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という、保護者等の家族の感想の大半の内容と同じ、近い関係ながらも第三者的期待 感を表明した記述もあった。

 実験学級である2学級間の個性の違いを見るため相対的に見ると、表記の量的な差 からくる、記載された内容の範囲の差は大きいといえる。これは、読後の印象を大き

く作用することではあるが、このような小集団での表現に長けている学級の要素や、

または、慣れているという学級の経営方針の差から生じた差と判断する。というのは、

記載された内容の質としては、特別な差は認められないからである。

Table 5.2 学級通信(第2信)に掲載された自他の認知・受容項目

級友理解・級友受容 自己理解・自己受容 意欲 チーム名

a組は、FigNO.

b組はチーム mO.で表記。

よくわ

ゥった

のよいプログラムを繰り返すことを目的としているの特性も考慮して、本研究の実験 授業の最:終盤のフィードバック時に補足説明をし、不足感の補充を図った。

 以下は、本実験授業の後目、実験学級Bの学級担任が、生徒の日々の生活の記録 に記述されていた感想の一部を抜粋して送付してくれたものである。

生徒の感想

S1:「普段僕は学校で目立ってないと思ったけれど、誰かが見ていて僕のいいとこを   書いてくれてうれしかった。僕も誰かのいいとこを見つけたい。」

S2:「みんないろいろなことを考えていることが分かった。これからは、みんなの気   持ちを考えて行動したい。」

S3:「聞いていると一人ひとりのいい個性が見えてきました。明るい子、優しい子、

  おもしろい子、みんな個性が違う。何億分の一だからこそ、個性が違ってていい   んだと思いました。温かい気持ちがみんなに届けられるように僕も根気強く、つ   くしていきたい。」

S4:「何が書かれてあるのか心配した。うちはみんなに迷惑ばかりかけていたから、

  みんながおこってんくてよかった。」

S5:「人は一人ひとりいいところが違うし、普段おとなしい人でも本当は楽しい人も   いる。人間はとてもおもしろいと思いました。」

S6:「みんなが、僕のことをこう思っていてくれたなんて、なんかうれしいな。そう   思ってくれる人に対してもっとがんばらなくっちゃと思いました。」

S7:「私は確かに「おとなしい人」だけど周りからは、静かに勉強してるんだと思わ   れていることが分かって、嬉しかった。自分のいいところが分かると嬉しい。

  クラスのみんなのいいところも自分のいいところもこれからたくさん見つけて   いきたい。」

S8:「ふだん自分って、どう思われてるんだろうと、思うときがあり、こういうのを   すると不安がなくなりました。」

S9:「あ〜こんないいとこもあったんやって、思わせる言葉がたくさん目にっきまし   た。自分の良いとろをみんなに解ってもらえて、とっても嬉しいです。中学校で   一緒になった人たちとも仲良くしていきたいです。」

対象学年の生徒指導担当教諭の感想は、以下のような内容であった。

 「この10日あまりの取り組みの中で、生徒間の関わりがより積極的になったよう   に感じられる。学級になじめずにいる生徒に対する関わりも確かに増えたように   見えた。これは生徒の関心が級友に向いた証であろう。ただ単純に関わりが増え   たからいいとは言い切れないが、学級のムードの高揚としては、確かな成果を感   じている。」

5.2 教育効果の量的分析

5.2.1 実験群と統制群の等質性の分析

 では、次に心理尺度調査からみた本実験授業プログラムの教育効果を量的に分析し たい。まず、第1次実験授業において使用した心理尺度の本研究での使用名について 規定する。実験授業時に「中学生活充実意識調査(ウエルライフ)」と呼んでいた尺度 の中の生徒間における不安の程度を測る要因に注目するため、「級友問不安度」とし、

同じ調査紙の中の自尊感情の要因にも注目するが、第2次実験授業のこともあるので、

第1次のこれを「自尊感情度(W)」とする。次に、実験授業では、「学級での生活に ついての意識調査」と呼んでいたスクール・モラール・テストからの生徒の人間関係 における安定感・満足感の要因であった質問項目を「級友間安定満足度」とする。最 後にSD法に基づいた「自分の学級についての意識調査」と呼んでいた心理尺度は、

学級での居心地感や学級に対して持っている雰囲気を測る要因であるので、「学級雰囲 気度」と呼ぶことにする。

 まず、統制学級であるA組と実験学級であるB組C組との等質性の検定である。

実験授業に先立って行ったプリテスト(事前調査)の結果をLeveneの等分散性の検定 をしたところ、「級友間不安度」・「自尊感情度(W)」・「級友二安定満足度」・「学級雰 囲気度」の4心理尺度ともに3学級群の分散に有意な差はなく等分散性が確認された。

 次に各回二間の等質性を確認するために、同じく事前調査の結果を用いて、一元配 置の分散分析を行った。その結果、3学級群間において、調査項目の「級友間不安度」

はF(2,84)=1.09であり、「自尊感情度(W)」はF(2,84)=2.61であり、ともに有意 な差は認められなかった。つまり、「級友間不安度」と「自尊感情度(W)」において は、3学級は等質であるといえる。しかし、「級友二安定満足度」はF(2,85)=5.94、

「学級雰囲気度」F(2,85)=5.72で、両要因ともに有意な差が認められた。そこで差 のある学級間を特定するために、多重比較(Tukey HSD)を行った。その結果、「級友 二安定満足度」ではA組B組の間とB組C組の間にそれぞれ有意な差が認められた。

つまり、統制学級A組と実験学級C組は等質性が認めれられた。また、「学級雰囲気 度」については、AB間に有意な差が認められた。つまり、統制学級A組と実験学級C 組の間、同じ実験学級であるB組とC組とは、等質であることが証明された。以上

の結果をTable 5.3に示す。

 事前の等質性に、「級友二安定満足度」「学級雰囲気度」において有意な差が認めら れた実験学級B組と他の2学級の得点を概観し、相対的に比較すると、実験学級B 組は、級友間の人間関係の安定性や、学級・としての凝集性がより高い集団を形成して いると見ることができよう。一方において、実験学級C組は、級友問の不安の程度 の高い状況下にあると言える。ちょうど統制学級A組は、両学級の中間に位置して おり、実験学級と統制学級の選定に当たっては、好条件であったとも言えよう。

一66一

Table 5.3 統制学級と実験学級の尺度比較

分散分析

測定尺度 学級

N M SD F値

多重比較

統制A

30

847 450

級友問不安度

実験B

28 7.89 3.62 1.09

実験C

29 9.38 3.29

統制A

30 12.07 4.30

自:尊感情度

実験B

28 14.29 4.10 2.61

(W)

実験C

29 12.28 3.74

級友二安定

統制A

30 28.83 7.60

満足度

実験B

28 33.52 4.91 5,94**

A,C<B

実験C

29 29.03 4.54

統制A

30 88.57 21.71

学級雰囲気度

実験B

28 105.31 17.64 5.72**

A〈B

実験C

29 94.96 18.18

** o〈.01

 実験授業の事前と事後に得られた調査データの分析を進める前に、分析結果を大き く左右するデータ(外れ値)を摘出し、データの信頼性の確認を行った。まず4つの心 理尺度とも、事前、事後のどちらかに欠席していた者、欠損値のあるデータは、分析

を始める間に棄却した。「級友間不安度」と「自尊:感情度(W)」では、この質問紙の 中にライスケールが含まれており、信頼性を欠くという結果(集計と計算は業者に委託

した)が出た者のデータは棄却した。さらに、各心理尺度において、等確率楕円(二次 元棄却)を実施し、事前調査と事後調査の得点の変化において、この後に行う検定結果 を左右すると予想される、事前と事後の得点の変化量の大きい増加と減少という分散 域から外れる値を持ったデータを選定レ棄却した。

 では、各心理尺度による事前と事後の教育効果の分析にはいる。

5.2.2 級友間不安度の分析

 「級友間不安度」の検定にはいる前に、この「中学生活充実意識調査(ウエルライフ)」

中の学校内場面別不安の要素、全8要因の事前調査での学級ごとの平均と、事後調査 での学級の平均を比較検討することにより、全体の大まかな動向を把握したい。その 数値は、ウエルライフ研究会が算出している全国平均点63とともにTable 5.4に示す。

63荒木紀幸 2002 学校生活充実感の診断と指導 正進社 p.2.

 この得点は、学校内の場面別の不安の程度を示すものである。事前と事後を相対的 にみると、不安の程度が低減したのは学業、授業、テストなどの学業面と、生徒関係 である。本授業プログラムが、特別活動でもあることから、対象校の学校行事等の予 定のない時期を選んだが、中学1年生の1学期末であったため、成績等、学業面で心 理的な影響が大きく出たことは、容易に推測がつく。またこの数値からも明らかであ

る。その影響を鑑みながら、この後の分析結果を判断することになろう。

Table 5.4 学校内場面別不安の要素の事前事後の推移

群 テスト 学業 進路 授業中 休み時間 部活委員 対教師 生徒間

全国平均 5.94 6.32 4.27 9.31 3.31 3.25 3.17 7.89

統制学級