◆ ポスターディスカッション
外科医主導の禁煙外来開設後 3 年間の禁煙治療成績と問題点
守
もり正
まさ浩
ひろ国立病院機構 千葉医療センター 外科
小林 純、森嶋 友一、豊田 康義、里見 大介、利光 靖子、福冨 聡、榊原 舞 土岐 朋子、山本 海介、石毛 孔明
国立病院機構 千葉医療センター 外科
【 はじめに 】当院は 26 の診療科と 455 の病床を有する急性期病院であり、地域がん診療連携拠点病院 に指定されている背景から、当科は年間 700 件以上の全身麻酔下手術を手掛けている。近年、周術期 合併症の発生危険因子として喫煙が注目されており、3 月には日本麻酔科学会により周術期禁煙ガイ ドラインが制定、報告された。当科では周術期の合併症減少を目的として 2012 年 1 月より毎週木曜 14:00 〜 16:00 に外科医主導の禁煙外来を立ち上げ、今年で 4 年目を迎える。今回、過去 3 年間の 禁煙治療を振り返り、治療成績や問題点について検討したので報告する。
【 方法 】 2012 年から 2014 年の期間に当科で禁煙治療を行った 194 例を対象とした。禁煙外来へは術 前患者以外も受診するため、対象を術前、非術前の 2 群に分けて禁煙治療開始 12 週時点での禁煙成功 率を算出した。また、禁煙失敗要因を明らかにするため、術前、非術前群それぞれを禁煙成功、失敗 の 2 群にわけて年齢、性別、BMI、1 日喫煙本数、喫煙年数、TDS、FTND、行動変容ステージ等の項 目を比較検討した。12 週時点で 4 週以上の継続した禁煙期間を有し、呼気 CO 濃度が 8ppm 未満の患 者を禁煙成功と定義した。
【 結果 】受診患者は術前患者が 76 例(39.2%)、非術前患者が 118 例(60.8%)で、双方の群で男性が 多く術前患者の 76.3%(56 例)、非術前患者の 64.4%(76 例)を占めていた。禁煙治療開始 12 週時 点での禁煙成功率は術前群 77.6%(59 例)、非術前群 61.9%(73 例)で、術前群で有意に禁煙成功者 数が多い結果だった(χ2-test, p=0.021)。禁煙失敗要因について検討すると、術前群では単変量解析 で年齢が有意に若く(t-test、p=0.004)、行動変容ステージで前熟孝期〜準備期の患者が有意に多かっ た(χ2-test, p=0.001)。非術前群の禁煙失敗例では、年齢が若く(t-test、p=0.009)、TDS や FTND が高くニコチン依存度が強い患者が禁煙失敗していた。また、Brinkman Index は違いがなかったが 1 日喫煙本数が多く、喫煙年数が短い患者が有意に多かった。
【 結論 】術前患者と非術前患者とで禁煙失敗のリスク因子が違うため、それぞれの患者で異なる対応 が必要となる。特に手術を予定した患者では、手術を必要とする疾患の診断とともに禁煙の必要性が 突然出現するため、行動変容ステージが低い患者が多い。このため、禁煙成功率を向上するためには 5A アプローチだけでなく 5R アプローチを活用した意識付けの強化が重要である。
P-14
禁煙外来の現状分析と意識・追跡調査
中
なか村
むら良
りょう子
こいちぐちクリニック
濱田 貴子、一口 修、清水 真理、高木 辰美 いちぐちクリニック
【 目的 】禁煙外来の現状分析と禁煙成功者の 1 年後の追跡調査、一般外来定期通院患者の喫煙者に禁煙 の意識調査を行い、現在の課題を見いだし今後の治療へ活用する。
【 方法 】平成 22 年 6 月から 26 年 3 月までの 537 名の禁煙外来受診者における成功率の分析と、平成 23 年 9 月から平成 26 年 3 月の間に禁煙成功した患者 377 名について 1 年後の追跡調査を行った。また、
一般外来定期受診患者のうち喫煙者を無作為に 20 名選び意識調査を行った。
【 結果 】平均年齢は 45.3 才で 30 代から 50 代が多かった。男女比は、男性 72.3% 女性 27.7%。受 診回数は、5 回の受診が最も多く 30.4%であった。成功率は、5 回受診して成功したものと受診中断し たが成功したものとを合わせ 70.2%であった。受診回数別成功率は、全年度に共通し 5 回受診の成功 率が最も高かった。
禁煙成功者の 1 年後の追跡調査では、「禁煙継続出来ている」が 50.8% 「再喫煙」が 26.2%であっ た。再喫煙の時期で一番多かったのは 6 か月〜 1 年後で 35.3% 次いで 3 〜 6 か月後で 26.5%であっ た。再喫煙のきっかけは、ストレスが 41.1% 宴会の席が 26.4% 貰いタバコが 14.7%の順であった。
一般外来患者の意識調査では、「今後禁煙の予定があるか」に 14 名がいいえで、禁煙する意志が殆 どみられなかった。
【 考察 】成功率は年々徐々に上昇しており、これはより効果的な患者指導(声かけ・励まし・問題対策 案の提案)を目指し日々の診療に取り組んできた成果と考える。特に、「たった 1 本くらい」の気持ち の危険性ついて十分に説明し再喫煙防止に努めている。
一般外来患者への意識調査では、「当院の禁煙治療を知っているか」の問いには全員がはいと答えた が、禁煙治療内容を知っていたのは 20 名中 6 名と少ない現状であり、院内数カ所に禁煙治療のパンフ レット・ポスターの掲示をしているが治療内容の浸透はまだ不十分だと感じた。今後、関心のない患 者にも興味を持ってもらえるようなアプローチが課題である。又、禁煙の意欲把握の為に一般外来患 者に禁煙したい気持ちをパーセンテージで示したイラストツールを用い評価を行っている。今後、禁 煙に関心のない患者への治療導入に役立ていきたい。
禁煙外来開設から 5 年経過したが今後も症例を重ねていき、禁煙推進に努めていきたい。
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当院禁煙外来における糖尿病患者の禁煙成功率と HbAlc の経過について
吉
よし本
もと香
か代
よ子
こ一般財団法人 永頼会 松山市民病院
新谷 哲司、高橋 良美、溝田 園子、川本こずえ、川本 美加、加藤ひとみ 眞鍋 健一、古川 慎哉
一般財団法人 永頼会 松山市民病院
【 背景 】昨年の本学会において、当院に通院する糖尿病患者のうち 18.7%が喫煙しているが、そのう ち半数以上が熟考期以上の状態であり、約 2 割が禁煙外来受診を希望していることを報告した(高石彩 子ら.第 8 回日本禁煙学会学術集会、沖縄)。また、当院では糖尿病・内分泌代謝グループの医師が中 心になり禁煙外来を行っていることもあり糖尿病患者が禁煙外来を受診する頻度が高い。
【 目的 】当院禁煙外来における糖尿病患者の禁煙成功率および治療開始後の HbA1c の推移を評価する。
【 方法 】 2014 年 5 月以降に当院禁煙外来を受診した 40 例(男 / 女:32/8、年齢 56.3 ± 13.2 才、ブ リンクマン指数 804.8 ± 364.7 点)を対象とした。すべての症例において「禁煙治療のための標準手 順書」に従い禁煙治療を行った。合計 5 回の禁煙外来を修了し、治療開始 12 週後の時点で禁煙できて いる症例を禁煙成功と定義した。対象症例を糖尿病合併の有無により DM 群 18 例(男 / 女 16/2、年 齢 58.8 ± 11.0 才、ブリンクマン指数 889.4 ± 346.5 点)および非 DM 群 22 例(男 / 女:16/6、年 齢 54.3 ± 14.4 才、ブリンクマン指数 735.5 ± 364.6 点)に分類し、その禁煙成功率を比較した。ま た、DM 群において禁煙治療開始後の HbA1c の変化について検討した。
【 結果 】DM 群において治療成功者は 13 例(成功率 72.2%)であり非 DM 群(治療成功者 13 例、成功 率 59.1%)と比較して成功率が高い傾向にあった。また、DM 群において治療開始 12 週後に HbA1c が上昇する傾向にあった(前:7.2 ± 1.1%、後:7.6 ± 1.6%、p=0.190)。
【 結論 】当院禁煙外来において糖尿病患者の禁煙成功率は非糖尿病患者に比べて高いが、糖尿病患者 においては禁煙治療開始後に HbA1c が悪化する傾向にあった。今回の検討では対象症例数が少なく解 釈に限界がある。今後症例数を増やして更なる検討を行っていきたい。
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当院における禁煙外来の現状
小
こ林
ばやし直
なお哉
や岡山西大寺病院 総合診療科
井久保 卯1)、菊池陽一郎1)、金廣 有彦2)、近藤 末美3)、坂尻 法夫4)、三木 康正3)
1)岡山西大寺病院 総合診療科、2)岡山大学病院 呼吸器内科
3)岡山西大寺病院 看護部、4)岡山西大寺病院 医事課
喫煙は肺癌をはじめとする様々な癌、呼吸器疾患、脳血管障害や心臓血管病などの様々な病気の原 因ないしは増悪因子であり、早期死亡の大きな要因の一つである。毎年多くの人が禁煙を試みている が、1 年後の禁煙成功率の統計をみると、わずか 7%という結果である。ただし医療機関で医師の指導 の下、禁煙治療を終了させた場合には、これよりも高い成功率が報告されている。よって、医療機関 での禁煙指導や治療の重要性がうかがわれる。当院では、平成 25 年 10 月から禁煙外来を週一回の頻 度で開始した。これまでに、27 名の患者(男性 21 名、女性 6 名)が当該外来を受診した。禁煙成功者 数は 15 名(男性 11 名、女性 4 名)で、成功率 55.6%であった。薬剤投与による副作用を 3 例に認めた。
2 例は投薬による消化器症状の出現、1例は皮膚症状によるもであった。失敗者数は 12 名(男性 10 名、
女性 2 名)で、男性の約半数が失敗となっていた。その原因は、外来受診の継続が出来なかったためで ある。そこで、今後の方策として、1)当院での禁煙外来の頻度を増やす、2)患者の勤務先やより自 宅に近いクリニック等に紹介することでの病診連携をすすめる計画である。少数例ではあるが、当院 での禁煙治療の現況について検討を加えたので考察を含めて報告する。