第 5 章 熱負荷・電力負荷の変化が空調設備設計に与える影響の分析
5.2 シミュレーションによる熱源機器の台数分割の影響分析
5.2.3 シミュレーション結果
5.2.3 シミュレーション結果
(2) 年間エネルギー効率
図 5.2.8に、Hビルの2009年度と2015年度の分割台数毎の年間エネルギー効率の比較を示す。
年間エネルギー効率は、2009年度は 9台分割したときまで上がり続け、2015年度は 7 台分割した ときまで上がり続けていることが分かる。2~10 台分割すべてにおいて2015 年度の方が年間エネル ギー効率は低かった。
図 5.2.9にH ビルの2009年度と2015年度の2 台分割時の年間エネルギー効率を 100%とした場
合の3~10台分割時の年間エネルギー効率の比を示す。この比を2009年度と2015年度で分割台数 毎に比較すると、すべての分割台数時において2015年度の方が高い値となっている。また、2009年 度は 2台分割時から最高効率の 9台分割時で年間エネルギー効率は 0.99から 1.27に上昇し、効率 が 1.28倍に向上しており、2015年度は2 台分割時から最高効率の 7台分割時で年間エネルギー効 率は0.90から1.20に上昇し、効率が1.33倍に向上した。
図 5.2.8 Hビルの2009年度と2015年度の 分割台数毎の年間エネルギー効率の比較
図 5.2.9 Hビルの2009年度と2015年度の 対2台分割時の年間エネルギー効率比率
図 5.2.10にHビルの分割台数毎の熱負荷率別出現頻度割合を示す。台数分割によって運転台数を 制御し、それぞれの熱源機器にかかる熱負荷率が上昇したため、2009年度と2015年度共に効率が向 上していると考えられる。また、冷熱負荷の負荷率91~100%の出現頻度割合を見ると、2009年度 では9台分割時、2015年度では7台分割時に最も大きくなっており、定格に近い運転を続けられたた め、2009年度9台分割時と2015年度7台分割時に年間エネルギー効率が最大効率になったと考えら れる。
図 5.2.11にHビルの年間冷温熱負荷割合を示す。年間熱負荷に対する年間冷熱負荷の割合は、
2009年度は約79%、2015年度年は約73%であった。年間熱負荷に対する年間温熱負荷の割合は、2009 年度は約21%、2015年度年は約27%であった。このことから、2009年度に比べ2015年度の方が冷熱 比率が低く温熱比率が高くなっていることが分かる。
この負荷変化により、2009年度と比べ2015年度の方が空冷ヒートポンプの冷熱製造割合が増加し た。一方、空冷ヒートポンプより冷凍COPが高いターボ冷凍機の冷熱製造割合が減少した。また、
空冷ヒートポンプの加熱COPは、空冷ヒートポンプの冷凍COPやターボ冷凍機の冷凍COPよりも低 い部分負荷特性である。そして、2009年度と比べ2015年度の方が空冷ヒートポンプの加熱運転時間 が増えている。これらの影響から、2009年度と比べ2015年度の方が年間エネルギー効率が低い値と なったと考えられる。
電力消費量と年間エネルギー効率の比較結果より、2009年度に比べ2015年度の方が台数分割によ る効果が大きいと考えられる。
図 5.2.10 Hビルの分割台数毎の熱負荷率別出現頻度割合
(左:冷熱負荷 右:温熱負荷)