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断するものであった(CS)69),(OS)70)。つまり,重症急性胆囊炎とは,緊急手術を行うべき病態と捉えられて きたといえる。

第 1 版ガイドライン(2005 年)(CPG)32)では,重症急性胆囊炎を,①胆囊壁の高度炎症性変化(壊死性胆 囊炎,胆囊穿孔)や,②重篤な局所合併症(胆囊周囲膿瘍,肝膿瘍,重症胆管炎,胆汁性腹膜炎,気腫性胆囊 炎,胆囊捻転症)を伴うもの,と定義した。しかし,その後に発刊された国際版ガイドライン(TG 07)

(CPG)3)では,臓器障害を伴う急性胆囊炎が重症急性胆囊炎と定義された。2013 年ガイドライン改訂出版委 員会は TG 13 の重症度判定基準(CPG)2)を日本国内でも使用することとした。

今回の改訂にあたって,Tokyo Guidelines 改訂委員会では,TG 13 以降のエビデンスを検索し,急性胆囊 炎の診断基準,重症度判定基準に関しては,19 件の RCT を含む,216 編の論文を抽出した。そして,改訂活 動を 2016 年からスタートした。それらの文献をもとに,TG 13 急性胆囊炎の診断基準・重症度判定基準に関 する検証報告などの収集した新しいエビデンスの検討を進める中で,診断基準に関するエビデンスはそれほど 多くなく,むしろ,重症度判定基準に関する検証報告が多く報告されていることがわかった(CS)9 〜 13)。重症 度判定基準の役割として,生命予後を予測するものとして有用であるという報告(CS)9)や,在院日数,開腹 手術移行率などと相関するとの報告もあったが(CS)10),一方で,Grade Ⅲでも死亡率は低く,手術も決して 難しくはないという報告もあった(CS)11,12)。さらに,Endo らは日本・台湾国際共同研究プロジェクトのデー タを用いて多変量解析による重症(Grade Ⅲ)症例の解析を行い,新たな治療方針を提示している(CS)148)。 2006 年の Tokyo Consensus Meeting においては,急性胆囊炎の予後は決して悪くないものの重症度判定基準 はやはり生命予後を規定するものであり,Grade Ⅲ(重症)の急性胆囊炎は臓器不全を伴い生命に影響を及ぼ す症例を Grade Ⅲとすべきだという議論がなされ重症度判定基準が決定されたことはまだ記憶に新しい。今 回の改訂においては,これまでのエビデンスも踏まえ,TG 18 としてどのような診断基準・重症度判定基準に すべきか検討した。

在院日数においては TG 13 重症度判定基準で重症度が高いほど,在院日数が有意に長くなることが多くの 論文で報告されている(CS)10 〜 13,18,150,151),(表 10)。

また,腹腔鏡下胆囊摘出術から開腹手術への移行率については,重症度が高いほど,腹腔鏡下胆囊摘出術か ら開腹胆囊摘出術に術式が変更されることが報告されている(CS)10 〜 13,152,153),(表 11)。

アメリカからの報告では,多変量解析によって TG 13 重症度判定基準は在院日数と開腹移行に関して inde-pendent predictor だと報告されている(CS)10)。また,重症度が高いほど,合併症が有意に多いことが報告さ れている(CS)10)。術中の胆管損傷に関しても Grade に応じて有意に多くなることが報告されている(CS)154)

(表 12)。

術後病理所見に関しては,重症度が高いほど,術後病理所見が局所重症度の高い壊疽性胆囊炎や気腫性胆囊 炎などの結果になることが報告されている(CS)13)

医療費に関する報告は日本からの報告しかないが,重症度が高いほど医療費が有意に高くなることが報告さ れている(CS)18)

ドイツから新たな急性胆囊炎の術前 scoring system の報告があった(CS)155)。多変量解析から抽出された independent risk factor として抽出された sex,age,BMI,ASA score,recurrent colics,gallbladder wall thickness,WBC,CRP の 8 因子で構成され,それらを点数化し,計 9 点のスコアリングシステムで,7 点以 上が重症(Grade Ⅲ)と設定された。その結果,手術時間と ICU 入室の予測,在院日数と相関があったが,com-plication や conversion rate とは相関しなかったと報告されている。また,イタリアからは gangrenous chole-cystitis と phlegmonous cholechole-cystitis を重症とする重症急性胆囊炎の診断基準が報告され,こちらは fever > 38 ℃,distention of gallbladder, wall edema, preoperative adverse events の 4 因子で構成されている(CS)156)。 少なくとも 2 因子が陽性の場合には感度 54.9 %(95 % CI:44.1 ─ 65.2 %),特異度 81.2 %(95 % CI:75.4 ─ 85.9 %),少なくとも 3 因子が陽性の場合には,感度 15.9 %(95 % CI:9.5─25.3 %),特異度 98.6 %(95 % CI:95.9─99.5 %)と報告されている。新たに提唱された 2 つのガイドラインでも重症度判定基準は提示され ていない(CPG)17,56)。TG 13 重症度判定基準で Grade Ⅲと判定されても手術が可能であるという報告もある が(CS)11,12),TG 13 の重症度判定基準は手術難易度を評価するものではない。このような手術難易度の要素 も含めた重症度判定基準を作成していくのであれば,今後,多くの要因を考慮した大規模な検証が必要になる ものと考える。

このように TG 13 の急性胆囊炎重症度判定基準は,多くの論文で検証がなされ,生命予後,在院日数,開 腹移行率,医療費などが重症度と有意に相関しており,実臨床において有用な指標であると考えられる。結果 として,TG 18 の急性胆囊炎重症度判定基準として用いることを推奨する。

表 10 重症度と在院日数

報告者 国 年 症例数 Grade I Grade Ⅱ Grade Ⅲ

Cheng151) 台湾 2014 103 7.3 ± 3.5 9.2 ± 3.9 15.2 ± 8.5 P<0.05 Kamalapurkar11)* オーストラリア 2015 84 5(4 〜 8) 12(8 〜 16) P<0.001 Wright10)* アメリカ 2015 445 3(1 〜 16) 4(1 〜 33) 7(1 〜 60) P<0.001 Ambe13)§ ドイツ 2015 138 6.0 ± 2.7 7.8 ± 3.3 10.4 ± 6.1 P=0.02 Amirthalingam12)** シンガポール 2016 149 4.46(2 〜 14) 6.24(1 〜 41) 9.31(3 〜 21) P<0.001 Hayasaki18) 日本 2016 171 4.3 ± 2.5 11.0 ± 11.6 20.8 ± 13.5 P<0.001

平均在院日数±標準偏差 (文献 20 から和訳引用)

:中央値(範囲),§:術後在院日数,**:中央値(四分位範囲)

表 11 腹腔鏡下胆囊摘出術から開腹手術への移行率

報告者 国 年 症例数 Grade Ⅰ Grade Ⅱ Grade Ⅲ

Asai152) 日本 2014 225 7 / 105

(6.7 %)

22 / 119

(18.5 %)

0 / 1

(0 %) P=0.0279

Kamalapurkar11) オーストラリア 2015 84 1 / 60

(1.7 %)

4 / 24

(16.7 %) P=0.006

Wright10) アメリカ 2015 445 7 / 92

(7.0 %)

31 / 121

(25.6 %)

9 / 26

(34.6 %) P=0.001

Ambe13) ドイツ 2015 138 5 / 79

(6.3 %)

5 / 33

(15.2 %)

9 / 26

(34.6 %) P=0.001 Amirthalingam12) シンガポール 2016 149 2 / 84

(2.4 %)

6 / 49

(12.2 %)

0 / 16

(0 %) P=0.03

(文献 20 から和訳引用)

表 12 重症度と合併症

報告者 国 年 症例数 Grade Ⅰ Grade Ⅱ Grade Ⅲ

Cheng151) 台湾 2014 103 3 / 31

(9.7 %)

7 / 25

(28.0 %)

9 / 20

(45.0 %) P<0.05 Wright10) アメリカ 2015 445 4 / 137

(2.9 %)

6 / 191

(3.1 %)

13 / 117

(11.1 %) P=0.003

Ambe13) ドイツ 2015 138 7 / 79

(8.9 %)

5 / 33

(15.2 %)

12 / 26

(46.2 %) P=0.01

(文献 20 から和訳引用)

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