3.4 3 次高調波環流法
3.5 実験結果
AF Iのみを接続した回路による実験を行い,提案法の妥当性を検証する。本実験に おけるAFの動作は従来法と提案法の二種類であり,以下のような動作となる。
従来法 · · · 近傍に接続された負荷が発生するすべての高調波を抑制
提案法 · · · 3次高調波を平衡状態に調整し,5次以降の高調波は従来法と同様に抑制 図3.12は,実験回路における三相変圧器の一次電流波形ipa,ipb,ipc とAF出力 電流波形iAF I を示す。実際に測定した波形には三相変圧器の励磁電流が含まれてい たが,図3.12では励磁電流を取り除いた波形を示している。AF動作前において,す べての線電流が大きく歪んでおり,ipa,ipb,ipcのTHDはそれぞれ26.3%,29.8%,
[V] 0 350
-350 Line voltage (vab, vbc, vca)
[A] 0 8
-8 Line current (ipa, ipb, ipc) (a) No Compensation
[A] 0 8
-8 Line current (ipa, ipb, ipc)
[A] 0 8
-8 Compensation current (iAF I) (b) Conventional control
[A] 0 8
-8 Line current (ipa, ipb, ipc)
[A] 0 8
-8 Compensation current (iAF I) (c) Proposed control 10 ms
vab vbc vca
ipa ipb ipc
ipa ipb ipc
ipa ipb ipc
図3.12 実験波形
36.3%であった。また,ipbの振幅が他の線電流より大きいことから,負荷不平衡であ
ることが確認できる。AFの従来動作後,ipb の波形が大きく変化し,その他の波形は 僅かに変化をしている。この時のipa,ipb,ipc のTHD はそれぞれ30.5%,28.6%,
29.9%であった。AFの提案動作後,従来動作と同様にipbの波形が大きく変化し,そ
の他の波形は軽微な変化を示した。また,ipa,ipb,ipc のTHDはそれぞれ23.1%,
表3.1 三相変圧器一次電流の次数別高調波電流量とTHD(図3.12)
current i3 (A) i5 (A) i7 (A) THD (%)
ipa 0.29 0.52 0.17 26.3
(a) No compensation ipb 0.64 0.71 0.05 29.8
ipc 0.35 0.70 0.11 36.3
ipa 0.49 0.50 0.15 30.5 (+ 13.8%) (b) Conventional control ipb 0.93 0.31 0.02 28.6 ( - 4.0%)
ipc 0.43 0.51 0.13 29.9 ( - 4.2%) ipa 0.05 0.51 0.16 23.1 ( - 17.6%) (c) Proposed control ipb 0.04 0.28 0.04 8.9 ( - 70.1%) ipc 0.06 0.51 0.14 24.2 ( - 33.3%)
8.9%,24.2%であった。
表3.1 は,各電流波形における次数別の高調波含有量と THD をまとめたもので ある。従来動作時のipa の THD を見ると,AF 動作前と比較して波形のひずみが
13.8%増大している。一方で,提案動作時においてはipa のTHDは,動作前のTHD
に対して,70.1%減少している。次数別の高調波電流量に着目すると,5次・7次高調 波電流に関しては,提案法と従来法では大きな差異がないことがわかる。しかしなが ら,3次高調波電流に関しては大きく異なっている。従来法使用時には,すべての線電 流の3次高調波が増加しているのに対して,提案法使用時にはすべての相の3次高調 波がほぼゼロとなっている。以上より,提案法が三相系統の3次高調波電流抑制に有 効であることが示された。
また,補償電流に着目すると,従来法よりも提案法の方が振幅が小さいことがわか る。従来法および提案法使用時における補償電流値は,それぞれ3.19 Aおよび1.88 Aである。したがって,この条件において提案法は約40%の所要容量低減効果がある ことを示した。