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第 7 章 結論

7.1 総合考察

7.1.1 各章のまとめ

本研究では、2001 年から 2010 年までの新語を対象にして 21 世紀現在の日本語と韓国語 における新語の特徴を語種の観点から把握した。新語を対象にした理由は現代語の語彙の 一側面や語がどのように作られているかを見るための対象資料としては新語がふさわしい という判断からである。新語の中でも特に外来語の位置と特徴を探り、語を造る際に外来 語がどれだけ関与しているのかということについて把握することを目的とした。

第 1 章では、このような研究の背景及び目的について述べた。

第 2 章では、先行研究を検討し、本研究の意義について述べた。語種の観点から現在の 新語における量的変動を把握する点、新語の範囲を特定の分野ではなく全分野を対象にし ている点、新語を成している造語成分全体の分析を行っている点、漢語だけに注目してい る今までの研究に対して本研究は外来語に注目している点などの観点から本研究の意義を 主張した。また、語を造る際の外来語の関与について把握するためには対照研究が必要で あるということが本研究のきっかけになったことも強調した。

第 3 章では、本研究で使う資料と対象、調査単位などについて述べた。本研究では今現 在の語を対象にするため、新語の中でも 21 世紀が始まる 2001 年から 2010 年までの 10 年 間の新語を対象にした。野村(1977、1984)では 1955 年と 1975 年の新語、1960 年と 1980 年の新語の比較を通して外来語の増加が著しいことを述べているが、それとも比較する必 要があると考え、調査単位は野村(1984)と同じくβ単位を採用した。

本論の第 4 章では、日本語と韓国語における新語の語種構成の特徴をより明らかにする ため、新語と語彙全般を対照しながら分析を行った。第 4 章の目的は語彙全般と新語の語 種構成において差があるかどうか、そこから見られる新語のみの特徴は何か、日本語と韓 国語の新語の特徴には違いがあるかどうか、新語における外来語の使用の様相はどうかと いうことを明らかにすることである。

分析の結果、語彙全般と新語の語種構成からは日本語も韓国語も語彙全般の語種では漢

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語と固有語が高い割合を占めているのに対し、新語では外来語と混種語の割合が高かった。

また、語種構成の比較では両言語ともに混種語、漢語、外来語、固有語の順であったが、

韓国語は日本語に比べて固有語が、日本語は韓国語に比べて外来語が多いことが分かった。

次に新語において割合の高い外来語と混種語を比べると日本語でも韓国語でも混種語が新 語の 40%台を、外来語は 20%台を占めていた。しかし、新語における外来語の割合と語彙 全般における外来語の割合を比べると前者の方が非常に高かった。ところが、これを昔の データ(韓国の『新語辞典』(1946)、日本の『現代用語』(1955))と比較すると当時の新 語の中で外来語が占めていた割合ほどではなかった。これは現在の新語の特徴的な傾向の 一つである。そこで第 5 章では混種語はどのように造られているのかということについて 語種の観点から分析を行った。

第 5 章では混種語の造語成分としての各語種の量から見た位置と特徴を探るために大き く二つの分析を行った。その一つはそれを成している造語成分の語種構成であり、もう一 つは混種語の造語パターンにおける造語成分別の各語種の位置の分析である。

混種語の造語成分の語種の比率を分析した結果、日本語は異なり語数、延べ語数ともに漢語 要素、外来要素、固有要素、混種要素の順である一方、韓国語は漢語要素、固有要素、外来要 素、混種要素の順であることが分かった。混種語の中で漢語要素が最も多く使われることは同 じであるが、日本語はその次が外来要素で固有要素との差も約 15%でかなり大きかった。一方、

韓国語は漢語要素の次の順が固有要素で外来要素より固有要素が多く使われていた。しかし、

固有要素と外来要素の割合の差は非常に少なく、固有要素と外来要素がほぼ同様の割合で使わ れていることが分かった。つまり、混種語の造語成分として日本語は漢語要素、外来要素、固 有要素の順で、その割合の差も確然としている反面、韓国語は漢語要素、固有要素、外来要素 の順ではあるが、固有要素と外来要素がほぼ同様の割合で使われていることが分かったのであ る。また、混種語を成している外来要素の量的な面にも日本語と韓国語に差があることが明ら かになった。

また、それらの要素が実際どの位置で使われて混種語を成しているかということについて造 語パターンからの分析を行った結果、両言語は漢語要素で始まる語が他の語種で始まる語に比 べてその組み合わせが多様であることが分かった。さらに、両言語ともに混種語の後ろの造語 成分でよく用いられるのは漢語要素で、漢語の使用率はどの造語成分でも高いことが分かった。

外来要素は両言語ともに漢語要素との結合が多く、特に「外・漢」「漢・外」の組み合わせ が多いという類似点があった。一方、日本語では外来要素が後ろまで漢語要素の次の順序を占 めながら割合の面でも大きな乱れがないまま用いられている反面、韓国語では造語成分の位置

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によって固有要素との割合が上になったり下になったりしてその変動が激しいという相違点 が見られた。ただし、外来要素も漢語要素ほどではないが、後ろまで用いられていることが分 かった。

第 6 章では混種語の外来要素には実際どのようなものがあり、どのように使われているかと いうことについて使用頻度と位置の分析、外来要素の新しさなどを通して探ってみた。

外来要素の使用頻度と位置を分析した結果、日本語も韓国語も混種語における外来要素 の位置は大きく第一造語成分と最終造語成分に分かれることが分かった。日本語は外来要 素が第一造語成分としても最終造語成分としてもほぼ同様に使われる半面、韓国語は外来 要素が最終造語成分よりは第一造語成分として多く使われていることも分かった。

使用頻度からその位置を見ると、日本語は「使用頻度 1」の外来要素は最終造語成分よ りは第一造語成分が多いが、「使用頻度 2」から「使用頻度 8」までは第一造語成分より最 終造語成分が多い傾向を見せる。一方、韓国語は「使用頻度1」から「使用頻度 6」までは 第一造語成分の方が多いか同じであった。また、日本語は「使用頻度 9」以上からは複数 の位置で用いられるが、韓国語は「使用頻度 7」以上から最終造語成分か複数の位置で使 われており、日本語とは異なることが分かった。両言語ともに第一造語成分でも最終造語 成分でもない成分からは位置と頻度数の関係が見られず、特別な特徴と言えるものはなか った。

複数の位置で現れる外来要素の内、頻度数 3 以上の差で「前、中、後」のどこで多く使 われているかを分析した結果、日本語は「使用頻度 10」以上から韓国語は「使用頻度 8」

以上から第一造語成分として多く使われるか最終造語成分として多く使われるかが分かれ た。日本語は使用頻度が高くなるにつれ第一造語成分として多く使われる要素であるか最 終造語成分で多く使われる要素であるかが分かるが、韓国語は第一造語成分として使われ る外来要素は分かるが、最終造語成分は頻度数が高くても分かりにくかった。

外来要素として新しいものは日本語より韓国語の方に多かったが、両言語ともに「使用 頻度1」で、第一造語成分として使われるものが多かった。

日本語と韓国語の混種語の外来要素の中で共通している外来要素は 21 あったが、それ らはすでに定着して使われる要素がほとんどであった。頻度数による差は見られたが、差 が大きくても多く使われる位置の差はほぼなかった。

以上のような分析結果を踏まえ、研究目的の三つの項目について「語種の観点から見た

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21 世紀現在の言葉の変化」と「現代語における外来語の位置と特徴」と「造語における外 来語の関与」に分けて考察する。