9. 防災拠点港湾の選定ガイドライン
9.5. 対象地域の港湾の重要度の算定
9.5.3. 指標とデータ
それぞれの指標に対し、入手の可否も考慮して下記のデータを用いた。
1.通常時の港湾の役割 全国海上輸送上の機能 (1)
1) 全国の海上輸送における位置づけ ( X11)
The study on the Master Plan for the Strategic Development of the National Port System (Jan. 2004 JICA) におけるゲートウエイ港、重要港湾、地方港湾等全国の港湾の分類及びPPAの港湾分類を もとに港湾の全国的な位置づけを決める。
地域海上輸送上の機能 (2)
1) 地域の海上輸送における位置づけ (X21)
ROROターミナルについて、SNRHターミナル、モビリティ強化ターミナル等に分類されてお り、その分類を使用する。
2.災害時の港湾の役割
港湾背後地域の社会経済活動面での機能 (1)
1) 港湾背後地域の社会経済活動の規模( Y11)
地域の人口は地域の社会経済活動を表す最も基本的指標のひとつであることから、港湾背後の 社会経済活動の規模の指標に関するデータとして港湾立地市の人口を用いる。このデータ値は統 計局資料から得られる。
150 2) 港湾通過貨物の規模( Y12)
港湾を利用する物資の規模の指標に関するデータとしては、各港湾における年間総取扱貨物量 を使用する。このデータ値はPPAの統計に示されている。
全国海上輸送面での機能 (2)
1) フィリピン国における広域海上輸送網(Y21)
通常時にフィリピン国の重要港湾を離発着する船舶が寄港する港湾は災害時においても域外か らの船舶利用に供されると考えられる。そこで、災害時の広域的な海上輸送の指標に関するデー タとして、そうした船舶の港湾実績を使用する。このデータ値はPPAの統計から得られる。
2) 地域における海上輸送網(Y22)
地域における海上輸送の指標に関するデータとしては、ROROサービスが地域の海上輸送ネッ トワークで重要であることから、RORO船の年間寄港数を用いる。このデータは、このデータ値 はPPAの統計から得られる。
3) 陸上輸送との接続性 (Y23)
DPWHによる 1級道路、2級道路、3級道路の分類がフィリピン国の道路状況を示す基本的な もので、例えば1級道路がその背後を走る港湾は陸上輸送接続性がよいと考えられる。そこで、
港湾背後道路接続性の指標に関するデータとしては、このDPWHの分類を使用する。このデータ はDPWHのウエブサイトから得られる。
陸上輸送代替面での機能 (3)
1) 災害時に利用可能性がある港湾の立地 (Y31)
災害による港湾の被災の規模は災害の中心からの距離やその規模により異なる。施設の壊滅的 な被災を免れる港湾もあり、災害時にはそれら港湾の利用が考えられる。利用可能な港湾の所在 の指標に関するデータとしては、州内に立地する港湾の数を使用する。DOTCが保有する港湾イ ンベントリーに示される港湾数のデータを基本とする。
2) 港湾背後道路交通 (Y32)
背後道路の利用状況の指標に関するデータとしては、DPWHが所定の測点での交通量の調査を 行っていて、その調査結果を使用する。このデータはDPWHのウエブサイトから得られる。
最終報告書
151 災害時緊急活動拠点面での機能
(4)
1) 緊急物資受入能力 (Y41)
緊急時における海上輸送物資受入能力の指標のデータに関しては、入港可能な船舶のサイズが 重要になると考えられ、係留施設の最大水深を使用する。このデータは、各港湾に関するPPAの 資料等から得られる。
2) 緊急時活動スペース (Y42)
緊急活動のためのスペースの指標のデータとしては、公的に管理されるまとまった場所である 港湾用地の面積を使用する。このデータは各港湾の資料等から得られる。
3) 港湾管理体制 (Y43)
港湾の管理能力は組織構造上のヒエラルキーレベルによると考えられ、災害時における港湾の 管理体制の指標のデータとしてはPPA、PMO、TMO等PPAの組織上の位置づけを基本とする。
4) 災害対策中枢機能との連携 (Y44)
災害時には関係行政機関との連絡は極めて重要となる。連絡能力の程度は DRMM の階層に依 ると考えた。なお、空港の立地は連携を考える際には重要な要素になると考えられるが、対象地 域では中核機関となる州都には空港が立地している。
5) 緊急活動拠点施設 (Y45)
管理棟、倉庫などが関係機関等との連絡に必要な機器の設置、救援物資の保管、一時避難等に の利用されると考えられる。そこで、災害時の緊急活動の拠点施設の指標のデータとしては、港 湾内のこれら建屋の存在状況を用いる。これに関する情報は各港湾の資料から得られる。
災害リスク管理面での機能 (5)
1) 災害リスクレベル(Y51)
災害リスクの指標に関するデータとしては、関係機関が台風、地震、津波の発生リスク度を公 表しており、それを使用する。
2) 代替可能港湾 (Y52)
代替可能港湾の有無の指標に関するデータとしては、周辺の地域に港湾が所在しない場合は当 該港湾の拠点としての役割が大きくなることから、一定距離の範囲内の商業港湾の数を使用する。
152 3) 冗長性(Y53)
冗長性の観点からは、防災拠点戦略港湾を補完し災害対策に役割を果たす港湾は一定の離れた 位置に立地する必要あると考えられ、データとして防災拠点戦略港湾としての可能性が高い地域 の代表的港湾から距離を用いる。データは地図から距離を読みとる。
上記の指標および対応のデータを以下にまとめた。
表 9.5-2 指標に対するデータ項目 通常時の港湾の役割
(1) 全国的な海上輸送の機能
The study on the Master Plan for the Strategic Development of the National Port System (Jan. 2004 JICA) におけるゲ ートウエイ港、重要港湾、地方港湾等全国の 港湾の分類及びPPAの港湾分類
(2) 地域の海上輸送の機能
The study on the Master Plan for the Strategic Development of the National Port System (Jan. 2004 JICA) における ROROターミナルの分類
災害時の港湾の役割
(1) 災害時港湾インフラ機能/背後地域の生活経済支援機能
1) 背後地域の社会経済活動の規模 港湾立地市の人口 2) 港湾を経由する物資の規模 年間総取扱貨物量 (2) 災害時港湾インフラ機能/被災地への物流拠点機能
1) 広域的な海上輸送 主要港湾との接続 2) 地域における海上輸送 RORO船の年間寄港数
3) 内陸輸送との接続性 港湾背後道路のDPWHによる分類他 (3) 災害時港湾インフラ機能/陸上輸送代替拠点機能
1) 州内の港湾の配置 州内立地港湾数 2) 背後道路の利用状況 背後道路の交通量 (4) 災害対策活動拠点機能
1) 上輸送物資受入能力 係留施設の最大水深 2) 活動可能スペース 港湾用地の面積
3) 港湾の管理体制 PPA港湾システムでの位置づけ 4) 災害対策中枢機関との連携 DRMMにおける階層レベル 5) 緊急活動拠点として利用可能な施設 港湾内の建屋
(5) 災害リスクマネジメント
1) 災害リスク度 台風、地震、津波の発生リスク度 2) 代替が可能な港湾の存在 近接港湾の立地状況
3) リダンダンシー 代表的港湾との距離 出典:調査団作成
用いるデータ項目のそれぞれの値は、地域の状況、港湾の特徴等を考慮し、表 9.5-3 に示すラ ンクに従いランク値を求めた。ランク値を使用し算定式に従い重要度を示すスコアを算定する。
なお、算定結果を2倍して、全ての指標項目が最上位区分値の場合のスコアを10とする。
最終報告書
153
表 9.5-3 データ区分
Indicator Data
Class of a port/ /PPA Classification Master Plan Study(2004), PPA Classification
Gateway Port:5, Major port : 4, PPA Base port: 3, Other PPA port: 2, LGU port: 1
Characteristics as RORO terminal Master Plan Study(2004) SNRH:5, Mobility: 3 Population of the city/municipality
where a port is located
Population of municipality (2010)
200,000 and more: 5, 100,000-200,000: 4, 50,000- 100,000: 3, 10,000-50,000: 2, 1-10,000: 1
Annual cargo throughput Annual cargo throughput (2014)
1,000,000 and more: 5, 100,000-1,000,000: 4, 50,000-100,000: 3, 10,000-50,000: 2, 1-10,000: 1 Sea route connecting with main
ports Ship call in a month (2014) Plural calls: 5, One call: 3 Number of RORO ship call Annual RORO Ship call
Three calls per day: 5, two calls: 4, daily call: 3, every other day call: 2, call less than every other day: 1 Class of the road behind a port Class of Road
Primary road (Asia Higyway): 5,Primary Road: 4, Secondary Road: 3, Tertiary Road 2, Other Road: 1 Number of ports in the province Number of ports in the Province
20 and more: 5, 10 to less than 20: 3, less than 10: 1 Traffic on the road behind a port Average traffics of survey points on the coastal roads
near the port
10,000 and more: 5, 5,000-10,000: 4, 2,000- 5,000: 3, 1,000-2,000: 3, less than 1,000: 1 Maximum depth of quays Maximum depth of berth
10 m and more: 5, 7.5-10: 4, 6.0-7.5: 3, 4.0-6.0:
2, less than 4.0: 1 Area of a port Total area of the port
100,000 and more: 5, 10,000-100,000: 4, 5,000-
10,000: 3, 1,000-5,000: 3, less than 1,000: 1 Port management body Port management body
PPA-HQ: 5, PPA-PMO: 4, PPA-TMO: 3, OGP: 2, LGU: 1
Location of the management center Location of Hierarchy level
NDRRMC: 5, RDRRMC: 4, PDRRMC: 3, CDRRMC: 2, MDRRMC: 1
Existing buildings Buildings in the port area
Administration Building and Other buildings: 5, Administration Building or Other buildings: 3 Occurrence risk of disasrer
(ttyphoon, earthquake and tsunami)
Risk Level
Typhoon: 5 to 1, Earthquake and Tsunami: 3 to 1 Number of port in the vicinity Ports located within 50km
None: 5, one : 3, two: 2 three and more: 1 Distance from a representative port Distance(km) from the representative port in the
province
100 km and more: 5, 50 -100,km:3, less than 50:1 出典:調査団作成
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