11.1. 対象地域における港湾及び関連施設の現状評価
港湾施設及び関連施設の健全度調査は現状調査結果の劣化進行度合いと現状設計の考え方に基 づき、表 11.1-1の4段階に分類し評価するものとする。レイテ州タクロバン港は、台風ヨランダ による建屋の被害を受けたが既に修復済で健全度Aである。オルモック港は、老朽化による桟橋 床版の修復中である。ボホール州タグビララン港は、ボホール地震で建屋の被害にあったが現在 建替中で健全度Aの判定である。しかし、ルーン港は、桟橋の被害を受け取壊し再建する予定で 埋立地も液状化による沈下被害を受け健全度の判定はDである。イロイロ州は、エスタンシャ港 で床版の被害を受けたが既に修復済で全ての港で判定Aである。
表 11.1-1 健全度判定基準
竣工時の機能を100%とする A 一部損傷あり、機能80~100%
B 中程度の損傷あり、機能60~80%
C 大きな損傷あり、機能40~60%
D 利用に耐えない、機能40%以下 出典:調査団作成
表 11.1-2 レイテ州の港湾施設及び関連施設の現状評価
出典:調査団作成
Tacloban Palompon Isabel Ormoc Baybay Hilongos Bato
岸 壁 型 式 桟橋 横桟橋 桟橋 桟橋 桟橋 桟橋 桟橋
桟 橋 杭 PSC (40cm x 40cm) RC (40cm x 40cm) RC (40cm x 40cm) RC (40cm x 40cm) RC (40cm x 40cm),
RC(45cm x 45cm) RC RC
杭 の 鉛 直 か ら
の 角 度 0 & 5 0 & 7 0 & 5 0 & 15 0 & 15 -
-床 版 & 桁
床版: プレキャスト タイプ 桁 :(W50xH40cm)
被害無
一部のコンクリー
ト板が改修中 被害無
桁 (W40xH30cm) 一部破損の
改修中
床版下面の一部が
破損 被害無 被害無
擁 壁 コンクリート矢板 コンクリート矢板 コンクリート壁 - - コンクリート壁 コンクリート壁
そ の 他 の 施 設 ADM、倉庫修復済 建屋の屋根被害 - - - -
-A A A B B A A
被害有、修復済 被害済 被害無 床版改修中 床版の破損 被害無 被害無
健 全 度
176
表 11.1-3 ボホール州の港湾施設及び関連施設の現状評価
出典:調査団作成
表 11.1-4 イロイロ州の港湾施設及び関連施設の現状評価
出典:調査団作成
11.2. 代表的な港湾施設構造
11.2.1. 岸壁構造型式
今回実施したレイテ州8港、ボホール州9港及びイロイロ州7港の合計24港について岸壁標 準設計モデルの構造形式を選定する資料として、既設岸壁構造をまとめた結果が表 11.2-1である。
これによれば桟橋式と矢板式の構造様式が有り、その93%が桟橋式である。従って標準設計モデ ルとして桟橋式を基本に考えるものとする。
T a gb i l a r an U b ay Tu b i g o n C a t a gb a c a n ( L o o n ) Ge t a f e Ta p a l
岸 壁 型 式 横桟橋 桟橋 桟橋 桟橋 桟橋 桟橋
桟 橋 杭 SPP φ50cm, RC40cm RC (40cm x 40cm) RC (40cm x 40cm) PSC (45cm x 45cm) RC (40cm x 40cm) RC (40cm x 40cm) 杭 の 鉛 直 か
ら の 角 度 0 & 10 0 & 15 - 0 & 15 -
-床 版 & 桁 一部杭頭破損
コンクリート床版 が船舶の衝突によ
り一部破損
地震による被害 施設のほとんどは、地 震によって破壊
擁 壁
コンクリート壁は地 震による損傷を受
け、工事中
コンクリート矢板 地震による被害 突堤は地震により損傷
を受け、修復中 コンクリート壁
そ の 他 の 施 設 舗装クラック、建屋
の被災 - アクセス道路クラッ
ク ゲートハウス損傷 -
-B B B D B A
深刻な被害 一部破損 組杭が地震により損
傷 深刻な被害 一部の杭損傷 被害なし
健 全 度
Iloilo (ICPC) Iloilo (FSP) Iloilo (河 川 港) Dumangas Estancia (PPA) Ajuy Culasi
タ イ プ 横 桟 橋 横 桟 橋 横 桟 橋 桟 橋 桟 橋 桟 橋
岸 壁 型 式
SPP φ1020mm (IBRD) SPP φ500mm (PPA)
RC (50cm x 50cm) (PPA) RC (40cm x 40cm) RC 40cm 45cm, PSC 40cm
RC (40cm x
40cm) RC (40cm x 40cm) RC (40cm x 40cm) 杭 の 鉛 直 か ら
の 角 度 0 & 15 & 20 - - 0 & 10 0 & 10
床 版 & 桁 クレーンレール有 パイルキャップ破損
修理済 被害無
擁 壁 L-型コンクリート
そ の 他 の 施 設 被害無 - - - 護岸洗掘復旧済
-A A A A A A
被害無 被害無 被害無 被害無 修復済 被害無
健 全 度
最終報告書
177
表 11.2-1 調査港における岸壁構造形式一覧表
出典:調査団作成
11.2.2. 建築構造型式
同様に建築構造物に対しても標準設計モデルの構造形式を選定する資料として、既設建物構造 をまとめた結果が表 11.2-2である。調査結果によれば、主要建物は、全て鉄筋コンクリートで屋 根はコンクリートスラブまたは鋼板折板である。
表 11.2-2 調査港における建築物構造形式一覧表
出典:調査団作成
直杭・組杭の組合せ 直杭
フィリピンの場合沖に突き 出た杭式桟橋が多い。コン クリート組杭が桟橋の水平 力に抵抗するために使用さ れる。
コンクリート杭式 横桟橋の床版は水 平力に対応するた めコンクリート組 杭の上に設ける。
比較的大水深で桟橋 上部にコンテナク レーンが乗るような 場合は水平力が大き くなり組杭が必要と なる。イロイロの拡 張コンテナ岸壁がこ れに相当する。
鋼管直杭は直杭のみ でも水平力に対応出 来る場合に使用され 施工も容易である点 から選択される。イ ロイロ港ICPCがこれ に相当する。
小規模水深の岸壁 では腐食対策が少 ないコンクリート 矢板がフィリピン には多い。控え構 造としては控え版 形式が多い.
10m以上の設計 水深ではコンク リート矢板では対 応不可能で鋼矢板 や鋼管矢板が使用 される。控え構造 は鋼管杭(直杭、
組杭)が多い
喫水の小さい 船舶用小規模 港湾
レイテ州 (8 港)
Tacloban(5°), Ormoc (0°, 15°), Isabel (5°), Palompon (7°), Hilongos (不明), Baybay (12°), Bato (0°,ランプ 10°)
Tacloban(15°), Palompon, Ormoc
Tacloban(鋼管矢 板、コンクリート 控版)
Babatngon
ボホール州 (9 港)
Tagbilaran 旅客岸壁 (10°), Catagbacan (15°), Ubay (0°, 15°), Tubigon (不明), Talibon (不明), Getafe
Tagbilaran Tagbilaran Tagbilaran RORO
ランプ周辺
Popoo, Guindulman, Clarin
イロイロ州 (7 港)
Dumangas (不明), PPA Estancia (10°), Guimbal (不明), Ajuy (5°to10°), DOTC Estancia,
Iloilo FSP (Fort San Pedro Terminal), Iloilo IRW (イロ イロ河川港)
Iloilo ICPC (Iloilo Commercial Port Complex)
Iloilo ICPC (Iloilo Commercial Port Complex)
旧 Iloilo FSP (Fort San Pedro Terminal)現在は 鋼矢板で前出し済
Iloilo FSP (Fort San Pedro Terminal)
DOTC Estancia, Banate,
構造タイプ割合 64% 18% 7% 4% - 7%
-突堤
構造タイプ
杭式桟橋
横桟橋 鋼管杭式
矢板式 コンクリート杭式
桟橋 コンクリート矢板 鋼矢板
建築名 単位 TACLOBAN ORMOC TAGBILARAN TAPAL ILOILO (ICPC) PPA ESTANCIA
RC、RC屋根 RC、鋼板折
板屋根
(仮設)鋼板折板 屋根
RC、RC屋
根 RC、RC屋根 RC、鋼板折板屋根
3 階建 平屋 2 階建 平屋 4 階建 2 階建
m2 686 x 3 281 261.45 x 2 30 435 x4 240 (2階のみ)
RC、鋼板折板屋根 平屋
m2 7467.4
RC、鋼板折板屋根 RC、鋼板折板屋根 RC、鋼板折板屋根
平屋 平屋 平屋
540 300 1027.8
RC、鋼板折
板屋根 RC、RC屋根 RC、鋼板折板屋根
平屋 2 階建 2 階建
m2 1,412 397 x 2 240 (1階のみ)
RC: 鉄筋コンクリート構造、RC屋根:鉄筋コンクリートスラブ 無
無 無 無
無 無
無 無 無 無 無
管理棟/ 事務所建物
CFS
倉庫
旅客建物