• 検索結果がありません。

第 4 章 課題解決のプロセス 13

4.6 星座ライト

 一層目では光源から光が直接当たらないよう光をぼかすための紙を挟み、二層目で天の川の形に なるように投影する、となるようにした。ピンホール投影機と同時に投影することを考慮して、明 るすぎたり暗すぎないように一層目での光量の調整はとても重要となった。いくつかプロトタイ プを制作し、実際に投影を行ってみた。しかし、なかなか思っているような天の川を投影すること ができなかった。その後、インターネットを使って調べたり、光源を変えてみたりなど行ってみた が、結局、思うような天の川投影機は完成させることができなかった。

(※文責:鈴木陽亮)

め、今回の星座ライトレンズと反射鏡を取り除き、電球を裸のまま使用した。

 このレンズと反射鏡を取り除いたことで、ライトが点灯しなくなった。ライトの構造上、ヘッド 部を外して電池を挿入するのだが、電池と電球をヘッド部で押さえつけ電気回路を作っている。そ のため、レンズと反射鏡を取り除いたヘッド部では押さえつけるこができない。したがって、電球 と電池の接触が悪く明かりが付かなくなる。

  そこで、ヘッド部の役割をする代わりのものを用意した。代わりとなるものは発泡スチロール を素材として使用した。発泡スチロールは、用意した立方体をライトの少し大きめの直径10.2cm の大きさで厚さ4cmに切り取った。ここでは、ライトの大きさに合わせた直径10cmではなく、そ れよりもわざと大きめに切り取ることで、伸縮性がある発泡スチロールをライト本体の内側に引っ かかることができるようにした。内側で引っかかる力が無ければ、電球と電池を押さえ込むことが できず、電球と電池の接触が悪くなってしまうことを防ぐためである。さらに、中心に直径6cm の円の穴を空け、バウムクーヘンのような立体を作った。これにより、中心に空けた穴から電球を 覗かせ、かつヘッド部の代わりに電球と電池を押し込むことができた。

 そして、発泡スチロールを押し込んだ上から赤い透明な下敷きをテープで貼り付けた。下敷き は、直径6cm の穴を塞ぐことができればいいので、直径6cm以上の大きさに切り取った。ただ し、大きくし過ぎるとテープを張る隙間がなくなってしまうため、直径7cm が妥当である。

 この赤い透明な下敷きは、ライトの光量を防ぐことと、ピンホール投影機で使用しているライト と区別をつけるために使用した。元々のライトの光量は強く、ピンホール投影機で映し出された星 を消してしまうため、光量を抑える必要があった。また、用意したライトとピンホール投影機に使 用しているライトの色は、どちらも電球色だったため、同じ色の分さらにピンホール投影機の星が 消えてしまっていた。それを改善するために用意したものが、この赤い透明な下敷きである。

4.37 加工したライト

筒制作

プラスチックダンボールとは、中空構造となっており、5mm程度までならカッターナイフなど で簡単に切断することができる。紙ダンボールと同様に断裁、罫線、トムソン加工ができるので、

紙ダンボールでつくれる形状はほとんどつくることができる。また、紙ダンボールの十数倍の耐久 性がある。筒の制作にはこのプラスチックダンボールを使用した。

 まず最初に、プラスチックダンボールを筒の形にするために曲げる必要がある。しかし、このま まの状態だと曲げにくいため、中空構造の片面をそれぞれカッターで切断した。全ての中空構造 を切り終わったら、切断していない面を内側にしてライトに巻きつけた。そして、1周巻きつけ終 わっている部分に目印を付けて、さらにその目印をつけた部分を、中空構造に沿って切断した。こ れらの工程でライトの直径の長さのプラスチックダンボールが完成した。

 次に、筒の長さを約10cmに設定して、中空構造と垂直に切断した。この10cmという長さは、

何度も繰り返しドームの中心から星座ライトを使用し実験した際に、ピンホール投影機で映し出し た星と星座の大きさがおおよそ合致していたため、この長さに設定した。これを再度ライトに巻き つけ、余分な部分が無いかを確認しその余分な部分があれば、中空構造1本分を端から切断して直 径の長さを調節する。

 そして、ライトに巻きつけたプラスチックダンボールが、ちょうどいい長さと判断できたら、そ のままガムテープでプラスチックダンボールの外面をきっちり固定する。このとき、ガムテープで の固定が緩いと、きれいな円を描くことができず、星座を正確に映し出せなくなってしまうため、

慎重に固定しなければない。

4.38

星座の絵の型紙制作

型紙の制作の通常の作業工程としては、型紙にその星座の絵を書き写し、その星座の周りを切り 取るのだが、今回はレーザーカッターを使用した。

 まず、星座の絵となるネタは天文シミュレーションソフトウェアのステラナビゲータに入ってい るものを使用した。今回は全部で16種類のピンホール投影機で投影可能な星座を選択した。その 星座は、おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座、さそり座、

いて座、やぎ座、みずがめ座、うお座の占星術に用いられ、身近に知られている黄道十二星座と、

はくちょう座、オリオン座、こぐま座、おおぐま座の一般的にメジャーな星座を選択した。

 このソフトウェアの星座の原画を、イラストレーターで型紙に合わせて、それぞれの星座を直径 10cmのサイズに調整した。そして、イラストレーター上で、直径21cmの円形を4つ描き、さら にその円の中心に直径2mmの円をそれぞれ描いた。この21cmという長さは、直径21cmの円の 中に、直径約10cmの円を4つ、四葉のクローバー状に重ならないように描くことができるよう考 えてある。この4つの円に先程の工程で調整した星座を当て嵌めた。その際に、星座のイラストの 向きの上側を、それぞれ直径21cmの円の中心に向かって配置した。

 これでイラストレーター上で作成した描図を型紙にレーザーカッターで切り取った。切り取った

それぞれの型紙の中心に、竹串を突き刺した。このままの状態で筒に型紙を装着してみると、長さ 調節のために切り取った筒の断面が粗くなっており、この断面と、切り取られた星座の細部が引っ かかってしまい、回転がスムーズにいかなかった。この回転をスムーズにするため、直径3cm 厚さ5mmの円形の発泡スチロールを2つ用意し、型紙の中心に合わせて両側とも木工ボンドで接 着した。

4.39 型紙

星座ライトの組み立て

それぞれ制作した、ライト、筒、型紙を組み合わせていく。まず筒は、ライトの大きさに調節し ているため、ライトの外側に装着した。さらに、竹串を刺した状態の型紙を筒の中空構造に刺し入 れた。ここで型紙がスムーズに回転するかを確認し、問題がなければ完成である。このとき、回転 に問題がある場合は、筒と型紙の間に挟んでいる、発泡スチロールの厚さを厚くして調整する。以 上がこの星座ライトの制作過程である。星座ライトの制作期間に、1ヶ月を費やした。

4.40 星座ライト

(※文責:川端天駿)