◆ 一 般 口 演
開業 5 年目の禁煙外来を反省して気づいた問題点と改善点
篠
しの原
はら立
たつ大
お清水中央クリニック
江藤 敏治2)、永盛 洋子1)、黒木光枝子1)、有川友紀子1)、椎葉美沙紀1)、斉藤 佳純1)
1)清水中央クリニック、2)宮崎県立看護大学
当院は 2010 年 4 月に開院したが、2010 / 6 / 26 から 2014/8/8 の 4 年 2 ヶ月の間に 209 人に対 し禁煙外来を行った。男女比は 2:1(男性 141 人、女性 68 人)。年齢は男性 42.7 ± 11.8 歳。女性 41.3 ± 12.6 と大差は無かった。年齢分布で試ると男女とも 30 歳台、40 歳台が多かった。年齢別の 受診回数を見ると年齢が若いほど受診回数が少ない傾向があった。全体の禁煙成功率は 55%であった。
年代別の成功率を見ると年齢が若い程成功率が低くい傾向があった。受診回数と成功率を見ると受診 回数と成功率は明確な相関関係があると思われた。受診月と患者数の関係は、2 月、5 月で少ない傾向 があった。当院の禁煙外来は初回にかける時間が多く、約 30 分程かけている。開院当初患者が少ない 時には、受診患者のチェックは院長が行、受診を促していたために、禁煙成功率は高い印象があった が、外来患者の増加とともにチェックがなくなり、気づくと 2 回目以降の受診が無い方が多く、禁煙 の継続が中断されていた。当然禁煙成功率は低下していた。初回に時間をかけても効率が悪く禁煙外 来の継続中断も考えた。2 回目以降の受診を促すために、初回受診日の 3 日目あるいは 7 日目に、患者 に副作用等の異常はないか電話連絡を職員にお願いすることにした。また、再診の有無のチェックを するようにした。医療はチームワークが必要であるので、今後職員を巻き込んでの禁煙外来を行いた いと考えている。
O3-3
禁煙外来脱落者減少への検討
能
の登
と啓
ひろ文
ふみ富山県健康増進センター
蔵掘小百合、高島 寧子、中川恵里子、山田 麻美、片山 貴永 富山県健康増進センター
【 はじめに 】禁煙外来は動機付け完了の状態の治療開始とはいえ、治療期間自体を乗り切れないケー スは多い。まして、その後のフォローアップでは通院終了直後に挫折したりサポート終了に伴う早々 の再喫煙はかなりの率に達している。今回「5つの A」に達した喫煙者に対し、どのように「5 つの R」を用いれば効果的な禁煙導入になるかについて、当施設で関わった症例について、検討し報告する。
【 対象および方法 】当施設 4 年間の禁煙外来通院患者 96 名。担当は保健師 4 名と管理栄養士 1 名で担 当医(専門指導医)は 1 名。日常、検診時に喫煙者への声掛けを行い、禁煙を決意した時点での開始と なる。ホームページの情報で来診される場合もある。月曜から金曜のドック健診のピークが過ぎた午 前 11 時〜午後 4 時に患者の希望に合わせて枠を用意し、所要時間は保健師との面談約 20 分、医師と の面談等約 10 分の計約 30 分程度で「禁煙手順書」に則り行っている。
【 結果及び考察 】 2011 年 6 月より 2015 年 8 月までの対象患者は 96 名(男 74/ 女 22)で当県の 2013 年喫煙率の男女比(男 33.3% / 女 8.0%)に比しやや女性に高い禁煙への積極性が見られ、全体での平 均値± SD は喫煙指数 586.5 ± 290.9、喫煙本数 23.6 ± 8.7 本 / 日、喫煙年数 26.7 ± 12.6 年であった。
外来終了後 6 か月経過の 77 症例の禁煙継続率を見ると、外来終了時の完遂者は 59 名(76.6%)フォ ローアップの 6 か月経過時点の継続者は 44 名(57.1%)と減少し、6 か月以後での再喫煙は少なかっ た。禁煙継続群(9 か月以上禁煙継続者):早期脱落群(外来終了前の脱落者):後発脱落群(外来終了 後 6 か月以内の脱落者)の 3 群について喫煙指数の各要素との関連を比較してみると、禁煙継続群では
(23.4 本× 28.0 年= 599.4)、早期脱落群では(25.1 本× 21.5 年= 513.0)、後発脱落群では(22.2 本× 30.0 年= 648.5)であった。禁煙継続群に比較し早期脱落群は、喫煙本数が多く暴露期間の短い 若い世代が多く、一方、後発脱落群は年数と喫煙指数が高いいわば手練れの依存症が多いと考えられ た。
【 まとめ 】最近 4 年間の禁煙外来 96 名のうち、9 か月以上経過した 77 症例について検討した。1)喫 煙若年世代には外来受診時、次回までの継続できる強力なサポートが必要。2)手練れの依存症には外 来終了時の緊張の途切れたエアーポケットのカバーが必要。
O3-4
禁煙外来受診者の喫煙指数とスパイログラム・肺年齢の検討
坂
さか口
ぐち浩
ひろ三
ぞう石心会さやま総合クリニック 禁煙外来 / 埼玉医科大学国際医療センター 呼吸器外科 濱 恵1)、小野寺葉子1)、松岡 明江1)、青柳 佳樹1,3)
1)日石心会さやま総合クリニック 禁煙外来、3)あおやぎクリニック
【 はじめに 】当院禁煙外来では動機付けの一助として初診時にスパイログラム測定を全員に勧めてい る。禁煙外来 12 週後の卒煙アンケート直近 40 例のまとめ(今学会での報告あり)では初診時スパイロ グラムをやって良かったと感じたのは 35 名(87%)であり、禁煙の達成率向上に役立っている実感が ある。
【 目的 】禁煙外来患者のスパイログラムと肺年齢の実態を明らかにし、喫煙指数との関連を調べた。
【 対象 】 2011.9 〜 2015.7 の間の禁煙外来受診者延べ 219 名のうち 2 回目以上受診6名、スパイログ ラム測定拒否 7 名を除いた 206 名を対象とした。
【 方法 】 206 名の 1 秒率(FEV1:%)、% 1 秒量(%FEV1:%)、肺年齢を後向きに検討した。また喫煙 指数との相関を Peason の相関係数を用いて検討した。
【 結果 】禁煙外来初診患者 213 名中 206 名(96.7%)が勧めに応じてスパイログラムを測定した。206 名の内訳は男性 141, 女性 65。年齢:平均 60 歳(男 62 歳 , 女 56 歳)分布は 22 歳- 89 歳。喫煙指数:
平 均 820(男 875, 女 700)分 布 は 48 - 2250。1 秒 率:73.6 ± 10.8%(男 72.6 ± 11.0, 女 75.7 ± 10.1)。 % 1 秒 量:84.4 ± 17.0%(男 82.4 ± 16.0, 女 88.9 ± 18.3)。 肺 年 齢:+13.8 ± 14.5(男 +16.3 ± 13.5, 女 +8.4 ± 15.2)分 布 は 20 歳 未 満 1, 〜 -10 歳 11, 〜 0 歳 18, 〜 +10 歳 45, 〜 +20 歳 58, 〜 +30 歳 48, 〜 +40 歳 18, 〜 +50 歳 3, 〜 +60 歳 2, 〜 +70 歳 2。肺年齢が実年齢より低かったの は 30 名(14.6%)、 実 年 齢 よ り 10 歳 以 上 高 か っ た の は 131 名(63.6%)、95 歳 以 上 判 定 は 39 名
(18.9%)であった。喫煙指数との相関係数は 1 秒率:-0.073(p=0.047)、% 1 秒量:-0.073(p=0.134)、
肺年齢:-0.036(p=0.605)。いずれも 2 変量グラフではばらつきが大きく、喫煙指数と 1 秒率・% 1 秒量・肺年齢との間に相関はなかった。
【 結語 】喫煙指数と 1 秒率、% 1 秒量、肺年齢との間に有意な相関はなかった。禁煙外来患者では喫煙 指数が高くなくても肺年齢の高い場合がある。喫煙指数にかかわらず個別の呼吸機能評価は肺の機能 障害の状態が実感でき、禁煙の動機付けに役立つと思われた。
O3-5
禁煙補助薬選択割合と短期禁煙成功率
長
は谷
せ川
がわ純
じゅん一
いち鳥取大学 医学部 薬物治療学・薬物療法内科 松田 明子2)、三浦 典正1)
1)鳥取大学 医学部 薬物治療学・薬物療法内科、2)奈良県立医科大学 看護学科 基礎看護学
【 背景・目的 】禁煙治療に健康保険が適用されるようになって、喫煙習慣は病気であることが広く理 解され、禁煙外来を開設する病・医院も増加した。一方、禁煙補助薬もニコチンガム、ニコチンパッ チに加えて内服薬(バレニクリン)が利用できるようになり、その禁煙成功率の高さと簡便さなどから、
バレニクリン処方を求めて来院する喫煙患者も現れるようになった。タバコ価格の上昇時に供給不足 が生じた程で、バレニクリン処方率が高いと報告されている。当科禁煙外来ではニコチンパッチ処方 も継続していることから、バレニクリンとニコチンパッチ両者について、直近の使用割合と短期成功 率を比較した。
【 方法 】当院ではニコチンパッチ、バレニクリンについて、両薬剤の禁忌、慎重投与並びに薬理学的 性質などを基に、使い分けの基本方針を策定し、患者の希望を加味して使い分けている。ニコチンパッ チ(ニコチネル TTS):長所は喫煙者にニコチン不耐容なく、1 回 / 日貼るだけの簡便さ、やや安価、
OTC 薬があり 10 週以後も自己継続可能であること。短所は妊婦には禁忌、皮膚障害(かぶれ易い)、
血管収縮作用等、交感神経刺激作用の存在。これらより、精神疾患患者、バレニクリン不耐容、航空 機操縦士、職業運転手などを適用推奨患者としている。バレニクリン(チャンピックス):長所は服用 が簡単、成功率やや高い、心血管系副作用が少ないこと。短所はうつ症状悪化など精神疾患患者に不 向き、嘔気などの消化器副作用多い、やや高価(プログラム終了後は私費診療)、自動車運転に注意
(意識障害)などより、心血管系疾患患者、パッチ不耐容(かぶれ)などを適用推奨患者としている。
直近の傾向を見る意味で 2013、2014 年度にニコチン依存症管理料を初回算定した患者のうち、バ レニクリン、ニコチンパッチのいずれかを使用した患者を対象に、最終受診時において継続して禁煙 しているかどうかで短期禁煙成功率を算出した。
【 成績 】直近 2 年間は患者が少なかったが、バレニクリン使用者は 63 例(13 年度 32 例、14 年度 31 例)で、短期禁煙成功率 71.4%であった。ニコチンパッチ使用者は 13 例(13 年度 4 例、14 年度 9 例)
で、短期禁煙成功率 69.2%であった。
【 結論 】禁煙補助薬の特徴による長短と患者の希望を基に使い分けを行うと、使用頻度に大差が生じ たが、短期禁煙成功率に差はなかった。