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第 3 章 既存地域熱供給システム需要家の熱負荷・電力負荷の調査分析

3.4 調査結果

3.4.4 年間の負荷推移の分析

既存と実績データⅠからそれぞれ算出した、単位面積当たりの年間負荷推移を図 3.4.43に示す。

算出には、2008年度(365日)の日数を用いた。

事務所施設の年間冷熱負荷は、実績データⅠと既存原単位がほぼ同様の値であった。しかし、実 績データⅠの平日ピーク熱負荷(年間の負荷推移の中での最大値)は、既存の半分以下であり、9時

~17時の業務時間帯の冷熱負荷が低下し、夜間や冬期の冷熱負荷が増え、年間で冷熱負荷が発生し ている傾向にある。

また、実績データⅠの温熱負荷は、年間熱負荷原単位が既存の半分以下であり、平日ピーク熱負 荷も30%程度の値であった。これらの結果を踏まえると、熱源システム計画において既存原単位を 用いた計画は、熱源総容量が過大になる可能性がある。また、実績データⅠの運転時間は冷熱負荷、

温熱負荷ともに長くなる傾向にあるので、低負荷時の負荷率が年間の熱源システム効率に与える影 響が大きくなると考えられる。

実績データⅠの年間電力負荷は、既存とほぼ同様の値であった。しかし、実績データⅠは夜間の 負荷比率が高く、年間の負荷推移ではピーク時電力負荷が既存の80%程度となっている。

図 3.4.43 事務所 既存と実績データⅠの単位面積当たりの年間負荷推移

0 100 200 300

400 既存原単位 実績データⅠ

a) 冷房負荷

0 100 200 300

400 既存原単位 実績データⅠ

b) 温熱負荷

0 10 20 30 40 50

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

既存原単位 実績データⅠ

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

c) 電力負荷

単位面積あたりの 時刻別熱負荷[kJ/m2h]

単位面積あたりの 時刻別電力負荷[kWh/m2]

単位面積あたりの 時刻別熱負荷[kJ/m2h]

(2) 官公庁施設

既存と実績データⅠからそれぞれ算出した、官公庁施設の単位面積当たりの年間負荷推移を図

3.4.44に示す。算出には、事務所施設と同様に2008年度(365日)の日数を用いた。

実績データⅠの年間冷熱負荷は、既存原単位の半分程度の値であり、平日ピーク熱負荷も既存の 30%程度であった。事務所施設は冬期にも冷熱負荷が発生しているが、官公庁施設は既存とほぼ同 様の、4~10月にかけて冷熱負荷が発生している。冬期にも冷熱負荷が発生しているが、非常に小さ い値であった。民間の会社が入居する事務所施設と類似した施設にも関わらず、官公庁施設の冷熱 負荷推移が異なる要因としては、大規模なテナントビルは一般に執務室以外の施設(商業など)が 付属しているが、官公庁施設の建物はほぼ執務室のみで構成されている点が挙げられる。また、テ ナントビルと異なり、官公庁は冷暖房の設定を厳密に行っている可能性も考えられる。

また、実績データⅠの年間温熱負荷は事務所施設よりも高い傾向にあり、平日ピーク熱負荷は既 存の半分程度であった。

実績データⅠの年間電力負荷は、既存とほぼ同様の値であった。しかし、実績データⅠは夜間の 負荷比率が高く、年間の負荷推移ではピーク時電力負荷が既存の40%程度となっている。

図 3.4.44 官公庁 既存と実績データⅠの単位面積当たりの年間負荷推移

0 100 200 300

400 既存原単位 実績データⅠ

a) 冷房負荷

0 100 200 300

400 既存原単位 実績データⅠ

b) 温熱負荷

0 10 20 30 40 50

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

既存原単位 実績データⅠ

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

c) 電力負荷

単位面積あたりの 時刻別熱負荷[kJ/m2h]

単位面積あたりの 時刻別電力負荷[kWh/m2]

単位面積あたりの 時刻別熱負荷[kJ/m2h]

(3) 商業施設

既存と実績データⅠからそれぞれ算出した、 商業施設の単位面積当たりの年間負荷推移を図

3.4.45に示す。算出には、事務所施設と同様に2008年度(365日)の日数を用いた。また、商業施

設の既存原単位は中間期の時刻別負荷比率が無いため 4~5 月・10~11 月の時刻別負荷比率は夏期 の値を用いる。実績データⅠのデータ件数は1件のみであるため参考までに記載する。

実績データⅠの年間冷熱負荷は、既存原単位より 10%大きい値であったのに対し、平日ピーク熱 負荷は既存の70%程度であった。6~8月にかけて業務時間帯の負荷は増加しているが夜間時間帯の 負荷の発生や4~5月・11~3月にかけて負荷が大きくなり、年間を通して冷熱負荷が発生する傾向 にある。

また、実績データⅠの年間温熱負荷は、既存原単位より33%程度の値であり、平日ピーク熱負荷 も既存の15%程度の値であった。

図 3.4.45 商業 既存と実績データⅠの単位面積当たりの年間負荷推移

0 100 200 300

400 既存原単位 実績データⅠ

a) 冷房負荷

0 100 200 300

400 既存原単位 実績データⅠ

b) 温熱負荷

単位面積あたりの 時刻別熱負荷[kJ/m2h]

単位面積あたりの 時刻別熱負荷[kJ/m2h]

0 10 20 30 40 50

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

既存原単位 実績データⅠ

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

c) 電力負荷

単位面積あたりの 時刻別電力負荷[kWh/m2]

(4) 宿泊施設

既存と実績データⅠからそれぞれ算出した、宿泊施設の単位面積当たりの年間負荷推移を図

3.4.46に示す。算出には、事務所施設と同様に2008年度(365日)の日数を用いた。

実績データⅠの年間冷熱負荷は、既存原単位の80%程度の値であったが、平日ピーク熱負荷は 既存の半分程度であった。既存原単位の冷熱負荷は夏期日中のピーク熱負荷比率が高いが、実績デ ータⅠは夜間の負荷比率が高く、夏期ピーク時もなだらかな負荷推移を示している。

また、実績データⅠの年間温熱負荷は既存の 70%程度であり、平日ピーク熱負荷は既存の半分 程度であった。しかし、夏期の温熱負荷は既存と実績データⅠでほぼ同様の推移を示している。夏 期の温熱負荷は給湯負荷によるものだと考えられ、夏期における既存原単位の給湯負荷は、実績デ ータⅠと同様であると考えられる。

実績データⅠの年間電力負荷は、既存とほぼ同様の値であり、年間電力負荷推移も既存と実績デ ータⅠでほぼ同様の推移を示している。夏期日中の電力負荷は、実績データⅠが既存の 80%程度 の値であった。

図 3.4.46 宿泊 既存と実績データⅠの単位面積当たりの年間負荷推移

0 100 200

300 既存原単位 実績データⅠ

a) 冷房負荷

0 100 200

300 既存原単位 実績データⅠ

b) 温熱負荷

0 10 20 30 40 50

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

既存原単位 実績データⅠ

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

c) 電力負荷

単位面積あたりの 時刻別熱負荷[kJ/m2h]

単位面積あたりの 時刻別電力負荷[kWh/m2]

単位面積あたりの 時刻別熱負荷[kJ/m2h]

(5) 病院施設

既存と実績データⅠからそれぞれ算出した、病院施設の単位面積当たりの年間負荷推移を図

3.4.47に示す。算出には、事務所施設と同様に2008年度(365日)の日数を用いた。

実績データⅠの年間冷熱負荷は、既存原単位の80%程度の値であったが、平日ピーク熱負荷は既存 の 40%程度であった。これは、既存原単位の月別熱負荷比率が、8 月のみ極端に高い値であった為 である。中間期・冬期の負荷推移は既存と実績データⅠで同程度であった。

また、実績データⅠの年間温熱負荷は既存の 40%程度であり、平日ピーク熱負荷も既存の30%程 度であった。実績データⅠの始業時のピーク熱負荷は、既存原単位と異なり、極端に高い値を示し ていない。

実績データⅠの年間電力負荷は、既存とほぼ同様の値であり、年間電力負荷推移も既存と実績デー タⅠでほぼ同様の推移を示している。

図 3.4.47 病院 既存と実績データⅠの単位面積当たりの年間負荷推移

0 100 200 300

400 既存原単位 実績データⅠ

a) 冷房負荷

0 100 200 300

400 既存原単位 実績データⅠ

b) 暖房負荷

0 10 20 30 40 50

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

既存原単位 実績データⅠ

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

c) 電力負荷

単位面積あたりの 時刻別熱負荷[kJ/m2h]

単位面積あたりの 時刻別電力負荷[kWh/m2]

単位面積あたりの 時刻別熱負荷[kJ/m2h]