Movage デジタルの継続性は重要な問題である。デジタル情報は、短期間のう ちに非常に容易にコピーできるが、長期間にわたってコピーしておくこ とは非常に困難である。すなわち、今たくさんのコピーを作ることはで きても、1世紀以上にわたってコピーを保持することが非常に難しい。
それには二つの理由がある。
(1) フォーマットが変化する。技術の進化が速いために、ある記憶媒体 が話す「言語」がたった2〜3年のうちに旧式になる(理解できなくな る)可能性がある。あるいはその言語を話すハードウェアが稀少になっ て、読み書きできなくなる。十年前のフロッピーディスクにあるデータ を読める人がいるだろうか?
(2) 記憶媒体そのものが劣化する。たいていのデジタル媒体よりも、長期 的には紙のほうがはるかに安定であることがわかってきた。磁性体の表 面は欠落したり、はがれたり、壊れたりする。耐久性があると思われて いた CD や DVD も、あまり安定ではない。
第 14 章 保管とは移動すること
後者の例として、技術に詳しいニューヨーク・タイムズのデビッド・
ポーグ (David Pogue) は、あまり知られていないことだが自分で書き込
んだ DVD の寿命が短いと嘆いている。
オリジナルの iMovie(アイムービー)のプロジェクトを全部 DVD に保存して、透明ケースに入れて、机の横の引き出しにきれいに 並べてあった。
どうなったと思う? 映像編集に使っている Mac(マック)で、ほ とんどの DVD が読めなくなっている。まだ 4 年も経っていない のに!
自分で書き込む DVD は有機色素を使っていて、時間とともに劣化 することはもちろん知っている。市販製品のディスクみたいに長 持ちしない。でもねえ、4 年だって? とってもびっくりしたよ。
さあ、みんな、よく聞いてほしい!
デジタル情報を長期保管する唯一の方法は、移動し続けることである。
私はこれをストレージ(蓄えること)のかわりにムーベージ(動かすこ と)と呼ぶ。正しいムーベージとは、素材を定期的に、すなわち、古いプ ラットフォームが完全に消滅して移動が困難になる前に、最新のプラッ トフォームへと移動することである。この内容更新の動的リズムは、呼
第 14 章 保管とは移動すること
い円滑でなければならない。コピーして、移動して、コピーして、移動 して。
要するに、未来へ持って行きたい物は何でも、いつもそれが前進し続 けるように注意していなければならない。
デジタル媒体のムーベージについて、自然な呼吸サイクルがどの程度 であるかは、それが非常に新しいものなので、まだよくわからない。し かし、私たちが思っているよりもずっと短そうだ。私の推測では 5 年と 見ている。どんなデジタルフォーマットでも、大切なものを記録したら、
5 年以内に新しい媒体に移動するつもりでいなければならない。そして その後も、5 年ごとに永遠に!
移動して、移動して、移動して。
(初出: http://memo7.sblo.jp/article/24249900.html) (原文: Movage)