3.4 3 次高調波環流法
3.6 正相 · 逆相高調波電流の実効値を基準とした考察
Iab n
Ibc n
Ica n
ILbc n
IDG II n A
B
C
D
Re Im
Re Im
(a) AF動作前 (b) AF動作後
図3.13 一つのAFによる高調波抑制のフェーザ図
線分CDは線分ABと中点を共有し,長さが線分ABの√
3倍の垂直二等分線である。
3.6.2 高調波電流最小化時の正相・逆相・零相電流の状態
本項では,前項で述べた三相系統の高調波電流が最小化される範囲内において,ど のような差異があるのかを述べる。以下,三種類のIDG II n における,単相系統電流 iab n,ibc n,ica nの正相・逆相・零相の特徴を述べる。
正相電流の振幅が最大の場合
(a)は正相電流の振幅が最大のときのIab n,Ibc n,Ica n を示す。ibc nが原点とC 点を結ぶフェーザとなるとき,最小化範囲内でもっとも正相電流が大きくなる。この ときのiab n,ibc n,ica nは正相と零相電流から構成され,逆相電流を含まない。
正相電流と逆相電流の振幅が等しい場合
(b)は正相電流と逆相電流の振幅が等しいときのIab n,Ibc n,Ica nを示す。ibc n
が原点と線分CDの中点を結ぶフェーザとなるとき,正相と逆相の振幅が等しくなる。
このときのiab n,ibc n,ica nは正相·逆相·零相電流のすべての成分を含む。
逆相電流の振幅が最大の場合
(c)は逆相電流の振幅が最大のときのIab n,Ibc n,Ica nを示す。Ibc nが原点とD の点を結ぶフェーザとなるとき,最小化範囲内でもっとも逆相電流が大きくなる。こ のときのiab n,ibc n,ica nは逆相と零相電流から構成され,正相電流を含まない。
Iab n Ibc n
Ica n
C
D
Iab n Ibc n
Ica n
C
D
Iab Ibc Ica
C
D
Re Im
Re Im
Re Im
(a) 正相振幅最大 (b) 正相振幅=逆相振幅 (c) 逆相振幅最大 図3.14 最小化範囲内での差異
Iab n
Ibc n
Ica n
ILbc n
IDG II n C
D
Re Im
(a)
C
D
Re Im
(b)
図3.15 単相系統の高調波抑制を基準としたIDG II n
3.6.3 AF 出力電流の決定法
三相系統の高調波電流を最小化可能なAF出力が複数存在するため,その他の基準 がなければ一意に電流指令を得られない。本項では,AF出力電流を一意に決定する ための基準の例を三つ紹介する。
相電流に含まれるの高調波成分の低減を基準とした場合
図3.15は各相電流が含む高調波成分を考慮した場合のフェーザ図を示す。線電流の 高調波成分を最小化しながら相電流の高調波成分も抑制するためには,最小化範囲内 でIbc n が最小となるIDG II n を考えれば良い。したがって,図3.15(a)に示されるよ うに,原点から線分CDへ下ろした垂線とIbc n 重なるようにIDG II n を制御するこ
Iab n
Ibc n
Ica n
ILbc n
IDG II n C
D
Re Im
(a)
C
D
Re Im
(b)
図3.16 AF出力電流の低減を基準としたIDG II n
とで,もっとも単相系統の高調波電流の低減効果が得られる。
また,不平衡度合いが著しいとき,図3.15(b)に示すようにILbc nの先端から線分 CDへ垂線を下ろせない場合がある。この場合は,原点から近い方の線分CDの端点 に向かうようにIDG II n を定めることでibc n を最小化できる。
AF出力電流の低減を基準とした場合
図3.16は最小限のAF出力電流で線電流の正相および逆相の実効値の和を最小化す る際のフェーザ図を示す。この場合,最小化範囲内でIDG n が最小となるように決定 すれば良い。したがって,図3.16(a)に示されるように,ILbc n の先端から線分 CD へ下ろした垂線とIDG II n が重なるとき,最小限のAF出力で三相系統の高調波電流 を最小化できる。
前項と同様に,この場合にもILbc nの先端から線分CDへ垂線を下ろせない条件が 存在する(図3.16(b))。この場合,ILbc nの先端から近い方の線分CDの端点に向か
うようにIDG II n を決定することでAF出力を最小化できる。
AF接続相の電圧ひずみの抑制を基準とした場合
AF 接続相の電圧ひずみを考慮した場合,Ibc n は原点から線分 AB(および線分 BD)の中点に向かうように制御される。すなわち,前項で示したように正相電流と逆 相電流の実効値が等しい状況となる。
isa n
isb n
isc n iab n
ibc n
ica n vLsb n
vLsc n
DG II