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では、企業がM &Aや提携(酎2)、を通じて低減させようとするコストの種類と市場

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③⑦⑪    庄)⑳

第1節 では、企業がM &Aや提携(酎2)、を通じて低減させようとするコストの種類と市場

の成長力には一定の関係があることを述べた。  第2節では、コスト低減を戦略目的とする     

M &Aや提携が存在し、その場合の低減対象コストは業種や市場の成長力による影響を受ける     

とともに、企業間関係の構築によってコスト低減効果や利益改善といった会計的効果に結      びつく可能性を推定した。     

つまり前節までの議論によって、M &Aや提携によって生じるコスト低減効果(注ほ)は、市    場の成長力(削4)や、当該M &Aや提携の際に重視される低減対象コスト(注15)に依存する可   

能性が否定できないことを示した。すなわち、コスト低減効果を被説明変数とし、市場の    成長力と低減対象コストを説明変数とする因果関係の存在が示唆される。この因果関係と   

は、一定の市場成長力にある企業がM &Aないしは提携によって、特定の種類のコストを低    減のターゲットにする場合に、コスト低減効果を得ることができる、というものである。     

そこで本節では、これらの変数間の関係を把握するために、前節で述べた質問紙調査の   

データを用いてM&Aと提携それぞれによるコスト低減について統計的に検証する。ここで   

はまず、コスト低減効果[問12]を被説明変数とし、これを市場の成長力(自社の市場の成    長力[問1]、相手企業の市場の成長力[間13】)と低減対象コスト[間9]によって説明でき   

るかどうかを検討するために、次の仮説4−1と4−2を提示する(注16)。   

仮説4−1企業間関係の構築によるコスト低減効果は、市場の成長力に依存する。   

(注12)本研究では雌止と提携を考察の対象としているが、アライアンス論の中に胞Aを含むか否かについてもさまざま    な見解がある(山倉伽01),p.82.)。ここでは、独立した企業どうしが継続的な企業間関係を構築することを考察の対    象とする見地から、旭Aと提供を対比しながら扱うことにする。   

(注13)服A又は提携によるコスト低減効果とする。   

(注14)市場の成長力とは、当該此A又は提携を実施した企業の主要製品の属する市場の成長力をいう。   

(酎5)低減対象コストとは、当該肱Å又は捷携が実施された際に、当事者たる企業がコスト低減の対象と   

して重視したコストの種類をいう。   

(注16)アライアンス論の展開においては、アライアンスに影響を与える要因やアライアンスのもたらす鰭果、経営戦略   

との関係などを考慮する必要があるとの指摘があるが(山倉伽01),pp.83朝.)、この第3節では、コストリーダーシ    ップによる競争優位の確立との関係で、コスト低減効果と市場の成長力及び低減対象コストの関係を考察の対象とした    なお、第4節では第3節との比較の観象から、研究開発効果と市場拡大効果についても扱う。   

仮説4−2  企業間関係の構築によるコスト低減効果は、低減対象コストに依存する。     

このうち、市場の成長力については、企業の環境条件の違いを反映するものと位置付け     

ており、好業績を実現するめのパートナーシップの形態や低減対象コスト、研究開発の対      象の選択に影響する可能性のあることに留意する。その理由は、市場の成長力(成長市場・     

成熟市場・衰退市場)が経営戦略の規定要因としてはたらくと推定されるからである。   

また、この研究の特徴の一つである、M&Aと提携というパートナーシップの形態に着目し、     

M&Aと提携を同時に扱いながら両者を比較する方針を採用した理由は、パートナーシップの      形態がコスト低減効果への影響に差を生じさせる可能性を排除できないからである。   

低減対象コストに関しては、第2節と同様、M&Aや提携を実施した企業における低減完一象      コストを第1節と第2節で示した問題意識に基づき、価値連鎖(上流コスト、中流コスト、     

下流コスト)に従って分類し、これとコスト低減効果の関係を測定する。また、業種・業    態、製品などの違いによって企業のコスト構造が異なることから、低減対象コストの価値     

連鎖上の位置関係の遠いがコスト低減効果への影響に差を生じさせる可能性もあることに      留意する。     

コスト低減効果については、M&Aや提携によるコスト低減を通じて財務諸表に与える好ま    しい効果を含むものとする(粍17)。なお、コスト低減効果については、M&Aや提携の他の効    果である研究開発効果や市場拡大効果との比較も念頭に入れる。     

この節の分析では、「M&Aに関する調査票」と「提携に関する調査票」それぞれの問1(自    社の過去5年間の市場環境)、間9(低減対象コスト)、間12(コスト低減効果)、間13(相    手企業の過去5年間の市場環境)を用いる。関連する質問について有効な回答が得られた    サンプルはM&Aについては60社、提携については99社であった。     

なお質問紙では、問1、問9、問12、問13は5段階の順序データとして測定されている。   

しかし、5× 5のクロス表では有効回答数が限られるために0セルが多くなるなど限界が考えら    れるため、5段階を3段階に変換し(牲18)、3× 3のクロス表を用いることにした。なお、ここ   

膵=7)コスト低減効果の測定は、財務データ等の客観的な数値ではなく回答企業の判断・常軌こ基づく回答によってい   

る。ニの点については、企業間関係の構築に関する意思決定を行うにあたっては、自社の業績や成長力に関する当事者    の認識が重要な要素となるという点で、実際の企業行動の把握に結びつきやすいと考えられるからである。   

(技1S)搬A及び提携に関する調査票のそれぞれの質問紙(間1)においては、M&Aないしは提携を実施した    企業の過去5年の市場環境を「1.新興」、「2.成長」、「3.成熟」、「4.成熟ないし衰卦、「5手淫∴一    段階の尺度データとして質問している。ニこでは、r l .新興」と「2.成長」を「成長」、「3・成熟」む「′ 読    熟」、「4成熟ないし衰退」と「5.衰退」を「衰退」に変換した。問13では、相手企業の過去5年の市場   

で用いる変数とその値域については図表4−12のように定義する。   

(図表4−12)変数と値域[コスト低減]   

変  数    値  域     

円   

A:コスト低減効果(問12)    2:   

3:     

C。:低減対象コスト  (間9)   

上流    研究開発費の低減    コスト   

円    原材料・部品費の低減     

2:     

スト(調達)の低減      コスト    3:    重視した    製造コストの低減   

C6      :物流コスト(配送)の低減    下  流   

C7      :販売コ云トの低減      コスト   

自社の市場の成長力      (問1)    口    :成熟,3:成長   

この変換をもとに、コスト低減効果Aと自社の市場の成長力m、コスト低減効果Aと相手    企業の市場の成長力m,、の関係について、M&Aと提携別に3× 3のクロス表を作成した。   

また、コスト低減効果Aと低減対象コストC。の関係についても、M&Aと提携を分けた上で、   

それぞれ低減対象コストの数である7通りのクロス表を作成した。なお、M&Aにおける製造    コストについての対象重視の程度とコスト低減効果に関するクロス表を例示する(図表4   

−13)。   

(図表4−13)製造コストについての対象重視度とコスト低減面の相関表の例    製造コストの低減(C5)   

コスト低減効果(A)      合計      重視しな    どちらとも    重視    かった    いえない    した     

効果はなかった      2      2      2      6     

どちらともいえない      3      8      5      16     

効果があった      3      10    39     

注(1)数値は度数.(2)「製造コストの観は、コスト低減手放の1つ.   

環境を測定しており、問1と同様に5段階の順序データを3段階に変換した。   

そこで間9では、「5.重視したJ 、「4.ある程度重視した」、「3.どちらともいえない」、「2・あまり重視しなか    った」、r l .重視しなかった」について5及び4をまとめて「3.重視した」、「3・どちらともいえない」、を「2・   

どちらともいえない」、「2,あまり重視しなかった」及び「1.重視しなかった」を「重視しなかった」の3段階の   

値域にまとめた。また、間12についても同様に処理した。なお、本章の以後の分析では、ここで処理したデータ   

これに基づき、仮説4−1に関しては胞Aと提携ごとに、コスト低減効果Aの市場の成長    力m 及びm ,に対する関係について、カイ2乗検定(線形と線形による連関)により変数間   

の相関性を有意水準1%と5%で測定した(図表4−14)。同様に、仮説4−2についても搬A   

と提携それぞれに分けて、低減対象コストAとコスト低減効果Cの関係についてのカイ2    乗検定を実施した(図表4−15)。     

その結果、仮説4−1は、M&A及び提携のすべての場合について有意水準5%でも帰無仮   

説が棄却できなかった(図表4−13)。つまり、コスト低減効果は市場の成長力に依存しな   

い可能性が高い。   

(図表4【14)コスト低減効果に対する市場成長力の関係【効果カイ2乗検定】   

市場の成長力   

自社(m)      相手(m)     

M&A      0.860      0.760    コスト低減効果(A)   

擾携      0.851      0.840   

一方、仮説4−2については、M&Aの場合、コスト低減効果との因果関係を推定できない、   

という帰無仮説を棄却することができた低減対象コストは、製造コストと管理的コストの    みであった(図表4−15)。製造コストと管理的コストは、ともに有意水準10%で帰無仮説      を棄却できた。     

提携の場合には、物流コスト(原材料・部品調達)、製造コストと物流コスト(製品の配    送)の3種類のコストが、コスト低減効果との因果関係を推定できない、という帰無仮説   

を棄却することができた(図表4−14)。物流コスト(原材料・部品調達)と物流コスト(製    品の配送)は有意水準5%、製造コストは有意水準1%で帰無仮説を棄却できた。   

(図表4−15)コスト低減効果に対する低減対象コストの関係【効果カイ2乗検定】   

低減対象コスト(C。)   

設備投資    研究開発    原材料    物流(原    製造    物流(製    販売    管理的    費    費・部品   

費      送)コス   

コスト      ト     

コスト低減効果1   

(A)     

提携    0.091    0.343    0.365    0.037*        0.046*    0.465    0.097     

注  周群園**:p健が1%有意永準を満たすもの.   

E==:ヨ  *:P値が5%有意水準を満たすもの.   

を用いる。   

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