因果関係に、M&Aや提携の目標達成度(経営上のパフオ}マンス)を      変数として介在させる方針を立てる。これにより、企業間関係構築の効果に対する質問紙     

調査による主観的評価と、財務データという客観的評価との間の差異を測定する。同時に、     

この因果関係が観測されやすい財務指標の特定も実施することにする。これらの作業では     

搬Aと提携とで、それぞれ独立したデータによって分析し、因果関係に関する両者の差異を     

明らかにする。     

また、研究3では、コスト低減・経営上のパフォーマンス・財務指標の改善効果、の間    の因果関係を測定することが主目的であるが、これとの比較の観点から、研究開発、市場    拡大とそれぞれの効果についても、同様の枠組み・方法によって検証する。   

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