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3 中国の対外貿易と人民元為替レート

3.3 部門別名目実効為替レートの構築

3.3.1 各指標の選択

第一、部門分類方法の選択。現在、国際貿易の分野で、最も広く使用されている商品の 分類基準には、「国際連合標準国際貿易商品分類(SITC)」と「商品の名称及び分類につい ての統一システムに関する国際条約(HS条約)」の2種類がある。HSコード2桁分類は

SITC Rev.1分類よりも詳細であり、産業の特性もよりよく反映することができるため、本

稿は HS コード 2 桁分類を参照して、人民元の部門別 NEER を構築する。本稿は孫・劉 (2014)に倣い、HSコード2桁分類を表3-4のように8類にまとめた。すなわち食料品・飼 料(HS1-4類)、鉱物性燃料(HS5類)、化学製品(HS6-7類)、木材・同製品(HS8-10類)、

繊維品(HS11-12類)、金属・同製品(HS15類)、電気・電子製品(HS16類)、機械類および 輸送機器(HS17-18 類)である。2018 年、これらの 8 類の商品の輸出額は中国総輸出額の 78%を占めた。

49 3-4 HSコード2桁分類

HS分類 内容 再分類

HS1 HS2 HS3 HS4

動物及び動物性生産品 植物性生産品

動物性又は植物性の油脂・同製品

調製食料品、飲料、アルコール、たばこ等

食料品・飼料(食料品・飼料)

HS5 鉱物性生産品 鉱物性燃料(鉱物性燃料)

HS6 HS7

化学工業・同製品

プラスチック及びゴム並びにこれらの製品

化学製品(化学製品)

HS8 HS9 HS10

皮革及び毛皮並びにこれらの製品 木材及びその製品

木材パルプ並びにこれらの製品

木材・同製品(木材・同製品)

HS11 HS12

紡織用繊維及びその製品

履物、帽子、傘、つえ、シートステッキ及びむち並 びにこれらの部分品

繊維品(繊維品)

HS15 卑金属及びその製品 金属・同製品(金属・同製品) HS16 機械類及び電気機器並びにこれらの部分品 電気・電子製品(電気・電子機械)

HS17 HS18

車両、航空機、船舶及び輸送機器関連

光学機器、写真用機器並びにこれらの部分品及び附 属品

機械及び輸送用機器(機械及び 輸送用機器)

第二、貿易相手国の選択。中国の為替制度は2005年7月より管理フロート制へ移行し、

同時に通貨バスケット制15を導入した。対外貿易相手国を選択するときは、まず、その国が 通貨バスケットに入っているかどうかを考えなければならない。そして、貿易ウェイトお よび対外貿易相手国を選択する。貿易ウェイトを選択においては、輸出ウェイト、輸入ウ

15 人民元為替レート現在参照している通貨バスケットは:米国、EU、日本、香港、イギリス、オ ーストラリア、ニュージーランド、シンガポールドル、スイス、カナダ、マレーシア、ロシア、タ イ、南アフリカ、韓国、アラブ首長国連邦、サウジアラビア,ハンガリー、ポーランド、デンマー ク、スウェーデン、ノルウェー、トルコ、メキシコ。

50 ェイト、総貿易額ウェイトという3つのウェイトからの選択が問題となる。本稿における、

部門別NEER構築の目的は、為替レートと輸出・輸入間の関係を分析にあるため、輸出と 輸入ウェイトを選択する。また、対外貿易相手国の選択も輸出と輸入額のランキングを基 準として選択する。

各国によって、比較優位性を持っている産業が異なっているのため、貿易相手国との商 品の貿易割合も異なっている。米国を例とすれば、表 3-5 のように、中国の総輸出では 26.45%を占めたが、最もシェアが高い木材・同製品と最も低い鉱物性燃料産業では、それ

ぞれ23.93%と5.16%を占めており、両者の差は約20%に達している。これから見ると、

正確に部門別NEERを構築するために、細かい産業の輸出・輸入額により、相手国のウェ イトを決定する必要がある。そして、より細かい産業のウェイトは異なる産業の国際競争 力を正確に表すことができると考えられる。

3-5 2018年主な貿易相手国が各産業の輸出額におけるシェア 单位:%

部門 米国 日本 EU 香港 韓国 ベトナム イギリス

総合 26.45 8.45 6.09 17.19 6.32 4.37 3.49

食料品・飼料 11.99 16.24 13.40 16.32 0.69 7.22 1.66 鉱物性燃料 5.16 8.75 6.47 22.33 2.62 4.07 1.19

化学製品 19.05 7.18 18.69 4.10 7.37 3.97 2.69

木材・同製品 23.93 7.33 20.48 7.29 2.35 2.7 4.889

繊維品 22.93 8.83 23.73 5.63 2.05 5.62 5.10

金属・同製品 18.50 6.23 18.94 3.87 4.16 6.46 2.90 電気・電子製品 22.02 6.26 17.60 20.63 3.76 2.98 2.07 機械及び輸送用機器 20.30 6.39 20.88 18.08 2.26 2.52 2.25 最大値と最小値の差 18.77 10.01 17.26 18.46 6.68 4.7 3.91 出所:中国統計年鑑より作成

表3-5に挙げた国・地域は中国2018年の輸出の72%を占めている。以下の分析では、

貿易量はWINDデータベースから入手した2008年1月から2018年6月までのHSコード 2 桁分類の貿易量データ(名目米ドル建て)を用いた。なおデータが欠損している場合に

51 は、貿易量をゼロとみなし補完している。

第三、貿易ウェイト頻度の選択。上記に基づいて、サンプル期間内各相手国の割合を計 算し、それをウェイトとして部門別NEERを構築する。同時に、各対外貿易相手国の割合 の和が1になるために、ここは19ケ国・地域、8品目の輸出額は中国の総輸出額であると 仮定する。部門別NEERを構築するとき、各対外貿易相手国のウェイトを調整するか、お よび調整方法について注意を払う必要がある。Klau and Fung(2006)に倣い、各対外貿易相 手国はサンプル期間内、貿易額の割合の変化が小さければ、基準年を選択し、ウェイトを 計算する。

BISが公表している名目実効為替レートにおいても、貿易ウェイトの調整は毎3年1回 である。しかし、経済開放程度の深まりに伴い、中国と世界の結びはますます緊密になり、

特に2001年WTOに加盟した後、中国の対外貿易額は大幅に増加し、対外貿易商品の構造 も変わっている。具体的に、中国の輸出は、1978年から2018年までの40年間、改革開放 からWTO加盟以前(1978-2000年)、WTO加盟から金融危機以前(2001-2008年)、金融 危機以後から現在(2009-2018年)という 3段階に分けられる。平均輸出増加率はそれぞ

れ16.35%、24.73%と6.45%である。品目別では、以前のアパレル、靴などの労働集約型

の商品から機械電気製品、ハイテク製品、電子製品などの商品まで転換した。貿易構造か らみると、2008年では、一般貿易、加工貿易とその他の割合はそれぞれ46.4%、47.3%と

6.3%であり、2018年は58%、25%、15%となった。同時に、近年アジア経済の急速な統

合から恩恵を受けているため、中国と近隣諸国との間の経済連携も深くなっている。主要 輸出相手国・地域を見ると、上位圏は依然として米国、EU、香港、日本、ASEANである が、2017 年、「一帯一路」沿線国を見るとインド、マレーシア、パキスタンなどが増加し た。これらの要因を考えると、対外貿易相手国のウェイトはサンプル期間に大きいな変化 をする可能性がある。そのため、部門別NEERの制度と適時性を保つために、本稿は時変 ウェイトを採用し、ウェイトの調整は年に1回である。