最期の語りとその場の空気、そして、 第5章
Sさんの⼿を握りながら妻・妻の⺟の語り
✿Sちゃんと出会えたから、私いろんなとこに⾏けて幸せやった
✿誕⽣⽇に携帯に⼊れてくれたメッセージいつも聞いてるよ
✿毎⽇、2時頃まで、⼆⼈で晩酌して、いろんなこと話して、楽し かった
✿道を歩いていてもいつも私を内側に⼊れてくれた。
✿いつも私を守ってくれた。これからも守ってや。
✿私のために、しんどくても病院に⾏ってくれたんや。
✿⾞を買って、琵琶湖を⼀周した時、
「頑張るわな」って⾔ってくれた。
✿本当にがんばってくれた。
✿運転免許の更新も、しんどいのに付いて きてくれた。
✿なんか時間を無駄にしたらあかんなって 前から感じていた
❀前の病院の先⽣がもっと早く⾒つけてくれはったらな〜
✿私も悔しいね。でも思わんとこと思って。
これがSちゃんの運命やったんや。
私の運命でもあるね。
✿お⺟さんは、最後どうしてほしい
?
私の時もこうしようと思って・・・✿おひつに⼊る前にいい⼈たちに出会えてよかつたと⼆⼈ではなし ていた。
113
奥さんから私たちに・・・
話を聞き焼酎でお⼝を湿らせていただく
✿12⽉ぶりやな〜
その後苦痛表情あり、レスキューの効果まち、背中をさすっている とNSに・・・
✿⾔っておきたいのですが・・・。
✿私達⼆⼈は⼈を疑うことが多くて。
✿だから、にしがもさんが、はじめから沢⼭来て、本当に親切にし てくれはり、何回も来てくれはるのをみて、そんなはずがないと 思った。
世の中にはそんな⼈いないと疑った・・・すみませんでした。
✿周りには、そんなひといなかった。
ひとのことをこんなに⼼配してくれはる⼈がいるはずが・・・。
⾝に染みて感じた。
✿本当に最後にいい⼈たちに出会えてよかつた。
✿もう⾔えないといけないので、伝えておきたかった。
114
♡仲のよいご夫婦で、お互い思いやりながらも、病気が⾒つかっ てからの⽇々を
精⼀杯⽣きてこられたんだな〜と。
♡⾃分の病気のことはSさんが⼀番感じ、その上で奥さんに頑張 ると伝え、
最後まで抗がん剤治療を望まれたのかもしれないな。
♡そして、ご夫婦で紡がれた今まで物語があり、過ごしてこられ たお家で・・・
こうしてこころの折り合いをつけいかれるんだな〜。
〜邪魔にならない距離とあったたずまいで、
またひとつ癒しをいただきました〜
2時 TEL)
今、息を引き取りました
訪問)✿最後まで、家にいられてよかっ たです
たった12⽇間、そしてかかわったのは
6
⽇間でした。でも、緊張したり、伺えない時も
「どーしてはるかなー」「痛くないかなー」と・・・。
また、無我夢中で病院に⾛りかっこ悪くジタバタしたり、
そして、最後に素敵な物語の語りに癒されて、とても⼤切な12
⽇間でした。
もっと早く、お会いできればとも思いますが、きっとこれがHさ んや奥さんの物語に私達が出場するタイミングだったのでしょう その時が患者さんとご家族の物語の中で、私たちの寄り添いを必か・・・
要して下さっている章なのだと・・・
115
苦しくても・ 300 分の1といわれても、紡ぎたかった 夫の希望と⺟としての物語
〜よろしくおねがいしますねから教えていただいたお誕⽣⽇会の意味〜
○患者さん:Aさん・44歳・⼥性
○病名: 乳癌術後、多発肝転移、多発肺転移、癌性リンパ管症 多発リンパ節転移、多発⾻転移、癌性胸⽔、癌性胸腹膜炎
○家族歴
○⽣活歴:京都市⽣まれ。⾼校卒業後介護職をしていた 学⽣時代に知り合ったご主⼈と結婚
出産後、退職し⼦育てに専念
⾼校では演劇クラブの所属し、友⼈も多い
(⼼臓疾患
6
回⼿術)脳性⿇痺(⾞いす の⽣活)
現役の看護師
(緩和ケアについ て知識・理解あ インフォームドコり)
ンセント時のKP 現役の介護職
治療⽅針の決定 KP 介護職をしてい
出産後は⼦育てた に専念 介護のKP
116
呼吸困難感 全⾝倦怠感 ADLの低下誤嚥 夜間のせん妄
NK細胞への期待と落胆 300分の1にかけたい
✿仕事を休むか・・・
✿⼦供たちを どうしていったら
いいのか
よろしくお願いしますね」
✿オピオイドへの 不安✿状態が悪くなって
いったら・・・
✿お薬を忘れた から状態が悪 くなったの?
✿NK細胞が受け られるか トータルペイン
(ひとみさんと ご家族)
117
病気の経過
X年
7
⽉:左胸筋温存術乳房切除術、腋下リンパ覚醒術施⾏術後
→
抗がん剤、放射線、ホルモン療法施⾏X+
3
年6⽉:採⾎でCEA+CA15
-3
の上昇→
胸腹部CT+⾻シンチ↓
右肺の多発転移、腰椎の⾻転移、右眼窩⾻転移認める ホルモン療法剤変更
X+
4
年3
⽉:⾻転移多発に増悪(胸椎・肋⾻・⾻盤)、左胸⽔、リンパ節転移
↓
化学療法は希望せず
→
ホルモン療法の変更 X+4
年7⽉:全⾝倦怠感にて受診→
胸⽔増量↓
本⼈・夫とも、薬物療法は希望せず、CART療法を希望され 他院で実施
X+
4
年9
⽉:呼吸苦増悪にて救急搬送→
胸⽔持続穿刺 ⼊院→
多発多臓器転移家族に説明
→
今後は、免疫療法を希望 B病院ではダメ!118
退院前カンファレンスの内容
病院主治医
✿今までの経過病状説明
✿予後は、数週間〜数⽇単位。退院も困難かも?しかし・・・
✿NK細胞の希望あり、⼊院しておいていただくことは困難
✿呼吸困難・全⾝倦怠感増強しているが
内服コントロールも、C医院(免疫療法の医院)から処⽅
されているのでそのままにしている
✿胸腔ドレナージ(
1
⽇800
CC程度)✿本⼈
→
病名は知っているが、予後については知らない⾝体的状態
✿⽀えてトイレのみ歩⾏(動けなくなるとダメになる)
✿⾷事摂取困難・薬はなんとか飲んでいるが誤嚥の可能性!
✿呼吸苦あり、置き場のないような全⾝倦怠感あり。疼痛なし
✿⼊院中時々せん妄様の症状あり
119
受⼊れ依頼〜退院まで
2
⽇ 1⽇在宅療養⽀援診療所主冶医
訪問看護
福祉⽤具
医療器具
⼤学病院
地域 連家室
マネジャーケア
薬 剤 師
免疫療法医師・
看護師
リハビリ訪問
訪問介護
Aさん
ご主人
長男 次男 三男
姉 母
ご主人の姉
介護保険申請
1⽇
診療所事務員
120
退院時(⾃宅)の本⼈家族の思い
本⼈の思い ✿家に帰りたいと⾔っていたい
✿
N
細胞は⾃分で受けると決めた✿ベット上で「よろしくお願いします」
ご主⼈の思い ✿
N
K細胞療法を受ければ元気になる。あきらめて いない✿
300
⼈に1
⼈しか効果がなくても、その1⼈に….
✿薬は⼝から飲ませたい。
飲めなくなるとだめになるということだと思う
✿⼦供たちには、あわせていない。ショックを受ける
✿モルヒネを使うということは、眠ってしまうという ことか?
✿ステロイドは怖い薬である
⺟と姉の思い ✿しんどくないようにしてやってほしい
の・・・と違いつも う???
何故そう思うの か?
オピオイドの 説明
121
退院⽇の緩和
✿⾝体的苦痛の軽減
○呼吸困難
○胸⽔(胸腔ドレーンによるメリット・デメリット)
○全⾝倦怠感 ○
ADL
の低下✿こころの準備
○内服の変更への不安。
○投与経路の変更の必要性・メリット・デメリットについて
○残された時間
✿社会的 ○⼦供さん達を、⺟親にあわせるか・・・
○ご主⼈のお仕事はどうするか
✿スピリチュアル ○
300
⼈に1
ひとりにかけているとご主⼈○オキシコンチン
10
-5mg1
-1
錠 朝・⼣○サイトテック
200
mg2
錠 朝・⼣○セレコックス100
mg2
錠 朝・⼣○ノバミン5mg3
錠 朝・昼・⼣○
Q10
○ヨウ素⽔ ○メラトニン ○リポカプセル○VC⼤量注射(⼊院前)
○アルブミン⾃費注射(⼊院前) ○NK細胞療法(退院後予定)
○
MS
コンチン20
mg2
錠8
時・20
時○オプソ○リンデロン
0.5
mg4
錠 朝○タケプロンOD15
mg1
錠 朝○セレコックス
100
mg2
錠 朝・⼣○ノバミン5mg3
錠 朝・昼・⼣○ダイアート
30
mg1
錠 朝※
現在は下痢のため下剤は追加せ ず。122
3⽇⽬<インフォームドコンセント>
・せん妄
→
⾎液データー TP・アルブミン・肝機能・Na・Caの低下 あり。・薬服薬困難・残された時間は数⽇と思われる
・嚥下も困難であり持続⽪下注のほうが安定し苦痛が緩和すると思われる
↓
・介助するので⼝から・・・薬をもませたい。
胸の管はそのままにしておいて・・・
・夫の表情より
→
何かお聞きしておくこことはありますか?↓
・オプソを服薬すると、もとの
(
MSコンチン)
の量が増えるのではないかと思い
↓
・勝⼿に増やしませんよお薬を増やすことなど含めてなんでも⼀緒に相談 していきましょうね
↓
・ご主⼈より笑顔みられる
✿⾝体⾯
→
呼吸苦増悪時 オプソ服薬し、その後⼊眠⇒
夜間咳が増えるため眠前にオプソを服薬するよう説明 せん妄→
適量の点滴・眠前にジプレキサ左胸部アスピレーションキット
→
700ml✿精神⾯
→
・適時、オピオイド・ステロイド増量必要と思われるが ご主⼈の不安強く、再度説明も様⼦みるTEL
:MSコンチンの投薬忘れていた、そのことがしんどさにつながったのかと✿社会⾯
→
久しぶり⼦供さんと過ごす時間を・・・⺟親としてしっかり声掛けをされる こどもたちはテレビゲーム
✿スピリチュアル
→
注射にしてしまうと死ぬのをまっているだけのような気がして受け⼊れられな い、⾃分で飲ますから・→
薬できない場合に為、アンペック坐薬準備123
<夫・⺟・姉・夫の姉 インフォームドコンセント> 7⽇⽬
Dr:来週の⽉曜⽇、NK細胞療法は受けられるかどうかわからない。
夫 :亡くなる時は⼼臓か?肺か?どちらが悪くなるのか?
Dr:胸⽔がたまっており、次第にあえぐような呼吸になってくる その時は⼆酸化炭素がたまり意識はうすらぎ本⼈はしんどくな い
現状として夜間もう少し眠れるようにしてあげたい。
家族も安⼼では?
夫:脱⽔の弊害をいままでみてきた。何とか点滴をしてほしい 川島なおみさん、免疫療法で寿命をちじまたのでしょうね。
抗がん剤を頑張っていれば、少しでも⻑く⽣きられたかもしれな いですね