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知識の相関図

ドキュメント内 ケヴィン・ケリー著作選集 2 (ページ 166-170)

24 章 知識の相関図

図: リンクによる相関図

このような科学内部の相互関係を表現する新しい方法に関する研究が 最近公表された。つながりを図示するかわりに、この新手法ではクリッ クを図示するのである。相関図作成プログラムは、オンライン版の学術 論文誌(論文を入手するための、いま最も一般的な方法である)のサー バー通信記録を読み取って、研究者がある論文から次の論文へとクリッ

24 章 知識の相関図

クして飛び移る状況を取得する。そのクリックによるページ遷移(この 研究の場合には 10 億回分)を図示することにより、利用者が作り出した 関連を分類する。著者による最新の科学的知識の相関図を示す。

図: クリックによる相関図 (Bollen, J. et al. (2009), "Clickstream Data Yields High-Resolution Maps of Science," PLoS ONE)

この論文の著者によれば、引用方式に比べた場合のページ遷移方式の 利点は、 リアルタイムに表示できること、および対象範囲が広いことで ある。「記録されているクリック回数は、今では、既存の全引用数をはる かに上回っている。」と著者は述べている。

グーグルおよび検索エンジン全般の将来について私は考えている。

ウェブに関しては、クリックの数がリンクの数を上回っているのは明ら かである。すなわち、人々がリンクを生成するよりも、クリックするほ うが多いということだ。しかし私の知る限りでは、「ページランク」や他 の検索順位アルゴリズムは、基本的にはリンクを重視して計算している。

でもその他に、サイトをクリックする大勢の人の知恵も取り入れるほう が賢明ではないのか? リンクの状況だけでなく、ページ遷移も抽出した

24 章 知識の相関図

らどうか? グーグルはこれをすでに実施しているのだろうか? 今では 多くのサイトがグーグル・アドセンスを(それにグーグル・アナリティ クスも)使っているので、あるページが何回クリックされたか、どこか らそのページに飛んで来たか、などをグーグルは知っている。「ページラ ンク」の順位に、クリックは関与しているのだろうか?

私の質問に対してグーグルの副社長から回答をもらった。「検索の品質 はページランクと 情報検索スコア の組合せに基づいています。クリッ クは(利用者の関心を示すその他の指標も含めて) 情報検索スコア に 影響します。」

要するに「そのとおり」だった。グーグルは知識の相関図を作成する にあたって、クリックによるページ遷移を考慮している。

クリックの回数はリンクの数を上回って増加し続けるだろう。だから 私は、ウェブの構造は今後ますます、リンクよりもクリックによって決 まるようになると思っている。

(初出: http://memo7.sblo.jp/article/28350524.html) (原文: Maps of Knowledge)

ドキュメント内 ケヴィン・ケリー著作選集 2 (ページ 166-170)