DG II vbc n
4.5 実験結果
Requiredpowerratio 1.4
1.0
0.0
0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2 1.3
k2
: Sp ab/Sc ab : Sp ca/Sc ca : Sprop/Sconv
図4.4 従来法と提案法の所要容量比(k1= 1)
る。したがって,提案法によりa-b相間のAFの所要容量は8% 減少する。c-a相間 のAFの容量比について,k2 の変化に応じて大きく変化することがわかる。k2 = 0.7 のとき容量比は約1.19であり,従来法と比較して提案法は19 %の容量増加となる。
一方で,k2 = 1.3のとき容量比は約0.84であり,従来法と比較して提案法は16 %の 容量低減となる。総容量について,k2に応じて変化しているが,一様に0.65程度の値 となることがわかる。したがって,提案法を用いることで高調波補償に必要なAFの 総容量は35%低減可能となる。
ipa
ipb ipc
vab vbc vca
isa
isb isc
iab
ibc
ica
iAF I CLRab Rbc iAF III Rca
AF I AF III
LAF I LAF III
LL
200 V / 100 V
図4.5 実験回路
表4.2 実験における各定数
power capacity of three-phase transformer 5 kVA total diode rectifiers capacity 1.1 kVA
load ac inductor LL 4 mH (11%)
dc capacitor CL 2200 µF
load resistor u-v Rab 125 Ω
load resistor v-w Rbc 80 Ω
load resistor w-u Rca 40 Ω
ac reactor 1 LF I 2 mH (6%)
ac reactor 2 LF III 5 mH (14%)
DG dc capacitor CF 1000 µF
3ϕ, 100 V, 50 Hz, 1.1 kVA base
図4.6は,AF 動作前における三相変圧器一次電圧,三相変圧器一次電流,三相変 圧器二次電流,および相電流の波形を示す。図4.6より,すべての電流が大きく歪ん でいることがわかる。また,波形振幅が相ごとに異なることから,負荷不平衡である ことが確認できる。表4.3は,図4.6 における各電流の3, 5, 7 次高調波成分,およ びTHDをまとめたものである。各電流の高調波成分より,3次および5次高調波電 流が7次高調波電流に比べて大きく,支配的であることがわかる。最上位の電流ipa, ipb, ipcのTHDはそれぞれ40.8%,52.1%,28.5%であった。ほぼすべての電流波形 のTHDが30%以上の数値であり,この結果からも多量の高調波電流が,負荷から発 生し三相電源に流入していることがわかる。
vab vbc vca
ipa
ipb ipc
isa
isb
isc
iab ibc
ica
Source voltages (200 V) (V) 0
350
-350
Primary currents of transformer (A) 0
7
-7
Secondary currents of transformer (A) 0
12
-12
Single-phase source currents (A) 0
12
-12 10 ms
図4.6 AF動作前における各部の電流波形
表4.3 AF動作前における各電流の高調波成分とTHD
Current 3rd (A) 5th (A) 7th (A) THD (%) Primary currents
of transformer
ipa 0.9 0.9 0.3 40.8
ipb 0.7 0.8 0.0 52.1
ipc 0.2 0.6 0.3 28.5
Secondary currents of transformer
isa 1.1 1.6 0.2 32.5
isb 0.6 1.4 0.3 40.4
isc 1.6 1.2 0.4 35.2
Single-phase source currents
iab 1.0 0.7 0.2 58.2
ibc 1.6 0.8 0.2 63.4
ica 2.6 1.0 0.3 54.7
vab vbc vca
ipa
ipb ipc
isa
isb
isc
iab ibc ica
Source voltages (200 V) (V) 0
350
-350
Primary currents of transformer (A) 0
7
-7
Secondary currents of transformer (A) 0
12
-12
Single-phase source currents (A) 0
12
-12
output current of AF I (iAF I) (A) 0
12
-12
output current of AF III current (iAF III) (A) 0
12
-12 10 ms
図4.7 AF動作後における各部の電流波形
図4.7は,AF動作後における三相変圧器一次電圧,三相変圧器一次電流,三相変圧 器二次電流,相電流,および各AFの出力電流の波形を示す。図4.7の三相変圧器一 次および二次電流について,すべての電流波形が正弦波形状になっている。相電流に 関しては,波形が大きく歪んでおり,図4.6に示すAFが動作前と波形が変化してい る。このときの補償電流の実効値IAF I,IAF III はそれぞれ1.3 A,2.2 Aであった。
表4.4は,図4.7におけるAF出力電流を除いた各電流の3, 5, 7次高調波成分,お
表4.4 AF動作前における各電流の高調波成分とTHD
Current 3rd (A) 5th (A) 7th (A) THD (%) Primary currents
of transformer
ipa 0.0 0.0 0.0 1.2
ipb 0.0 0.1 0.0 3.9
ipc 0.0 0.1 0.0 4.1
Secondary currents of transformer
isa 0.1 0.1 0.1 2.7
isb 0.1 0.1 0.1 5.5
isc 0.0 0.1 0.0 2.2
Single-phase source currents
iab 1.6 0.8 0.2 68.9
ibc 1.6 0.8 0.2 64.5
ica 1.6 0.8 0.2 35.8
Harmonic current contained by ibc (ibc h) (A) 0
5
-5
(A) 0 5
-5 10 ms
Zero-sequence current (izero)
図4.8 ibc h と izeroの実験波形
よびTHDをまとめたものである。三相変圧器一次および二次電流が含む高調波成分 は,AF動作前と比較して大きく低減している。最上位の電流ipa, ipb,ipcのTHDは それぞれ1.2%,3.9%,4.1%であり,こちらもAF動作前と比較して大きく低減して いる。さらに,注目すべきは,相電流iab,ibc, icaに含まれる高調波電流の値が等しい 点である。
∆結線内を環流する成分は iab, ibc, ica の共通成分,すなわち零相成分に等しい。
そこで,零相電流の定義式に基いて,環流電流izeroを以下の式で定義する。
izero= iab+ibc+ica
3 (4.36)
izero before after AFs operate.
(A) 0 5
-5
(A) 0 5
-5 10 ms
izero after AFs operate.
図4.9 AF動作前後のizero
図4.8は,実測波形をもとに計算により得られたibc hとizero の波形を示す。図4.8 からわかるように,ibc h とizeroはほぼ等しい波形となっている。僅かに波形が異な るのは,izeroに基本波成分の零相電流が含まれるためと思われる。この結果と表4.4 より,AF動作後のiab, ibc, ica に含まれる高調波電流の位相・振幅は互いに等しく,
すべて零相電流に変換され単相負荷とAFを介して環流していることが確認できる。
AF IとAF IIIが高調波抑制に要した電力はそれぞれ134 VA,217 VAであった。
また,(4.26)式に基いて提案法におけるAF IとAF IIIの所要電力容量を計算すると,
それぞれ143 VA と195 VAであった。ここで,(4.21)式と実測の負荷電流値を用い て従来法における補償電流の計算をし,電力容量を求める。その結果,a-b,b-c,c-a の各線間で従来の高調波補償を行う場合に必要な電力容量はそれぞれ121 VA,178
VA,289 VAとなった。以上より,従来法と提案法のトータルの容量はそれぞれ588
VAと351 VAとなり,従来法に対し提案法使用時のトータル電力容量は60%に低減
する。
図4.9は,AF動作前後におけるizeroの電流波形を示す。AF動作前におけるizero
は負荷電流に依存しており,主な成分は3次高調波成分となる。一方で,上述したよ うに,AF動作後の izeroはibc h に近い波形形状となる。AF動作後の izero は,AF が接続されていない相から発生する波形形状に等しくする必要があるため,制御する ことができない。したがって,AFの接続状況や負荷状況によっては,AF 動作後の
izeroが非常に大きな値となる可能性がある。環流電流の増加は,配電線の抵抗成分に よる損失増大や,柱上変圧器の損失増大に繋がる重要な問題である。この問題は,AF 二相接続時で高調波抑制を行う際の欠点の一つと言える。