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* TG 18 では胆管ドレナージは抗生剤などの保存的治療のみで完治しうる一部の軽症例を除いて重症度に かかわらず内視鏡的経乳頭ドレナージが推奨される。

*術後再建腸管例に対しては Q 59 を参照。

内視鏡的経乳頭的ドレナージ(endoscopic biliary drainage:EBD)は,ERCP 後膵炎のリスクはあるが,

他のドレナージ法に比べて低侵襲であり,偶発症の発生頻度も低く,第一選択と考えられる(Randomized clinical trial:以下 RCT)11),(OS)12 〜 14)。しかし,悪性腫瘍による十二指腸狭窄例などが原因で十二指腸主乳 頭まで内視鏡の到達が困難な場合は,EBD の代替的治療として経皮経肝胆道ドレナージ(percutaneous tran-shepatic cholangial drainage:PTCD または percutaneous trantran-shepatic biliary drainage:PTBD)が有用で ある(CS)5),(OS)15)。十二指腸主乳頭まで内視鏡の到達が可能でも,選択的胆管挿管が困難で EBD が不成 功の場合の救済治療としても有用である。近年は,新しいドレナージ法として超音波内視鏡ガイド下胆管ドレ ナージ(endoscopic ultrasound─guided biliary drainage:EUS─BD)が開発され,代替法としての有用性が 多数報告されている(CS)16 〜 18)。EBD 困難例に対する代替法として PTCD と EUS─BD を比較した RCT や メタ解析の結果では,手技成功率や臨床的奏効率は 90 〜 100 %とほぼ同等であったが,PTCD のほうが処置

後の出血,胆管炎,胆汁漏などの偶発症発生率が高いという結果であった(表 1),(Meta analysis:以下 MA)19),(RCT)20,21),(OS)22 〜 24)。しかし,これらの報告は熟練した胆膵超音波内視鏡医のいる先進施設から の報告がほとんどである。多くが先進施設でないスペインの多施設検討では,EUS─BD の手技成功率は 65 〜 86 %であった(CS)25)。このように EUS─BD はいまだ確立された手技ではなく,難易度の高い手技であると 考えられており,熟練した胆膵超音波内視鏡医がいる場合は EUS─BD は代替法として推奨されるが,いない 場合は PTCD を選択する,もしくは先進施設への転送を考慮すべきである。

表 1 経乳頭的ドレナージ困難例に対する代替法としての超音波内視鏡ガイド下胆管ドレナージと経皮経肝胆 道ドレナージの比較

著者 出版年 研究デザイン ドレナージ法 症例数 手技成功率(%) 臨床奏効率(%) 偶発症率(%)

Artifon20) 2012 RCT EUS─BD 13 100 100 15.3

PTBD 12 100 100 25

Bapaye22) 2013 Cohort EUS─BD 25 92 N/A 20

PTBD 26 46 N/A 46.1

Khashab23) 2015 Cohort EUS─BD 22 86.4 86.4 18.2

PTBD 51 100 92.2 39.2

Sharaiha24) 2016 Cohort EUS─BD 47 93.3 62.2 6.6

PTBD 13 91.6 25 53.8

Lee21) 2016 RCT EUS─BD 34 94.1 87.5 8.8

PTBD 32 96.9 87.1 31.2

1)経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD または PTBD)

①適応

PTCD(または PTBD)は,出血や胆汁性腹膜炎といった偶発症や長期に及ぶ入院期間,外瘻に伴うチュー ブ管理の必要性や皮膚の疼痛などの害や患者の負担から,急性胆管炎治療において内視鏡的経乳頭的ドレナー ジの代替的治療と考えられている。しかし,血管が豊富な肝臓を介してドレナージを行うため出血リスクが高 く,凝固能異常がある場合や抗血栓薬を内服している場合には一般的には不適応とされる。ただし,十二指腸 狭窄例などが原因で EBD を行うことができない場合や EUS─BD を行うことができない施設では,重篤な敗 血症に対する救命処置として PTCD や患者転送を考慮する。なお,凝固能異常がある場合や抗血栓薬を内服 している場合については,Q 58 も参照されたい。この点については,慎重な対応とともに,今後の臨床検証 を期待する。

②テクニック

以前は X 線透視下での影像下直達法による胆管穿刺が行われていた(CS)5)が,現在では体外式超音波下に 穿刺経路の血管を避けて安全に穿刺することが可能となっている(OS)15)。基本的な体外式超音波下 PTCD 手 技は以下の通りである(CS)5)。18 ゲージから 22 ゲージの穿刺針を用いて超音波ガイド下に肝内胆管を穿刺 する。胆汁の逆流を確認し,造影で胆管走行を確認する。ガイドワイヤーを胆管内に進めた後に,7 〜 10 Fr のドレナージチューブを胆管内に留置する。胆管拡張例での体外式超音波下 PTCD の成功率は 86 %で,胆管 非拡張例での 63 %に比べて良好な成績が報告されている(OS)15)

2)外科的ドレナージ

①適応

現在,急性胆管炎治療においては EBD や PTCD が普及しており,外科的ドレナージが行われることは極め てまれである。切除不能膵頭部癌などの悪性疾患においては重症胆管炎を除く一部の症例に対して肝管空腸吻 合術が行われる場合もある。特に膵頭部癌や十二指腸乳頭部癌などで胆管炎と十二指腸閉塞を併発している場 合には,まれではあるがダブルバイパス術も 1 つの選択肢となりうる。

②テクニック

外科的ドレナージとして行われる胆管減圧術としての開腹下ドレナージは,胆管結石による胆管炎で全身状 態の悪い患者に対しては,手術時間の短縮のために胆管結石除去術は行わず T チューブを留置する方法が安 全であると報告されている(OS)26)

3)内視鏡的経乳頭的ドレナージ(EBD)

①適応

EBD は低侵襲ドレナージテクニックであり,現在では原疾患が良悪性にかかわらず急性胆管炎に対する治 療のゴールドスタンダードである(CS)6),(Systematic review:以下 SR)27)。EBD を行うタイミングはより よい臨床的結果のために極めて重要である。重症胆管炎に対してはできる限り早急にドレナージを行うことが 推奨される(OS)28),(RCT)29),(SR)30),(CPG)31)。中等症に関しても,日本と台湾の多施設共同コホート研 究の結果より,来院から 48 時間のみならず,来院から 24 時間で分けて解析を行っても,ドレナージを早く 行ったほうが有意差をもって死亡率が少ないという結果であった(OS)2)。さらに 1 編のコホート研究の結果 では,軽症・中等症で 24 時間以内にドレナージを行ったほうが,胆管炎からの改善が早く,入院期間の短 縮,医療コストの軽減につながると報告されている(OS)32)。中等症においても可能なかぎり 24 時間以内の 緊急ドレナージが推奨される。実際に,本邦の 28 施設へのアンケートの結果では,中等症に対して 12 時間以 内にドレナージを行う施設が 35.7 %,24 時間以内にドレナージを行う施設が 57.1 %,合わせて 92.8 %の施設 で 24 時間以内の緊急ドレナージを行っていると報告されている(CPG)33)。軽症に関しては,侵襲的なドレ ナージを行わず,抗生剤投与による保存的加療による改善が期待でき,ドレナージのタイミングが 24 時間以 降であっても予後に影響は及ぼさない(OS)32,34)。しかし,抗生剤による保存的加療を行っていても改善が乏 しいにもかかわらずドレナージのタイミングが 72 時間以降と遅れれば,死亡,臓器不全,ICU 入室のリスク が高くなり,胆管炎の重症度にかかわらず臨床経過に大きく悪影響を及ぼす可能性があることを念頭に置くべ きである(OS)13,34)。したがって,軽症でも保存的加療で改善が乏しい場合は,早期にドレナージもしくは成 因の治療を施行することが望ましい。

②内視鏡的経鼻胆管ドレナージと内視鏡胆管ステンティング

a.適応

EBD は外瘻としての内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(endoscopic naso─biliary drainage:ENBD)と内瘻と しての内視鏡的胆管ステンティング(endoscopic biliary stenting:EBS)に大別される。ENBD に関しては チューブを自己抜去しそうなコンプライアンスの悪い患者や鼻腔に異常があるような患者は避けるべきであ る。急性胆管炎における EBD は,全身状態不良な重症例において長時間の手技や手技不成功は重篤な偶発症 につながる可能性があるため,熟練した内視鏡医により施行されるべきである。

Q 55.内視鏡的経乳頭胆管ドレナージを行う場合には,内視鏡的経鼻胆管ドレナージと内視鏡

   的胆管ステンティングのどちらがよいか?[ForegroundQuestion(ClinicalQuestion)]

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