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年の歩み

ドキュメント内 第9回日本禁煙学会学術総会抄録集PDF版 (ページ 127-152)

◆ 一 般 口 演

新居浜発禁煙推進 15 年の歩み

おお

 橋

はし

 勝

かつ

 英

ひで

(医)大橋胃腸肛門科外科医院

 新居浜市における組織的な禁煙推進活動は、「健康日本 21」が策定された 2000 年から、市内の医 師 10 人による「禁煙推進医師の会」を母体に、県下で最も早くエネルギッシュに始まった。個人的 投稿(1982)や学校での禁煙教育、愛媛県医師会作成の「タバコってなーに?」漫画本の生徒への配 布はすでにあった(1995)。2000 年にハーバード大学公衆衛生大学院長、ブルーム氏の日本医師会訪 問を受けて、日本医師会館内は禁煙になり禁煙キャンペーンが始まった。同年筆者は愛媛県と厚生省 による「世界禁煙デー 2000 in えひめフォーラム」のシンポジストに参加。市内小学 6 年生、中学 3 年生の喫煙に関する意識調査も行い、翌年の日本医師会学校保健講習会で発表した。

2001 年、禁煙推進医師の会を「禁煙推進の会えひめ」に改組し一般会員の参加を促し、年々会員数 が増え約 440 人に及ぶに至った。同年の世界禁煙デーの催しに、米国の大手タバコ会社の子会社バッ ト社副社長、ジェフリー・ワイガンド博士を招聘した。約 700 人の参加でタバコ問題が一躍注目され るようになった。やがて投稿や講演が盛んになり、禁煙推進は人々の関心の的となった。さらに同年、

市主催の「生き生きフェスティバル」での初の禁煙支援コーナー出展や、医師会館内の全面禁煙が行 われ、一気に禁煙ムードが高まる記念すべき年になった。

2002 年、学術講演会や勉強会後の懇親会の会場内は禁煙とした。世界禁煙デーでは茨城県の平間敬文 先生による「未成年者の喫煙ゼロを目指して」の講演会等が開かれた。

2003 年、医師会禁煙推進委員会を設置。医師会館が新館になる折りの敷地内禁煙が決まった。

2004 年、「タバコってなーに?」漫画本 3000 冊を市内 6 年生と中学 2 年生に配布。以後 10 年近く続 いた。医師会員の「喫煙行動と喫煙対策・禁煙支援」に関する調査が行われ、医師会禁煙宣言が採択 された。

2006 年、オーストラリア人、マーク・ギブンズ氏が「日本縦断禁煙ウオーク」を開始。九州最南端 の佐多岬から稚内に至る 3000 キロを「禁煙は愛」の幟を掲げ、全国の支援者のサポートで踏破し大 きな足跡を残した。

O9-4

保険薬局の取り組み

~「薬局がつくった禁煙ガイド」を発行して~

よし

 田

 昌

まさ

 樹

(有)ファルマネットぎふ しいのみセンター薬局 中澤 千寿、山田菜央実、小池 武史、早川 敏宏

(有)ファルマネットぎふ しいのみセンター薬局

【 目的 】保険薬局は禁煙補助剤を調剤、服薬指導している。ファルマネットぎふは、地域の健康増進 活動の中心課題に禁煙を位置付け、取り組んだので報告する。

【 方法 】ファルマネットぎふは、4 薬局、職員数 43 名の薬局法人である。2014 年 11 月 1 日に法人と して禁煙宣言を行い、2015 年 2 月に職員の喫煙者ゼロを達成した。患者さんや地域の禁煙推進のため 職員からデザインを募集し、7 種類の「禁煙宣言」缶バッチを作成し、普及した。4 月に薬剤師 3 名、

事務 2 名からなる禁煙プロジェクト会議を設置し、1)事例検討会を開催し、禁煙外来受診後の初回来 局時の「喫煙状況に関する問診票」の導入と、禁煙成功のための服薬指導方法の検討、2)4 薬局に

「禁煙宣言」看板を設置、3)「禁煙教室」の開催、4)当薬局広報誌(「しいのみつうしん」)禁煙特集 号の発行、5)「薬局がつくった禁煙ガイド」(以下「禁煙ガイド」)の発行を準備した。

【 結果 】 4 月 9 日から禁煙プロジェクト会議で「禁煙ガイド」の作成をはじめ、9 月に発行した。まず 職員に呼びかけ、15 名から禁煙体験談と家族に禁煙を呼びかけるメッセージを集めた。患者さん宅を 訪問し、禁煙体験談や家族の想いをインタビューした。当法人が加盟している全日本民主医療機関連 合会が発行する民医連新聞(5 月 18 日号)に掲載された、『「世界禁煙デー」にちなんだ特集「私はこ れでタバコをやめました」』の掲載の許可を得、又インターネットの「禁煙ブログ村」の紹介の許可 も得た。さらに、チームのメンバーが分担して禁煙に役立つコラムを作成し、掲載した。

【 考察 】「禁煙ガイド」は、「健康編」、「家族編」、「依存症編」、「金銭編」、「禁煙外来編」、「禁煙実 践編」の 6 部の小冊子からなる。編集の過程で留意した点は、「禁煙したい人の手伝いになる本」、「手 にとって読みやすい本」、「どこからでも読める本」である。喫煙者に「禁煙ガイド」を活用した禁煙 教室への参加や、医療機関の禁煙外来受診を呼びかけて、禁煙を広げていきたい。同時に当法人職員 の喫煙者ゼロ達成に続き、職員家族や岐阜県民主医療機関連合会に加盟する医療機関、介護施設の職 員や家族、患者さんや地域の分析を行い、課題を明らかにして、喫煙者が気楽に禁煙に取り組める環 境づくりや、禁煙実践の取り組みを検討し、実施して行きたい。

O9-5

禁煙のすすめ(薬剤部担当の来訪者に対して)

まつ

 久

ひさ

 哲

てつ

 章

あき

国立病院機構 山口宇部医療センター 薬剤部

田中 翔一、矢谷  香、井筒 理子、綾田  翔、佐々木文子、安西 彩子、山崎富士子、

水口 敦子、引地 正人

国立病院機構 山口宇部医療センター 薬剤部

【 はじめに 】

 当院は呼吸器領域を専門とする医療機関であり、病院機能評価の上でも禁煙の徹底(敷地内禁煙、教 育)に努めている。病院薬剤部には、製薬会社のMR(Medical Representative;医療情報提供者)や医 薬品卸業のMS(Marketing Specialist;医薬品卸販売担当者)らが、それぞれの目的にて来訪している。

 喫煙の訪問者は喫煙臭を伴うため、業務として必要な面談も非常に不快感を覚えることが多い。理 由としては当院の敷地内禁煙を踏まえて、来訪前には集中して喫煙を行っているものと思われる。薬 剤部としては、これらの不快感について訪問者への訴えや禁煙を促す等の取り組みを実施してきた。

今回、前述のMR、MSに対して喫煙対策、禁煙推進のためのアンケート調査を行ったので報告する。

【 方法 】

 薬剤部では来訪するMRやMSに喫煙と社会人マナーについて説諭してきた。今回のアンケート調 査は、無記名によるプリコード及び自由回答の投函方式とした。内容については、職場環境、喫煙・

分煙対策、喫煙の影響知識、喫煙者・禁煙者の意識などの項目とした。本調査は薬剤部に立入許可さ れているMRとMSを対象とし、期間は平成 27 年 9 月 1 日〜 15 日とした。

【 結果 】

 回収総数は 72 通で、調査期間中の来訪者において回収率は 93.5%であった。回答者の男女比は 30:1 で、年齢構成は 30 歳代が多く、次いで 50、40、20 歳代であった。職場環境の空気が汚れてい ると感じる回答は 15%で、残りは感じていないとのことであった。各職場の喫煙対策は概ねできてい るようであった。タバコの影響については健康に悪いとの回答が 97%を占めていたが、喫煙者本人の 心の健康には役立つとの回答が半数もあった。その回答者の内、6 名は喫煙者であったが、中でも 2 名はこの 1 ヵ月以内に禁煙を予定していた。当院での禁煙推進については喫煙者、非喫煙者共に評価 は良かった。

【 考察 】

 当院では敷地内禁煙、患者への禁煙指導に加えて、薬剤部の来訪者に禁煙をすすめているが、今回 のアンケート調査を通して、本取り組みについては高評価であった。従前は喫煙後の間もない来訪者 につき、面談時にはタバコ臭があるため非常に不快感を抱くことがあったが、最近ではこの様な感覚 が減ったと考えている。今後も、禁煙の推進に努めたい。

O9-6

禁煙治療中に糖尿病性ケトーシスを発症した 1 例

たか

 石

いし

 彩

あや

 子

松山市民病院 内科

眞鍋 健一、塩見 亮人、仙波 英徳、三津田容子、神崎さやか、加藤ひとみ、籐堂 裕彦 新谷 哲司、古川 慎哉

松山市民病院 内科

【 症例 】 58 歳男性。

【 主訴 】口渇、頻尿、体重減少。

【 既往歴 】 40 歳 高血圧症、47 歳 心不全、狭心症にて冠動脈バイパス術施行

【 現病歴 】 13 歳の時に興味本位でタバコを吸い始めた。18 歳から 30 歳まで 1 日 20 本程度であったが、

以降喫煙量は増えて、1 日 40 本吸っていた。高血圧、脂質異常症の加療及び冠動脈バイパス術後の フォローのため、当院循環器内科に通院していた。平成 26 年 6 月の時点では HbA1c 6.6%、随時血糖 140mg/dl であった。また腹部大動脈瘤に対し、心臓血管外科で瘤切除・Y型人工血管置換術を施行 予定となっていたため、術前に禁煙することを目的に、平成 26 年 11 月 18 日に禁煙外来を紹介受診さ れた。禁煙の意思があり、TDS 9 点、Brinkman 指数 1060 であったため、ニコチン依存症と診断し、

バレニクリンの内服加療を開始した。同月 25 日から禁煙を開始できた。平成 27 年 1 月 2 日頃から下 痢を発症したため、冷たいソフトドリンクを多量(1 日 5 - 7 リットル程度)に飲むようになった。3 日頃から口渇、頻尿を自覚し、冷たい物しか喉を通らなくなった。1 月 13 日に禁煙外来受診の時に、

前述の症状を言われたため、糖尿病を疑った。同日の随時血糖 483 mg/dl、HbA1c 13.2%、尿ケトン 2+、血液ガスで pH 7.444 であり、1 ヶ月で 12kg 程度の体重減少あり、糖尿病性ケトーシスと診断し、

翌日 14 日に入院とした。

【 経過 】抗 GAD 抗体< 0.3 U/ml、血中 CPR 3.12 ng/ml(随時血糖 483 mg/dl)であり、インスリン分 泌能は保たれていた。糖毒性解除の目的や術前であるため、強化インスリン療法で加療した。最大で グラルギン(24-0-0-0)、グルリジン(14-6-12-0)と、多量のインスリンを使用したが、徐々に血糖 コントロールは良好となり、インスリンを漸減し、心臓血管外科で手術となった。

【 考察 】ソフトドリンクケトーシスでは、単純糖質の大量摂取が発症に大きく関与し、診断時には HbA1C が 10% 以上を呈し、肥満を伴った若年の男性で糖尿病初発例が多いとされ、1 日あたり一般 的には 2,000 ml 以上の清涼飲料水を摂取し、220 g の単純糖質をとっていることが多い。禁煙開始直 後の患者では、口寂しさ紛らわすために常に間食をしたり、また味覚、嗅覚の回復により食事がおい しくなり、過食につながったりする。本症例のように、糖尿病型や軽症糖尿病の患者でも禁煙開始後 は急激に血糖が悪化することもあり、食事療法に注意する必要があると考えられる。

ドキュメント内 第9回日本禁煙学会学術総会抄録集PDF版 (ページ 127-152)