第 6 章 混種語における外来要素の特徴
6.4 日本語と韓国語の混種語における外来要素
6.4.1 外来要素の使用頻度と位置
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外来要素の使用頻度と位置を分析した結果、日本語も韓国語も混種語における外来要素 の位置は大きく前と後に分かれることが分かった。使用頻度から述べると日本語は混種語 の外来要素 719 の中で「使用頻度 1」の外来要素は 542 で、約 2/3 以上を占めている。一 方、韓国語は混種語の外来要素 366 の中で「使用頻度 1」の外来要素は 280 で、約 3/4 を 占めている。この結果から日本語に比べて韓国語の方に「使用頻度 1」が多いことが分か る。両言語ともに「使用頻度 2」からは急激に減るが、日本語は「使用頻度 2」からは「前」
より「後」の方が多い反面、韓国語は「使用頻度 2」でも前の方が多く、前より後が多く なるのは「使用頻度 7」以上である。<表 25>と<表 28>から見ると日本語の外来要素 719 の 中で「前」の第一造語成分は 292、「後」の最終造語成分は 262 であった。一方、韓国語は 外来要素 366 の中で第一造語成分は 207、最終造語成分は 109 であった。このようなこと から韓国語の外来要素の方が日本語に比べて第一造語成分として多く使われることが分か る。
次はその位置との関係を見ると「使用頻度 2」からは前か後ろのどちらかの一方で使わ れているものがあったが、大部分はそれだけでは前と後ろの外来要素を区別しにくい。た だし、日本語は「使用頻度 6」以上から、韓国語は「使用頻度 5」以上からは区別ができる ことが分かる。しかし、それが「使用頻度 10」以上になると複数の位置で使われるように なる。そのため、複数の位置で使われる外来要素がどこで多く使われているのかを分析し てみた。
複数の位置に来る外来要素の分析の結果では日本語は「使用頻度 6」までの外来要素は 実例を見ない限りそれが第一造語成分で使われていのるか最終造語成分で使われているの かが分かりにくい。しかし、「使用頻度 7」以上になるとその区別が容易になる。一方、韓 国語は頻度数とそれほど関係なく、第一造語成分として使われるものは一見するだけでも 第一造語成分で多く使われることが分かるが、最終造語成分として使われるものは前の成 分で多く使われるか後ろの成分で使われるかが分かりにくかった。
6.4.2 外来要素の新しさ
日本語の混種語における外来要素 719 の中で新語辞典に外来語の新語として載っている のは 12 である。一方、韓国語の混種語における外来要素 365 の中で新語辞典に外来語の新 語として載っているのは 25 で、日本語に比べて多い方である。混種語の外来要素として使わ
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れる場合の使用頻度と位置を見るとそのほとんどが「使用頻度 1」で、第一造語成分で使われ ていることが分かる。「中」で使われる外来要素は日本語にはなく、韓国語では一つだけであ る。また、韓国語も日本語も新しい外来要素が 5 以上使われるものはない。
6.4.3 共通の外来要素
両言語の混種語を造る外来要素は共通で使われるものがある反面そうではないものも あった。本節では両言語で共通に使われる造語成分としての外来要素について把握する。
日本語と韓国語で共通に使われる造語成分としての外来要素は 18 で、その詳細は次のよう なものである。
アイドル아이돌、インターネット인터넷、エコ에코、カード카드、カフェ카페、サービス서비스、
サイバー사이버、システム시스템、シルバー실버、スーパー슈퍼、スポーツ스포츠、スマート
스마트、ダイェット다이어트、テロ테러、デー데이、デジタル디지털、マンジョン맨션、マン 맨、ミニ미니、ラーメン라면、ロボット로봇
これらの外来要素は両言語の中で定着して使われているものである。外来要素の中で「エコ
에코、サイバー사이버、スーパー슈퍼、デジタル디지털、ミニ미니」などのように第一造語成
分として多く使われる。最終造語成分として多く使われるものは「デー데이、マン맨」ほどで ある。では、実際、日本語と韓国語の混種語における共通の外来要素はそれぞれ何回、どの位 置で使われているのかを見てみよう。<表 29>共通の外来要素の使用頻度と位置
日本語の外来要素 使用頻度と位置 韓国語の外来要素 使用頻度と位置
アイドル 2 後
아이돌
2 後インターネット 4 前、3 中
인터넷
1 前 エコ 6 前、1 中에코
1 前 カード 2 前、6 後、1 中카드
3 前カフェ 8 後
카페
2 後、1 中サービス 23 後、4 中
서비스
3 後サイバー 5 前
사이버
6 前(表は次のページに続く)
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システム 1 前、22 後
시스템
2 後シルバー 1 前
실버
1 前スーパー 5 前
슈퍼
2 前スポーツ 2 前、中 1
스포츠
3 前スマート 2 前
스마트
2 前ダイェット 1 前、5 後
다이어트
2 後テロ 2 前、2 後
테러
1 前デー 1 後
데이
7 後デジタル 9 前、1 後
디지털
10 前マン 1 後、1 中
맨
12 後マンジョン 2 前、6 後、1 中
맨션
1 前 ミニ 6 前、1 中미니
3 前、1 中 ラーメン 1 前、1 後라면
1 後 ロボット 1 前、1 後로봇
1 前、2 後表の中の数字は使用頻度数を、その次の「前、後、中」は使用される位置を表す。使用頻度 を見るとそのほとんどが日本の方が高いかまたは同様である中、最終造語成分である「デー、
マン」は韓国語の方が高い。同じ位置で頻度数 10 以上の差のある外来要素には「サービス、
システム、マン」などがある。日本語の場合「サービス」は最終造語成分の頻度数が 24、「中」
が 360であるのに対し、韓国語は全部が最終造語成分として用いられているが、3 しか現れてい ない。日本語の最終造語成分としての実例には「あかり安心サービス、書き込み監視サービス、
ポイント交換サービス、公的個人認証サービス、緊急地震速報サービス」などがあり、韓国語 の 3 語 は 「
끝장서비스
と こ と ん service 、문자알리미서비스
文 字 お 知 ら せ service 、이동뱅크서비스移動 bank service」である。また、
「システム」は日本語の場合第一造語成分 が161、最終造語成分が 22 であるが、韓国語は最終造語成分としてのみ 2 回現れる。日本語の 例は「雷監視システム、狭域通信システム、電子開示システム、早期警戒システム、内部統制 システム、津波予報システム」などで、韓国語の例は「교육정보시스템教育情報 system、주유소가격공개시스템注油所価格公開 system」などである。「マン」は日本語は最終造語成分
60 「中」の実例は「投資サービス法、公共サービス改革法、ワンストップサービス法、小規模 多機能サービス拠点」などである。
61 第一造語成分を含んでいる語は「システム障害」である。
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と「中」の成分62がそれぞれ 1 であるが、韓国語は第一造語成分方が 12 で、日本語より多い。
「건실맨健實 man、고배당맨高配当 man、공기업맨公企業 man、능력맨能力 man」などが韓国語 の例で、日本語にはイチジョウマン(一畳マン)」がある。これらは使用頻度に大きな差があっ てもその位置は同じである。
一方、位置が異なる外来要素63には「マンション」がある。「マンション」は日本語では最終 造語成分の頻度数が6であるのに対して韓国語の例には見当たらない。日本語の実例は「都心 コンパクトマンション、再開発マンション、ペット対応マンション、デジタル化マンション、
無添加マンション、シルバー仕様賃貸マンション」などである。一方、日本語の「マンション」
と韓国語の「マンション」はその語の持つ意味がお互いに対応しないため韓国語には見当たら ない可能性がある。日本語の「マンション」の意味に対応する韓国語は「アパート」であるの で「アパート」を含んでいる混種語があるかどうか調べてみた結果、「금깡통아파트金 can 筒 apart(apartment) 、깡통아파트can 筒 apart(apartment)」などがあった。最後に頻度数5以 上の差の中で位置も使用頻度もほぼ同様であるものには「サイバー사이버、デジタル디지털」
などがあった。