第 3 章 既存地域熱供給システム需要家の熱負荷・電力負荷の調査分析
3.4 調査結果
3.4.1 年間負荷原単位の調査結果
(1) 事務所施設
図 3.4.1~図 3.4.3 に、事務所施設における既存原単位と実績データⅠの年間負荷を示す。既存原
単位は、事務所(標準型)を用いて比較を行った。図 3.4.1より、実績データⅠの冷熱負荷は 294.5[MJ/
㎡年]であり、既存と同等の値であった。また、実績データⅠの元データ42件の内、最小値は146.3[MJ/
㎡年]、最大値は 510.9[MJ/㎡年]、標準偏差は78であり、各データの差が約 360 [MJ/㎡年]と非常に 大きい傾向にあった。
図 3.4.2より、年間温熱負荷は、実績データⅠが89.3[MJ/㎡年]であり、既存(暖房負荷と給湯負 荷の合算値)の 64%の値であった。また、実績データⅠの元データ24 件の内、最小値は 49[MJ/㎡ 年]、最大値は153.4[MJ/㎡年]、標準偏差は27.7であり、各データの差が約100[MJ/㎡年]と大きい傾 向にあった。また、図 3.4.3より、年間電力負荷は実績データⅠが185.6[kWh/㎡年]であり、既存の 118%の値であった。
図 3.4.1 事務所 既存と実績データⅠの年間冷熱負荷(n=42)
図 3.4.2 事務所 既存と実績データⅠの年間温熱負荷(n=20)
図 3.4.3 事務所 既存と実績データⅠの年間電力負荷(n=6)
293.0
294.5
0 100 200 300 400 500 600
既存原単位 実績データⅠ
平均
年間熱負荷原単位[MJ/m2y]
平均値 294.5
最小値 146.3
第1四分点 240.3
中央値 287.5
第3四分点 337.3
最大値 501.9
標準偏差(不偏分散) 77.0 冷熱負荷
[MJ/m2y]
実績 データⅠ
130.0 9.4
89.3
0 50 100 150 200
既存原単位 実績データⅠ
暖房負荷 給湯負荷 平均
年間熱負荷原単位[MJ/m2y]
平均値 89.3
最小値 49.0
第1四分点 72.1
中央値 83.2
第3四分点 101.2
最大値 153.4
標準偏差(不偏分散) 27.0 温熱負荷
[MJ/m2y]
実績 データⅠ
156.0
185.6
0 50 100 150 200 250 300
既存原単位 実績データⅠ
平均
年間電力負荷原単位[kWh/m2y]
平均値 185.6
最小値 130.2
第1四分点 155.2
中央値 162.6
第3四分点 224.4
最大値 260.7
標準偏差(不偏分散) 48.7 電力負荷
[kWh/m2y]
実績 データⅠ
(2) 官公庁施設
図 3.4.4~図 3.4.6 に、官公庁施設における既存原単位と実績データⅠの年間負荷を示す。既存原
単位には官公庁施設の負荷は設定されていない為、事務所施設の原単位を用いて既存と実績データ
Ⅰの比較を行った。図 3.4.4 より、実績データⅠの冷熱負荷は 153.9[MJ/㎡年]であり、既存の 53%
であった。実績データⅠの元データ4件の内、最小値は119.7[MJ/㎡年]、最大値は214.1[MJ/㎡年]、 標準偏差は37.2であった。
図 3.4.5より、年間温熱負荷は、実績データⅠが119.1[MJ/㎡年]であり、既存(温熱負荷と給湯負 荷の合算値)の 92%であった。また、実績データⅠの元データ4件の内、最小値は89.5[MJ/㎡年]、
最大値は131.6[MJ/㎡年]、標準偏差は20.1であった。
図 3.4.6より、年間電力負荷はデータ件数が 1件であり参考程度の値ではあるが、実績データⅠ
が138.3[kWh/㎡年]で既存の88%の値であった。
図 3.4.4 官公庁 既存と実績データⅠの年間冷熱負荷(n=4)
図 3.4.5 官公庁 既存と実績データⅠの年間温熱負荷(n=4)
図 3.4.6 官公庁 既存と実績データⅠの年間電力負荷(n=1)
293.0 153.9 0
100 200 300 400 500 600
既存原単位 実績データⅠ
平均
年間熱負荷原単位[MJ/m2y]
平均値 153.9
最小値 119.7
第1四分点 124.9
中央値 140.9
第3四分点 170.0
最大値 214.1
標準偏差(不偏分散) 37.2 冷熱負荷
[MJ/m2y]
実績 データⅠ
130.0
9.4 119.1
0 50 100 150 200
既存原単位 実績データⅠ
暖房負荷 給湯負荷 平均
年間熱負荷原単位[MJ/m2y]
平均値 119.1
最小値 89.5
第1四分点 108.5
中央値 121.1
第3四分点 131.6
最大値 144.8
標準偏差(不偏分散) 20.1 温熱負荷
[MJ/m2y]
実績 データⅠ
156.0
138.3
0 50 100 150 200
既存原単位 実績データⅠ
平均
年間電力負荷原単位[kWh/m2y]
平均値 138.3
最小値 128.3
第1四分点 133.3
中央値 138.3
第3四分点 143.3
最大値 148.3
標準偏差(不偏分散) 10.0 実績 データⅠ 電力負荷
[kWh/m2y]
(3) 商業施設
図 3.4.7~図 3.4.8 に、商業施設における既存原単位と実績データⅠの年間負荷を示す。商業施設
は負荷データを 1 件のみ収集したため参考値として記載する。図 3.4.7より、実績データⅠの冷熱
負荷は575.5[MJ/㎡年]であり、既存より約10%大きい値を示した。
図 3.4.8より、年間温熱負荷は、実績データⅠが48.7[MJ/㎡年]であり、既存(温熱負荷と給湯負
荷の合算値)の33%であった。
図 3.4.7 商業 既存と実績データⅠの年間冷熱負荷(n=1)
図 3.4.8 商業 既存と実績データⅠの年間温熱負荷(n=1)
523.1
575.5
0 100 200 300 400 500 600
既存原単位 実績データⅠ
平均
年間熱負荷原単位[MJ/m2y]
平均値 575.5
最小値 575.5
第1四分点 575.5
中央値 575.5
第3四分点 575.5
最大値 575.5
標準偏差(不偏分散) 0.0 冷熱負荷
[MJ/m2y]
実績 データⅠ
145.1 96.1
48.7 0
50 100 150 200 250 300
既存原単位 実績データⅠ
暖房負荷 給湯負荷 平均
年間熱負荷原単位[MJ/m2y]
平均値 48.7
最小値 48.7
第1四分点 48.7
中央値 48.7
第3四分点 48.7
最大値 48.7
標準偏差(不偏分散) 0.0 温熱負荷
[MJ/m2y]
実績 データⅠ
(4) 宿泊施設
図 3.4.9~図 3.4.11 に、宿泊施設における既存原単位と実績データⅠの年間負荷を示す。図 3.4.9
より、実績データⅠの冷熱負荷は 369.1[MJ/㎡年]であり、既存の 88%であった。実績データⅠの元 データ4件の内、最小値は353.6[MJ/㎡年]、最大値は 381.5[MJ/㎡年]、標準偏差は23.6であり、各 データの差は約28[MJ/㎡年]と小さい傾向にあった。
図 3.4.10より、年間温熱負荷は、実績データⅠが487.3[MJ/㎡年]であり、既存(温熱負荷と給湯
負荷の合算値)の 72%であった。また、実績データⅠの元データ 4 件の内、最小値は 454.3[MJ/㎡ 年]、最大値は 543.1[MJ/㎡年]、標準偏差は39であり、各データの差が約 88.5[MJ/㎡年]であった。
宿泊施設の年間熱負荷は、冷熱負荷、温熱負荷ともに実績データⅠは既存より低下している傾向に あった。
図 3.4.11より、年間電力負荷はデータ件数が1件であり参考程度の値ではあるが、実績データⅠが
194.4[kWh/㎡年]で既存の97%とほぼ同様の値を示した。
図 3.4.9 宿泊 既存と実績データⅠの年間冷熱負荷(n=4)
図 3.4.10 宿泊 既存と実績データⅠの年間温熱負荷(n=4)
図 3.4.11 宿泊 既存と実績データⅠの年間電力負荷(n=1)
419.0
369.1
0 100 200 300 400 500 600
既存原単位 実績データⅠ
平均
年間熱負荷原単位[MJ/m2y]
平均値 369.1
最小値 353.6
第1四分点 361.9
中央値 370.8
第3四分点 378.1
最大値 381.5
標準偏差(不偏分散) 10.9 冷熱負荷
[MJ/m2y]
実績 データⅠ
335.0 335.0
487.3
1000 200300 400500 600700 800
既存原単位 実績データⅠ
暖房負荷 給湯負荷 平均
年間熱負荷原単位[MJ/m2y]
平均値 487.3
最小値 454.5
第1四分点 464.1
中央値 475.8
第3四分点 498.9
最大値 543.1
標準偏差(不偏分散) 33.9 温熱負荷
[MJ/m2y]
実績 データⅠ
200.0
194.4
0 50 100 150 200 250 300
既存原単位 実績データⅠ
平均
年間電力負荷原単位[kWh/m2y]
平均値 194.4
最小値 194.4
第1四分点 194.4
中央値 194.4
第3四分点 194.4
最大値 194.4
標準偏差(不偏分散) 0.0 実績 データⅠ 電力負荷
[kWh/m2y]
(5) 病院施設
図 3.4.12~図 3.4.14に、病院施設における既存原単位と実績データⅠの年間負荷を示す。図 3.4.12
より、実績データⅠの冷熱負荷は 252.9[MJ/㎡年]であり、既存の 76%であった。実績データⅠの元 データ4件の内、最小値は189.0[MJ/㎡年]、最大値は 346.3[MJ/㎡年]、標準偏差は57.8であり、各 データの差は約160[MJ/㎡年]と大きい傾向にあった。
病院施設の温熱負荷データは全て、給湯負荷を含まない値であるので、以降の分析では既存原単 位の温熱負荷と比較した。図 3.4.13 より、年間温熱負荷は実績データⅠが 116.2[MJ/㎡年]であり、
既存の37%と非常に低い傾向にあった。また、実績データⅠの元データ4件の内、最小値は95.1[MJ/
㎡年]、最大値は131.6[MJ/㎡年]、標準偏差は15.1であり、各データの差が約40[MJ/㎡年]であった。
病院施設の実績データⅠは、元データ年度が 2010 年年度と猛暑として記録された年であるにも関 わらず、既存原単位より冷房・温熱負荷ともに低い傾向にあった。
図 3.4.14 より、年間電力負荷はデータ件数が 1 件であり参考程度の値ではあるが、実績データ
Ⅰが174.0[kWh/㎡年]で既存の102%とほぼ同様の値を示した。
図 3.4.12 病院 既存と実績データⅠの年間冷熱負荷(n=4)
図 3.4.13 病院 既存と実績データⅠの年間温熱負荷(n=4)
図 3.4.14 病院 既存と実績データⅠの年間電力負荷(n=1)
335.0
252.9
0 100 200 300 400 500
既存原単位 実績データⅠ
平均
年間熱負荷原単位[MJ/m2y]
平均値 252.9
最小値 189.0
第1四分点 219.6
中央値 238.2
第3四分点 271.6
最大値 346.3
標準偏差(不偏分散) 57.8 冷熱負荷
[MJ/m2y]
実績 データⅠ
310.0 335.0
111.7 1000
200300 400500 600700 800
既存原単位 実績データⅠ
暖房負荷 給湯負荷 平均
年間熱負荷原単位[MJ/m2y]
平均値 111.7
最小値 91.6
第1四分点 101.5
中央値 114.6
第3四分点 124.9
最大値 125.9
標準偏差(不偏分散) 14.3 暖房負荷
[MJ/m2y]
実績 データⅠ
170.0
174.0
0 50 100 150 200 250 300
既存原単位 実績データⅠ
平均
年間電力負荷原単位[kWh/m2y]
平均値 174.0
最小値 174.0
第1四分点 174.0
中央値 174.0
第3四分点 174.0
最大値 174.0
標準偏差(不偏分散) 0.0 実績 データⅠ 電力負荷
[kWh/m2y]
3.4.2 月別負荷比率