HBCD
6.4 水中の活量係数の決定 6.4.1原理
前年度の報告書でも記述したように、物理化学パラメータを推測・解析する上でルを把握でき ると大変有用である. ywとswの関係については、融点Tmと融解エンタルピーAHhsを用いて簡 単に説明する。溶解度とは溶質が固液平衡にあるときの水溶液の濃度である。相平衡条件とは、
両相の温度、圧力、溶質のケミカルポテンシャル〟もしくはフガシチ′が等しいことである。温度、
圧力を一定にすれば、両相、例えば、固相一液相間で溶質のfが等しいことが平衡条件であるo こ の平衡条件をywとモル分率単位の溶解度(X.)で表現すると、次式のようになるo
(6.8)
ここで、 fl,Solid/fl,llquidは溶質が純成分のときの固体と液体のフガシチの比である。フガシチの比 は熱力学サイクル20によって、 TmとAHAISから簡単に導くことができる.したがって、式5.3は
次式のように書き直すことが可能となる。ただし、液体と固体の熱容量の差がほとんど無視でき ると仮定している。
l Yw ≡‑eXp
J
ト警(喜一吉〕] (6・9,
本研究で得られたSwはモル濃度(mol・L‑1)もしくはmg・L‑1であることから、Swからxl‑単位変換
が必要となる。単位変換は次式を用いた。
Sw
1000・d‑S IM
〟
(6.10)
ここで、 dは飽和溶液の密度であり、 Mは分子量であるo 添え字iとWは、溶質と水を示してい る。しかし、溶解度が低い場合には、式6.10を式6.11のように簡略化できる。
X・=南
(6.ll)ここで、 d.は高純度水の密度である。以上のことより、実測したAHfuS、 Tmおよびxiを与えれば、
任意の温度TのPTwを決定できる。
6.4.2 括量係数の計算結果と考察
swをX.‑単位変換した結果を表6.15a‑Cに示すとともに、 Tm tAHfuSの測定結果と文献値2Il23を 用いて、 7Twを計算した結果は表6.16a‑Cおよび図6.14a‑dに示すo活量係数とは、非理想性を表す パラメータであることから、 BPhsやpBBzsでは臭素数が増加するにつれて非理想性が高くなる ことが示された。しかし、 PBDEs に関しては、臭素数にあまり関係なく、 DeBDE と
2,2',4,4',5,5'‑HxBDEと同等の値であった。TBBPIAとDeBDE以外の物質は、温度が上がるにつれて、活量係数は減少したo温度依存性を 理解するために、 7Twについてvan'tHoff式を適用すると次式のようになるo
dlny" AHE AHm
dl/T R R
103
(6.12)
ここで、 AHEとAHmlXはそれぞれ過剰エンタルピーと混合エンタルピーである.活量係数の温度依 存性の違いは、水との混合エンタルピーの差に起因していると推察される。この解析から、DeBDE
とTBBP‑AのAHmiXは負となり、それ以外の物質のAHmlXが正となることがわかった0
‑方、 HBCDのlog扉ま8程度であり、図6.15のように同じ6臭素化の2,2',4,4',5,5'‑HxBDEと
HxBBzとくらべるとHBCDの扉ま‑から二桁も低いことが明らかとなった. HBCDは非常に大
きな分子であるが、水溶液中における非理想性が低いことがわかった。また、表6.16a‑Cと図6.15 から、その温度依存性、つまり、 HBCDのAH.dixが非常に大きいことが明らかとなった。
表6.15a BPhsおよびTBBP‑Aモル分率単位のSw(X.)
化合物 xlatlO ℃ /‑ X.at20 ℃ /‑ X.at25 ℃ /‑ X.at35 ℃ /‑
2̲MoBPh 1. 16E‑03 1.58E‑03 1.86E・03 (LLE)
2,4‑DiBPh 9.00E‑05 n.m. 1 ・5 I E‑04 2・ 1 5E‑04
2,4,6‑TrBPh 2.02E‑06 n・m・ 3 ・3 6E‑06 4・90E‑06
peBPh 1.3 7E‑09 m.m. 4.57E‑09 8.06E‑09
TBBP‑A 3.29E‑09 n.m. 5.77E‑09 7.60E‑09
LLE:二液相、 n.m.:測定点なし
表6.15b PBBzsモル分率単位の乱れ)
化合物 xlatlO ℃ /‑ xiat25 ℃ /‑ xiat35 ℃ /‑
1,4‑DiBBz 7.57×10‑7 1・31×10J l・89×10‑6
1,2,4lTrBBz 2. lox 10‑7 4・ 14× 10‑7 6・35× 1017
1,2,4,5‑TeBBz 8・52x lO・10 2・00× 10‑9 3・58× 10‑9
HxBBz 1.55×10‑12 3.62×10‑12 7.67×10‑12
表6.15c PBDEsおよびHBCDのモル分率単位のSw(X.)
化合物 xlatlO ℃ /‑ xlat25 ℃ /‑ xlat35 ℃ /‑
4,4'‑DiBDE
5.19×10・9 1.19×10・8 2.12×10‑8表6.16a BPhsおよびTBBP‑Aの活量係数(7Tw)
化合物 logrw(10oC) logyw(20oC) logyw(25oC) logyw(35oC)
2‑MoBPh 2.4 1 2.38 2.37
2,4‑DiBPh 3.8 1 mm. 3.72
′
2,4,6‑TrBPh 4.8 1 n.m. 4.78
PeBPh 6.84 n.m. 6.57
TBBP‑A 6.34 m.m. 6.38
表6.16b PBBzsの括量係数(7Tw)
logyw(10oC) Iogyw(25oC) logyw(35oC)
1 ,4‑DiBBz 1 ,2,4‑TrBBz
I ,2,4,5‑TeBBz
HxBBz
5.41 5.34
6.33 6.20
7.37 7.23
9.42 9.28
表6.16c PBDEsおよびHBCDの括量係数(7Tw)
化合物
log yw(10 oC) log yw(25 oC) log yw(35 oC)4,4'‑DiBDE
2,2',4,4'‑TeBDE
2,2 ',4,4 ',5‑PeBDE
2,2',4,4',5,5㌧HxBDE
DeBDE HBCD
7.76 7,58
8.86 8.76
9.10 9.08
10.11 10.17
10.0 10.2
7.79 7.98
105
7
6
= 5 ゝき aD 9 4
3
2