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教育担当者の活動の実態の結果

第8章 教育ニーズ実態調査

第Ⅱ節 教育担当者の活動の実態の結果

374 施設合計 748 名に郵送した結果、225 名から回収された(回収率 30.1%)。半分以上 の質問項目が無記入であった 2 名を除く 223 名を分析対象とした(有効回答率 99.1%)。 教育担当者は 114 名(51.1%)、看護部長は 109 名(48.9%)であった。

1.対象者の属性

1)所属病院の背景

対象者の属する病院設置主体と病院規模を表 6(p169)に示した。公立病院(57 名、

26.0%)、大学病院(55 名、25.1%)、公的医療機関(51 名、23.3%)で、全体の約 1/4 ずつを占めていた。病床数は 223 床~1270 床、平均 643.5 床であった。500 床台(68 名、

30.5%)が最も多く、次いで 600 床台(50 名、22.4%)であった。看護職員数は 173 人~

1113 人、平均 549.2 人であった。

所属病院の看護職員の特性を表 7(p170)に示した。平均年齢は 25.0 才~42.0 才、平 均 33.4 才であった。新人看護職員の数は 0~170 人で平均 49.0 人、全看護職員に対する割 合でみると 0~20%で平均 8.4%であった。大学卒業者の数は 0~580 人で平均 82.1 人、全 看護職員に対する割合は 0~64.7%で平均 14.2%であった。大学院修了者の数は 0~28 人 で平均 4.5 人、全看護職員に対する割合は 0~3.3%で平均 0.7%であった。前年度の全体 離職率は 0.09%~19.4%で平均 9.0%であった。新人離職率は 0~25.0%で平均 5.9%であ った。

ラダー・システム導入の状況と専任教育担当者の人数を表 8(p171)に示した。ラダー・

システムを導入していると答えた対象者は全体の 84.8%(189 名)であった。導入して 5

~6 年目(53 名、28.0%)が最も多く、次いで 3~4 年目(37 名、19.6%)、7~8 年目(28 名、14.8%)、1~2 年目(20 名、10.6%)であった。専任教育担当者の人数は、1 人(77 名、34.5%)が最も多く、次いで 2 人(68 名、30.5%)で、3 人は(23 名、10.3%と少な く、また、0 人(専任を置いていない)は 12.6%(28 名)であった。

2)教育担当者の属性

教育担当者 114 名の属性を表 9(p172)に示した。看護職経験年数は平均 27.7 年目で、

30 年~34 年(35 名、33.3%)と 25 年~29 年(38 名、33.3%)が大半を占めていた。20

~24 年目(21 名、18.4%)と 15~19 年目(10 名、8.8%)は少なく、年齢にすると 30 才 台の対象者は1割に満たなかった。教育担当者としての経験年数をみると、平均 3.6 年で、

2 年目(26 名、22.8%)、3 年目(25 名、21.9%)、1 年目(20 名、17.5%)、4 年目(19 名、16.7%)、5 年目~9 年目(16 名、14.0%)の順で、10 年以上は 7%(8 名)であった。

全体の約 62%(71 名)が3年目以内で、約 38%(43 名)が 4 年目以上であった。

最終学歴は、専門学校が 57.9%(66 名)で最も多く、次いで大学院修士(21 名、18.4%)、 大学(14 名、12.3%)、短大(13 名、11.4%)の順であった。看護管理・看護教育に関す る研修の受講経験は、セカンドレベル(59 名、51.8%)、ファーストレベル(58 名、50.9%)

で、対象者の約半数が受講していた。3日間研修「施設の教育プログラム開発」(41 名、

36.0%)、看護教員養成研修(36 名、31.6%)、実習指導者講習会(33 名、28.9%)は、そ れぞれ約 3 割が受講していた。サードレベル(10 名、8.8%)を受けた人が最も少なかっ

た。受けた研修と最終学歴、受けた研修と職位には関連はみられなかった。

現在の職位は、副看護部長が 66 名(57.9%)と半数以上であり、看護師長が 44 名(38.6%)

であった。副看護師長は 2 名(1.8%)で、わずかであった。役職のない看護師は1名(0.9%)

であった。組織における位置づけは、「看護部付けで教育に専従」が 61 名(53.6%)で最 も多く、「看護部付けで他業務と兼任」は 38 名(33.3%)であった。「部署看護管理者で教 育委員長」は 15 名(13.2%)であった。

2.教育担当者に求められる行動

46 項目の行動に関して、教育担当者には「(実際に)上司に求められているかどうか」、 看護部長には「(一般的に)教育担当者に求める内容かどうか」を聞いた結果、「要求あり」

の割合を「全体」、「教育担当者」、「看護部長」に分けて表 10-1(p173)に示した。各 項目の「回答人数」は、無回答者数を除いた数である。

1) 「求められる行動」に対する要求「46 項目」の比較

教育担当者と看護部長を併せた「全体」(223 名)の「要求あり」の比率について、役割 ごとに述べる。

(1)能力開発システムを管理するリーダー役割

【看護スタッフ能力開発の全体枠組みを構築する能力】3 項目に対する要求は、以下の ように 90%台の高い比率の要求であった。〈能力開発や教育の理念・ビジョンの成文化が できる〉(207 名,93.2%,n=222)、〈能力開発の課題の抽出と教育ミッションの成文化がで きる〉(214 名,96.4%,n=222)、〈人材開発システム全体における役割体制の成文化ができ る〉(207 名、94.1%、n=220)。

【看護スタッフの能力を把握して評価する能力】5 項目に対する要求は、次のように、

80%台が 4 項目、〈人事業務支援〉の 1 項目のみが 50%台であった。〈看護スタッフの個人 履歴を記録保管するしくみを作り個人と全体が把握できる〉(183 名,82.4%,n=222)〈看 護現場や委員会に参加してスタッフの能力を観察把握できる〉(198 名,89.6%,n=221)、

〈能力別・役割別の人材層に区分して期待能力を成文化できる〉(190 名,86.0%,n=221)、

〈能力アセスメントのための評価指標と評価方法が開発できる〉(191 名,85.7%,n=218)、

〈採用、配置、報酬、昇格など能力評価を必要とする人事業務支援ができる〉(127 名,57.0%, n=219)。50%台の人事業務支援は 46 項目全体の中でも最も低かった。

【能力開発活動を統制する能力】5 項目に対する要求は、〈説明説得交渉〉1 項目が 90%

きる〉(184 名,83.3%,n=221)、〈方針企画を通すために、組織のあらゆる人に説明説得交 渉ができる〉(198 名,90.0%,n=220)、〈活動過程において人的資源と財源を調整し、問題 解決スキルを使って対処できる〉(198 名,89.6%,n=221)、〈能力開発活動を記録モニター しながら活動展開しながら評価改善できる〉(190 名,86.0%,n=221)、〈教育や労働に関す る関係法令や倫理原則に従って運営できる〉(192 名,86.1%,n=221)は、いずれも 80%台 の要求であった。

(2)教育プログラム企画運営の教育責任者の役割

教育責任者の役割 16 項目のうち 14 項目が 90%以上の高い比率を示した。<年間予算計 画>1 項目が 80%台で、<看護管理者の教育プログラム開発>が 70%台であった。以下、能 力別に順番にみていく。

【年間教育プログラムを設計する能力】3 項目に対する要求は、〈期待能力と現実とのギ ャップを把握して教育ニーズがアセスメントできる〉(217 名,99.1%,n=219)、〈年間到達 目標を設定して多様な能力開発手段を組み合わせてコース設計ができる〉(217 名,98.6%, n=220)、〈教育プログラムに掛る直接経費と間接経費の年間予算が計上できる〉(182 名,81.6%,n=219)であった。

【集合研修の企画運営を総括する能力】4 項目に対する要求は、〈研修の学習目標を設定 して目標達成のための内容・方法の設計ができる〉(216 名,98.2%,n=220)、〈成人学習の 原理に基づいて学習意欲を引き出す教育展開ができる〉(219 名,99.5%,n=220)、〈研修の 企画運営に関わるスタッフに助言指導できる〉(218 名,99.1%,n=220)。〈研修の企画運営 に関係する人々と連携協働し全体調整および進捗管理ができる〉(218 名,99.1%,n=221)

であった。

【教育プログラムを評価する能力】4 項目に対する要求は、〈研修に対する対象者の満足 度について評価できる〉(219 名,99.5%,n=220)、〈研修で学んだ知識スキルの理解度や習 得度の評価ができる〉(218 名,99.1%,n=220)、〈研修で学んだ知識スキルを現場で活用し 行動変容したか評価できる〉(209 名,95.0%,n=220)、〈教育プログラムが現場の看護の質 の向上に寄与したかどうか評価できる〉(208 名,94.5%,n=220)であった。

【特定の教育プログラムを展開する能力】4 項目に対する要求は、〈新人看護職員の教育 プログラム全体をデザインし企画運営ができる〉(212 名,96.4%,n=220)、〈新人看護職員 の教育指導を担うスタッフの教育プログラムが開発できる〉(212 名,96.4%,n=220)、〈中 堅層のリーダーシップの開発を意図した教育プログラムが開発できる〉(213 名,96.8%,

n=220)、〈看護管理者の能力開発を意図した教育プログラムが開発できる〉(173 名,77.6%, n=220)であった。

(3)個人、集団、組織の変化を推進する役割

変化を推進する役割 12 項目に対する要求は、4 項目が 90%台、5 項目が 80%台、3 項目 が 70%台と、ばらつきがあった。能力別に順番にみていく。

【組織の変化を推進する能力】4 項目に対する要求は、〈組織の文化、システム、基準、

手順など変革が必要なものを見極めることができる〉(185 名,84.5%,n=219)、〈変革のビ ジョンを描き関係者にわかりやすく説明説得できる〉(173 名,78.0%,n=220)、〈プロジェ クトチームを立ち上げチームを導くことができる〉(168 名,75.3%,n=218)、〈プロジェク トメンバーが成長できるようチーム構築を促すことができる〉(169 名,76.2%,n=223)で あった。このように、変革の必要性を見極めることは 80%台の要求であったが、その後の 変革の推進と実行に関する 3 項目は 70%台となって、46 項目全体の中でも比較的低い比率 を示した項目であった。

【現場の能力開発活動を支援する能力】5 項目に対する要求は、以下のように、1 項目の み 80%台で、4 項目は 90%台の高い比率を示した。〈臨床現場で看護スタッフと協同的な 良い人間関係を築くことができる〉(194 名,88.6%,n=219)、〈部署の管理者と連携協働し ながら人材育成を支援できる〉(217 名,99.1%,n=219)、〈部署の教育担当者が OJT の企画 運営ができるように支援できる〉(208 名,93.3%,n=219)、〈部署における学習や教育に 関する問題が発生した場合、支援できる〉(209 名,93.7%,n=219)、〈現場の学習に役立 つ資源(図書、情報、人)を整備して必要時に提供できる〉(200 名,91.3%,n=219)で あった。<師長と連携協働しながらの支援>が最も高い要求であった。

【個人のキャリア開発を支援する能力】3 項目に対する要求は、次のように 80%台であ った。〈スタッフのキャリアニーズやニーズに合った学習経験を見出す支援ができる〉(184 名,85.2%,n=216)、〈学習成果に対するフィードバックを提供して学習意欲を引き出すこ とができる〉(182 名,81.6%,n=216)、〈ストレスメネジメントおよびメンタルヘルスの 支援ができる〉(179 名,80.3%,n=216)であった。

(4)エビデンスに基づく実践を推進する役割

エビデンスに基づく実践を推進する役割 6 項目に対する要求は、90%台が 1 項目、80%

台が 4 項目、70%台が 1 項目であった。以下、能力別にみていく。