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日立の研究開発と知的財産

ドキュメント内 CSR 44 CSR CSR (ページ 49-56)

テクノロジーイノベーションセンタ

 テクノロジーイノベーションセンタは、日立製作所および横浜研究所と中央研究所の一部を統 合し、エネルギー、エレクトロニクス、機械、材料、システム、情報通信、制御、生産、ヘルスケア の

9

つのセンタから構成される組織です。約

2,000

人の体制で、社会イノベーション協創センタ が開発するソリューションに必要な技術基盤の強化や技術の融合、革新的製品の研究開発に取り 組んでいきます。

基礎研究センタ

 基礎研究センタは、将来にわたる日立の持続的な成長を実現するため、長期的視点で最先端 の研究開発を進めるとともに、グローバル、そしてオープンに、さまざまな研究機関との連携を 通じ、次の社会イノベーション事業の芽を創生します。お客様や地域コミュニティと議論しながら 長期的課題を見いだし、解決へのビジョンを描きます。約

100

人の体制で探索型基礎研究を推進 し、新領域を開拓していきます。

研究開発グループの体制

新体制がめざす研究開発

 新体制では、インフラ技術と

IT

とを併せもつ日立の強みを発揮し、双方を組み合わせて、お客 様の課題を解決するソリューションを提供していきます。

 エネルギー、都市、交通、ヘルスケアなど、日立が注力する事業分野でクロスファンクショナルな ソリューションをグローバルに展開し、お客様との協創で独創的なイノベーションを創生します。

 また、数年後までの短期・中期的な視点、

100

年後までの長期的な視点の双方から、日立がど のように社会に貢献できるかを分析し、新たな研究開発に取り組みます。

〜2015年3月 2015年4月〜

研究開発グループ 研究開発グループ

技術戦略室 技術戦略室

中央研究所 日立研究所

横浜研究所

デザイン本部

海外研究拠点

社会イノベーション協創統括本部

テクノロジーイノベーション統括本部

基礎研究センタ

東京社会イノベーション協創センタ 北米社会イノベーション協創センタ 中国社会イノベーション協創センタ 欧州社会イノベーション協創センタ

エネルギーイノベーションセンタ エレクトロニクスイノベーションセンタ 機械イノベーションセンタ 材料イノベーションセンタ システムイノベーションセンタ 情報通信イノベーションセンタ 制御イノベーションセンタ 生産イノベーションセンタ ヘルスケアイノベーションセンタ

日立の研究開発と知的財産

0 0.5 1.5

1.0 2.0

2010 2011 2012 2013 2014 1.13 1.00

1.24 1.52

1.79

0 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000

2010 2011 2012 2013 2014 3.7%

3,514 3.8%

3,413 4.3%

4,125 4.2%

3,951

3.4%

3,355

研究開発計画と予算

グローバルにおける研究開発の強化

 日立の研究開発費は、売上高の約

3%

に相当する額を維持しており、グループとしての研究開 発の投資効率1を経営指標の一つとして管理しています。

 日立製作所では、研究開発費をターゲット別に戦略的に配分しています。開発費を支出する分 野は、主に事業体主導の事業ロードマップに基づく社内カンパニー やグループ会社からの依頼 研究・先行研究と、技術戦略室主導の技術中長期計画に基づく先端・基盤研究の

2

つに分けられ ます。依頼研究・先行研究は、主力事業の拡大・成長を目的に

3

5

年内の実用化をめざしてお り、先端・基盤研究は、将来の主力事業となる革新的技術の創出をめざすものです。

 今後も経営戦略に沿った研究開発に取り組み 、日立の事業拡大とグローバル展開の加速に貢 献していきます。

*1 投資効率:営業利益を研究開発費で割った値(ROI:Return on Investment)

 新たに発足した「社会イノベーション協創センタ」は、東京(

APAC

含む)・北米・中国・欧州に拠 点を設置し、フロント組織として、お客様の近くに研究者を配置し、イノベーションの協創を進め ていきます。地域それぞれのニーズに対応できるよう、所属する約

500

人のうち 、外国籍の従 業員が約

300

人を占めています。

 日本では、デザインやサービス研究で培った顧客協創技法を活用し、アジア地域の主要な取 引先とソリューションを協創します。インドのバンガロー ル、シンガポー ルの

2

都市にも拠点が あります。

 米州には、サンタクララ、デトロイト、サンパウロの

3

拠点があります。ビッグデータアナリティ クス基盤を構築し、エネルギー、通信、金融、ヘルスケアなどの分野で先進ソリューションをお客 様と協創します。

 中国には、北京と上海の

2

拠点があります。昇降機や

ATM

などの主要な取引先と協創を強化 し、都市化政策の「新型城鎮化」や低炭素社会などの産業政策に応えるソリューションを実現して

いきます。

 欧州には、ロンドン、ソフィアアンティポリス、ミュンヘン、コペンハーゲン、ケンブリッジの

5

拠 点があります。標準化に強い欧州の市場創生活動に参加し、主要機関とともに成熟社会の課題 を解決する先進国向けソリューションを協創していきます。

(ROI) (億円)

(目標)

(年度) (年度)

主要指標

研究開発効率の推移(日立グループ) 研究開発費の推移(日立グループ)

研究開発費  対売上高研究開発費

日立の研究開発と知的財産

オープンイノベーションの推進

研究開発事例 研究開発の倫理審査

 日立だけでは実現できない革新的な技術開発を進めるため、日本国内外の研究機関、大学、

お客様と連携し、オープンな研究開発環境を維持しています。

 これまで、日立では英国のケンブリッジ大学には

1985

年度に日立ケンブリッジ研究所を設立、

将来の計算機・デバイス・材料のイノベーションを先導する基礎物理の研究を進めてきました。中 国の上海交通大学には、

2012

年度に連合実験室を設置し、冶金材料の研究を進めているほか、

2014

年度現在、

85

の海外の研究機関、

246

の日本国内の研究機関と連携しています。また、海 外の研究者を有期雇用する研究者招聘制度「

HIVIPS

Hitachi Research Visit Programs

)」を

1985

年度から実施するなど、海外研究者との連携を深めています。

2015

年度からは、新しく発足した「基礎研究センタ」がオープンイノベーションのハブとなり、

次の社会イノベーション事業の芽を創生します。今後も社会課題の解決に貢献するオープンイ ノベーションにより、さらなる基礎研究の強化を図っていきます。

 日立では、行政の「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」および「臨床研究に関する 倫理指針」に基づいて倫理審査委員会を設置し、研究に着手する前に審査を行っています。

 日立の倫理審査委員会1は、ヒトの遺伝子解析情報を扱うことから、

2000

9

月に日本国内の民 間企業としては初めて設置されました。現在は、ヒトの遺伝子解析および遺伝子解析関連業務なら びに臨床研究を実施する場合は、過半数を外部有識者で構成する委員会で審査が行われています。

 なお、審査を必要とする日立製作所事業部およびグループ各社では、企業の社会的責任や研 究関係者に対する高い倫理観が求められています。

*1 日立では、2015年10月1日より倫理審査委員会の「臨床研究に関する倫理指針」を「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に変更

世界最高分解能のホログラフィー電子顕微鏡を開発

 高性能磁石や大容量二次電池、超低消費電力メモリデバイス材料、高温超伝導材など、高い 機能をもつ次世代材料の開発には、原子レベルの分解能で電磁場を計測することが重要です。

日立は

2010

3

月から、内閣府の最先端研究開発支援プログラムにより、独立行政法人日本学 術振興会の助成を受け、原子レベルでの電磁場観察を可能とする、

1.2

メガ(メガは

100

万)ボル トの加速電圧を備えた「原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡」を開発しました。エネルギーの 揃った高速電子ビーム、電子ビームを長時間安定して放出する電子銃、電子ビームや観察する 試料に対する振動・音響・磁場などのノイズを排除する設備技術の開発を行うことで、超高圧電 子顕微鏡としては世界で初めて、レンズの焦点ぼけを補正する球面収差補正器の搭載を実現し、

世界最高の分解能(点分解能)となる

43

ピコメートル(

1pm

1

兆分の

1m

)を達成しました。今後、

量子力学や物性物理などの発展と持続可能な社会を支える新材料の開発に貢献していきます。

原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡

日立の研究開発と知的財産

ヒト遺伝子解析と臨床研究に関する 倫理審査委員会

スムーズで正確な本人確認を実現するウォークスルー型指静脈認証技術

 指静脈認証は、近赤外光(静脈が鮮明に見える光)を指に透過させて、指の静脈パターンを観 察・認証する生体認証技術です。日立では、従来の

ATM

などの金融端末、入退室管理、モバイル 機器、自動車などでの利用に加え、多くの人が集まる大型施設のセキュリティゲート向けに、歩き ながら指をかざすだけで正確な本人確認ができるウォークスルー型指静脈認証技術を開発しま した。本技術により、歩きながらゲートにかざした複数の指の位置や向きを瞬時に検知し、ユーザ は指のかざし方に気を使うことなく、すばやくゲートの通過ができるようになります。また、指の 位置や向きに合わせて、近赤外光を最適な位置から照射し、各指の静脈パターンを組み合わせて 用いることで、従来の

1

本の指での照合に比べて認証精度をさらに高めました。今後、本技術を セキュリティソリューションの中核技術として、さらなる事業の拡大をめざしていきます。

ウォークスルー型指静脈認証ゲート

知的財産活動の展開

グローバル特許網の構築

 日立は事業戦略の一環として知的財産活動を重視しています。研究開発などから生まれた イノベーションや日立ブランドを、知的財産権に基づき保護するとともに、国際標準化活動を通 じて市場の拡大を図っています。

 グローバル事業を支える知的財産活動の一つがグローバルな特許網の構築です。日立の技術 が競合他社に不当に採用されるのを阻止、日立の技術をお客様にアピール、あるいは他社にライ センスし協業を支えることを目的として、研究開発などから生まれたイノベーションをグローバル に保護しています。日立は

2009

年度に

47%

であった海外への特許出願比率を

2014

年度には

59%

にまで引き上げました。今後も効率的にグローバルな特許網を構築・維持していきます。

 研究開発拠点のグローバル化に伴い、知的財産活動拠点のグローバル化にも取り組んでいま す。日立では、米国のニューヨークとサンフランシスコ、中国の北京と上海、ドイツのミュンヘン に知的財産活動の拠点を設置し、海外での研究開発活動から生まれるイノベーションの保護に取 り組んでいます。

 グローバル人財の育成も重要な課題です。日立製作所では

1964

年度から知的財産部門に海外 実務研修制度を導入し、欧米の特許法律事務所やグループ会社に研修生を派遣しているほか、海 外留学も実施しています。

2014

年度は米国に

4

人、ドイツに

2

人、英国に

1

人を派遣しました。

知的財産

ウォークスルー型指静脈認証技術に ついては、「イノベーション2015」で も紹介しています

日立の研究開発と知的財産

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